柳沢きみお先生にとっては格差社会も資本主義も大した問題じゃないのだろう、強者の理論で生きてる人だ、と思わせる作品。
原作を読んだのは数十年前なのではっきりとは覚えていないが、ドストエフスキーは強者の理論の人だと思った記憶はない。つまりこれは柳沢きみおオリジナルだ。

舞台は現代の東京に置き換えられているけれど、ストーリーはほぼ原作通りである。でもオリジナルだと言いたい。
苦悩の果てに殺人を犯す主人公・龍一がひたすら醜悪で傲慢で、とても有能な人物には見えない。やれ貧困だ不幸だと言うが、同情する気にはとてもなれない。
ラスコーリニコフが強迫観念に囚われ、狂気に取り憑かれていく様とはまた違った印象を抱いた。
雑な言い方をすると、龍一はただのちょっとヤバいやつ程度の描かれ方だと感じた。

それでこそ柳沢きみお先生だよなあ、と思った。
弱者に寄り添うような視点なんて、格差社会や資本主義に対する疑問なんて、描かれなくていい。いつまでもマッチョで家父長制の権化みたいな作品を作り続けてほしい。
そんな人じゃないのかもしれないけど、そんな人で居続けてほしい。
価値観や常識は時代に合わせてアップデートしていくべきものだと思っているけど、表現活動についてはその限りではないとも思っている。
良くも悪くも人の心に棘を刺せる作品は、凄いものだ。

このまま魂の救済されないまま終わらないかな。それぐらいのことをしても柳沢きみお先生なら許されるのでは。

読みたい
19番目のカルテ 徳重晃の問診

読んで見つめ直そう

19番目のカルテ 徳重晃の問診
野愛
野愛

体調が悪くなると医療漫画が読みたくなることないですか? とは言え重たいともっと具合悪くなるので、できれば前向きだといい。さらに言うと1話完結で読みたい分だけ読めるといい。 というわけで19番目のカルテがぴったりなんです。 どこかが痛い辛いときってもちろん治したいのは当たり前だけど、まずは安心したい気持ちが強い気がします。 原因がよくわからず「ストレスですね」とか「体質ですかね」とか言われると、どうしていいか途方に暮れてしまいます。病気じゃないのに仕事や学校休めないし……。 その一方でなんとなく「ストレスかなあ」「疲れかなあ」と不調をやり過ごしてしまうこともあります。病院行くの怖いし……。 という気持ちが自分にはあるので、この作品に出てくる患者さんたちも相当悩んで苦しんで怯えて病院にたどり着いたんだろうなあ、そういう人たちに寄り添う徳重先生、滝野先生は本当に素晴らしいなあとしみじみ思います。 そしてもうひとつ、自分のことを正しく大事にしないとなあとも思います。これくらい大丈夫と思わずに、休むときは休んで健康診断も受けて病院ちゃんと行こうと誓いました。

1巻を試し読み
ストアに行く
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
夜に蠢く 新装版

夜に蠢く 新装版

郷屋川 脩は平凡な毎日にうんざりしていた。そんな時、初老の紳士から別の人生を生きてみないかと声をかけられる。その数日後、勤めている会社が倒産――。郷屋川は覚悟を決めて初老の紳士に電話をする。手付金の入ったバッグを受け取った瞬間から、郷屋川 脩は別人へと生まれ変わった。二代目社長の身代わりになるため、初老の紳士・高田のトレーニングを受ける。そしてとうとう奥様との対面の日がやってきた。緊張する郷屋川の前に現れたのは、非の打ち所がない美しい女性。見とれて固まる郷屋川…それは一目惚れだった。【目次】第1話 謎の男第2話 説明第3話 ジレンマ第4話 決断第5話 新しき人生第6話 食事第7話 妄想

続・悪の華  闇華 新装版

続・悪の華  闇華 新装版

芸能界の光と闇を描いた『悪の華』の続編。色と欲に取りつかれた魑魅魍魎がうごめく闇の世界……そんな芸能界を生きる女たちを、闇の中の花にたとえ“闇華”と呼ぶ。津島プロの社長となっていた川合と、津島にそっくりな風貌をもつ桐野が唯一無二の闇華を探し求める。津島のいないこの世界は、刺激もなく薄っぺら毎日にうんざりしていた川合は、この世界からの引退を考えていた。そんな時、かつての相棒、津島とそっくりな桐野と出会う。何事も中途半端で半人前だが、どこか憎めない桐野を川合は津島プロで雇い育てることにする。【目次】第1話 川合という男第2話 チンピラ第3話 上納金第4話 初仕事第5話 スカウトマン第6話 枯れ花第7話 初手柄第8話 乱闘第9話 最後の夜

悪の華 新装版

悪の華 新装版

芸能界に広がる麻薬汚染。その黒幕として逮捕された津島健一郎は、元大手芸能プロダクションのエリート社員。所属ミュージシャンの身代わりとして刑務所に入るが、出所後に知る驚くべき真実―― 復讐劇の幕が開く。すべてを知った津島は、自分愚かさに腹を立て深酔いする毎日を過ごしていた。そんな時、芸能界に夢を見るひとりの女と出会う。津島は、彼女の顔と体に大金をかけ人造美乳アイドル“かんな”を作り上げた。そして欲と性に飢えた業界の男どもに惜しげもなく売り出した。津島の復活は、かつて所属していたマルAプロ社長にも伝わり、圧力をかけられる。【目次】第1話 出所第2話 事実第3話 少女A第4話 専属契約第5話 レギュラー第6話 もう1人の自分第7話 圧力第8話 名医第9話 策略第10話 宣戦

青き炎

青き炎

主人公の海津龍一は、冷酷で自己中心的な人間だが持ち合わせた完璧な容姿のせいで、女生徒からは人気があった。極端に口数が少なく誰とも親しくしない彼が興味を持ったのは、お金持ちの娘・内藤絵美だった。彼を渦巻く負の連鎖はとめどなく続き、不幸を貪りつくす。行きつく先に光はあるのか!? 内藤絵美が県で一番の総合病院のひとり娘であることを知った龍一は彼女に近づく。もともと龍一に好意を抱いていた絵美を落とすことは容易いことだった。二人が付き合い始めたことは、瞬く間に学校中を駆け巡り、彼女の父親も知ることになる。【目次】第1話 降臨第2話 野獣第3話 凶器第4話 野望第5話 人形第6話 カップル第7話 脅迫第8話 死角第9話 悪党第10話 眠り薬第11話 視線第12話 私闘※初出 ヤングサンデーコミックス(小学館)

特命係長 只野仁ファイナル 愛蔵版

特命係長 只野仁ファイナル 愛蔵版

テレビ朝日系でドラマ化(主演:高橋克典)された人気作『特命係長 只野仁』『新・特命係長 只野仁』に続く第三弾がここに開幕。大手広告会社 電王堂 総務二課の只野仁は、昼間は冴えない窓際係長だが、夜になると電王堂・会長からの特命で社内外のトラブルを鮮やかに解決へと導く「特命係長」というもう一つの顔があった――!新入社員の中で一番のイケメンと噂の加茂しげるは、高身長で一部上場企業社長の一人息子。女子社員の視線を釘付けにしていた。だが…加茂には違法ドラッグに絡む悪い噂があり只野が調査に乗り出す。【目次】第1話 イケメン新入社員1第2話 イケメン新入社員2第3話 イケメン新入社員3第4話 イケメン新入社員4第5話 イケメン新入社員5第6話 イケメン新入社員6第7話 経理課長失踪1第8話 経理課長失踪2第9話 経理課長失踪3

新・特命係長只野仁 愛蔵版

新・特命係長只野仁 愛蔵版

テレビ朝日系でドラマ化(主演:高橋克典)された人気作、『特命係長・只野仁』の続編。大手広告会社・電王堂 総務二課の係長 只野仁。普段は冴えないダメ社員だが実は彼には電王堂・会長からの特命のもと、社内外のトラブルを秘密裏に解決へと導く「特命係長」というもう一つの顔があった――!ある大物の縁故で入社した女子社員には黒い噂がある。警察沙汰にでもなったらわが社も大変な被害を被る可能性がある。真相を暴くため、会長・黒川から特命を命ぜられる。数日間彼女を尾行したが、派手なところはなく、薬物に溺れている様子もない。諦めかけていたある夜、彼女は只野の前で転び膝をケガする。だが翌日彼女を見たとき、膝頭の傷がウソのように消えていた!? ■目次■第1話  二つの顔をもつ女 1第2話  二つの顔をもつ女 2第3話  二つの顔をもつ女 3第4話  重役失踪 1第5話  重役失踪 2第6話  重役失踪 3第7話  重役失踪 4第8話  重役失踪 5第9話  重役失踪 6第10話 重役失踪 7第11話 家出 1第12話 家出 2初出:週刊現代(講談社)

女だらけ

女だらけ

柳沢きみおの初の週刊誌連載『女だらけ』がついに電子コミックとなって登場!奔放な五人の姉と末弟・六助の日常を描く。ギャグやお色気シーン満載の愛と涙のギャグロマン!長女の一子、次女二子、三女の三子、四女と五女は双子で四子と五子。そして最後に末っ子で長男の六助、女五人と男が一人。当然女性の裸には慣れっこになっていた。ある日の朝食時、六助がとった行動により大騒動!姉たちは仕返しに、六助のカバンに女性用の下着を詰め込んだ。そんなこととはつゆ知らず、学校に行った六助は!? ■目次■女五人に男がひとりの巻身体検査の巻パパのプレゼントの巻カラテで反撃の巻遠足のお弁当の巻無二の親友の巻オコタでヌクヌクの巻ツンテンシャンの巻お酒キライの巻三子のデートの巻決戦!! 六助対恐竜の巻ボインだらけの巻初出:週刊少年ジャンプ(集英社)

【極!超合本シリーズ】特命係長 只野仁シリーズ

【極!超合本シリーズ】特命係長 只野仁シリーズ

至高のマンガをもっと一気に読みたいアナタへ…ついに出ました! 合本よりも超合本、1つに超絶多くの巻数が含まれた【極!超合本シリーズ】! ドラマでも伝説的な人気を誇った「特命係長 只野仁」「新特命係長 只野仁」が両方入った完全版の超合本! ご存じ、昼はドジな社員、そして夜はその顔が一変! 怪しい匂いのする社内外のトラブルを解決に導くスーパーサラリーマン・特命社員、只野。大手広告代理店「電王堂」を取り巻く痛快アクションストーリーはハマること間違いなし! ※「特命係長 只野仁」単巻版1~5巻を収録しています。

【極!超合本シリーズ】悪の華シリーズ

【極!超合本シリーズ】悪の華シリーズ

至高のマンガをもっと一気に読みたいアナタへ…ついに出ました! 合本よりも超合本、1つに超絶多くの巻数が含まれた【極!超合本シリーズ】! ドラマでも伝説的な人気を誇った「特命係長 只野仁」の柳沢きみおが送る、「悪の華」が【極!超合本シリーズ】にて登場! なんと「悪の華」と「続・悪の華 闇華」が両方入った完全版! 主人公の大手芸能プロダクションマネージャーの津島研一郎は、麻薬取引の黒幕でもある所属タレントの身代わりとなって逮捕されてしまう。服役が終わるまでの間に、津島のフィアンセが他の男に取られてしまうが、その男こそが津島を刑務所送りにした張本人でもあるプロダクション社長の花山であった。愛する人を奪われ、その人生もズタボロにされた津島は、あらゆる手段を駆使して芸能界でのし上がるべく再起するのであった! ※「悪の華」単巻版1~6巻を収録しています。

【極!超合本シリーズ】夜に蠢くシリーズ

【極!超合本シリーズ】夜に蠢くシリーズ

至高のマンガをもっと一気に読みたいアナタへ…ついに出ました! 合本よりも超合本、1つに超絶多くの巻数が含まれた【極!超合本シリーズ】! ドラマでも伝説的な人気を誇った「特命係長 只野仁」の柳沢きみおが送る、「夜に蠢く」が【極!超合本シリーズ】にて登場! なんと「続・夜に蠢く」と「続・夜に蠢く」が両方入った完全版! 郷屋川脩(こやがわおさむ)は、街で突然見知らぬ男から「ある有名会社二代目社長の影武者になってほしい」という変わった依頼をうけた。あまりに怪しい話に一度は断るものの、今の自分の平凡な暮らしに嫌気がさしていた郷屋川はその話を受けることに。蓋を開いてみるとその会社はなんと業界最大手の出版社、影武者として思いがけない人生になっていくヒリヒリしたストーリーは必見!! ※「夜に蠢く」単巻版1~6巻を収録しています。

罪と罰 -正義か犯罪か

罪と罰 -正義か犯罪か

頭脳明晰で孤独な元大学生・ラスコリニコフは、「少数の選ばれた非凡人は、人類の進歩や福祉に貢献するためならば法を踏み越えて殺人を犯してもかまわない」という独自の理論から、社会的に害でしかないと彼が考える高利貸しの老婆を殺害するが―――!? ドストエフスキーの代表作を、レディコミ界の第一人者・汐見朝子の視点で完全漫画化!!

カラマーゾフの兄弟

カラマーゾフの兄弟

奔放かつ強欲極まりない男フョードル・カラマーゾフが殺された。一家の当主を失い始まる、残されたものたちの“毒蛇同士の殺し合い”に例えられる争い。“神の存在”、“認められること、許されること”の意味とは? そうして犯人は誰か? ドストエフスキーの集大成にして、最高傑作の一つ『カラマーゾフの兄弟』を圧倒的画力で描ききったまんが作品。ここに完成!

罪と罰

罪と罰

本作は、ロシアの文豪ドストエフスキーの代表作「罪と罰」を題材としながら、日本ギャグ漫画界の鬼才・漫F画太郎が独自の世界観と価値観を再構築したもので、文学と漫画の新たな融合を目指す、究極の挑戦作である。本編の主人公・エビゾー=ラスコーリニコフは果たしてその最終目的――質屋の老婆殺害を成し遂げることができるのだろうか!?正義の斧、一閃―――そして、悪夢が始まる。

罪と罰 -まんがで読破-

罪と罰 -まんがで読破-

これほど自分だけが絶対と信じる人々はかつていなかった。ロシアの国民的作家、ドストエフスキーが描いた、「現代の預言書」とも呼ばれる文学の最高峰を漫画化!頭脳明晰な青年ラスコリニコフは独自の倫理観に基づき、強欲な金貸しの老婆を殺害し、目撃者のその妹まで殺してしまう。想定外の事故、良心の阿責、警察の捜査の影に怯え始めるラスコリニコフ。自首か、逃亡か。娼婦ソーニャの生き方に心を打たれた彼の選んだ結末は…?企画・漫画:バラエティ・アートワークス

試し読み
カラマーゾフの兄弟 -まんがで読破-

カラマーゾフの兄弟 -まんがで読破-

妖艶な美女を奪い合い、長男ドミトリーと淫蕩な父親フョードルが激しくいがみ合う。家族のことに無関心な次男イワンと心を痛める三男アレクセイ。親子の確執は激しさを増し、悲劇は起こる。信仰や死、国家と教会、貧困、父子・兄弟関係など深遠なテーマを含む人間ドラマ。現代の予言者ドストエフスキー生涯最後の作品を漫画化。

試し読み
悪霊 -まんがで読破-

悪霊 -まんがで読破-

「組織」のために必要な犠牲だったんだよ!――帝政末期、すべての価値が崩壊しさまざまな思想が氾濫するロシア。虚無と背徳のなかを生き、強烈なカリスマ性を放つニコライを崇拝するピョートルは、反政府組織を作り社会に混乱を招こうと企てるが、組織の印刷技師シャートフの離反をきっかけにおぞましい事件の幕が上がる――。現代の予言者ドストエフスキーが描いた黙示録を漫画化!

試し読み
地下室の手記 -まんがで読破-

地下室の手記 -まんがで読破-

19世紀ロシア・ペテルブルグに、ある男が住んでいた。男は過剰ともいえる自意識から「心の地下室」へ閉じ込もり、社会と断絶した生活を送っていた。あるとき男は、自身の過去の回想を記すことで、「人間の本質の非合理性」を明かしていくことを試みる──。ドストエフスキーが斬新な切り口で、人間心理にメスを入れた長編小説を漫画化。

罪と罰

罪と罰

貧しさ故に、高利貸しの老婆を殺し、その金を盗む苦学生・ラスコーリニコフ。秀才の彼が編み出した天才理論は、彼を成功へと導くはずだった。ちょっとしたミスから彼を疑い、迫る予審判事。聖女・ソーニャとの出会い。そして、予想もできなかった自身の良心の呵責に苦しむ。哲学書であり、ミステリーであり、恋愛小説でもある長編小説。まんが化で超一級のエンターテイメントに仕上がりました。

オルフェウスの窓

オルフェウスの窓

ドイツ・レーゲンスブルクの音楽学校、聖ゼバスチアンの塔に400年前から伝わる「オルフェウスの窓」―――男性がその窓から地上を見下ろしたとき、一番はじめに眼界に入った女性と宿命的な恋におちるという伝説を持ったその窓で、ユリウスとイザーク、またユリウスとクラウスはそれぞれ出会う。ところが伝説には続きがあり、その恋はオルフェウスとエウリディケの悲恋にならって必ず悲劇に終わるという…

新装版 凍りの掌 シベリア抑留記

新装版 凍りの掌 シベリア抑留記

小澤昌一は東洋大学予科生。東京・本郷の下宿先で銃後の暮らしの中にいた。戦況が悪化する昭和20年1月末、突然名古屋から父が上京し、直接手渡された臨時召集令状。北満州へ送られた後、上官から停戦命令の通達、すなわち終戦を知らされる。実弾を撃つことなく終わった戦争だったが、その後ソ連領の大地を北に向かわされ、ついにシベリアの荒野へ。待っていたのは粗末な収容所と、地獄のような重労働だった。 シベリア抑留の極限状況を生き抜いた著者の父親の実体験をもとに描かれた衝撃作、待望の新装版!

おいしいロシア

おいしいロシア

ロシアの家庭料理は、素朴でやさしい。日本から、ロシア人の夫と一緒にやって来たロシアの地。1年間の生活を満喫しようと、「食」から知っていくことに。近くて遠い隣国での、おいしくて楽しいコミックエッセイ。日本でも再現できる、ロシア料理レシピ付き。

憂国のラスプーチン

憂国のラスプーチン

外務省と検察の謀略を揺るがす男あり! 言論界の雄・佐藤優が、天才ホラー漫画家・伊藤潤二と手を組んだ!! おまけに脚本をサポートするのは、浦沢直樹作品の共同制作者・長崎尚志。この異色の組み合わせが、外務省と検察の秘められた謀略をあぶり出します。“外務省のラスプーチン”と呼ばれた辣腕外交官が、北方領土返還に尽力しながらも“国策捜査”の名の下に逮捕されるところから物語が始まります。ソ連、ロシア政権上層部に最も食い込んだ西側の“スパイ”としての活躍と、取調室で繰り広げられる東京地検特捜部エリート検事との壮絶な闘いを描きます。連載当初から賛否両論の嵐だったのですが、厚労省・村木局長の無罪判決、大阪地検特捜部の前田検事逮捕など、世間の情勢も追い風となり、本作品への関心・支持が高まっています。社会問題に関心の強い読者から、もっと外務省や検察の本質に迫ってくれとの激励も多く、これまでの小学館コミックの中でも異彩を放つ作品となっています。

春風のスネグラチカ

春風のスネグラチカ

車椅子の少女と物言わぬ従者。互いの他に、信じるものなどない二人。◆極寒のロシアを舞台に沙村広明が描く、戦慄の歴史ロマン。◆1933年、ソビエト連邦カレリア自治共和国。とある別荘(ダーチャ)の管理人であるイリヤ・エヴゲーニヴィチ・ブイコフは、車椅子の少女・ビエールカと物言わぬ従者・シシェノークに出会い、奇妙な賭を申し込まれる。なぜ彼らはこの地を訪れたのか、どこからやってきたのか。そして互いだけを頼りに生きる二人が背負う、密かな宿命とは――。とある名家にまつわる、喪失と奪還の物語。

試し読み
靴ずれ戦線 ペレストロイカ

靴ずれ戦線 ペレストロイカ

ときは第二次世界大戦、ソ連とドイツの戦いのなか、ロシアの魔女ワーシェンカとお目付けナージャのコンビがあっちをうろうろ、こっちをうろうろと転戦する。お化けと戦争が交錯するローリングストーンな変てこ戦記が完全版として復活! ※こちらの作品は2011年に刊行された『靴ずれ戦線(1)』に新規読み切りや解説ページなどを加えた内容になっております。重複購入にご注意ください。

乾と巽―ザバイカル戦記―

乾と巽―ザバイカル戦記―

安彦良和、最後の新連載!! 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』『天の血脈』など数々の名作を世におくり出してきたレジェンドが、作家生命を懸けて最後に挑む巨編! 今から100年前、大正の日本が選んだ「シベリア出兵」という道の中、ロシアの戦場に立った腕利きの砲兵・乾と、気鋭の新聞記者・巽。戦争のど真ん中を熱く生き抜いた男達の生き様を描く!

ZOMBIEMEN

ZOMBIEMEN

自分と同じ孤児施設の子供たちの笑顔を守るため、リング上で闘うサムソン土井。彼に取り憑いているのは、闇夜に潜み住むという都市伝説化している永遠の少年・ショボクロ。その爪で傷つけられると不死身になるという…。総合格闘技日本一決定トーナメント決勝戦に出場したサムソンは、もの凄いブーイングの中リングへと上がるが、彼はその試合で…。

虹色のトロツキー

虹色のトロツキー

幼い頃に記憶と家族を失った日蒙二世の青年・ウムボルトは、赤化運動の折、憲兵に捕まり拷問を受ける。しかし、関東軍参謀・辻政信によって釈放され、日本軍統治下の満州に建てられた建国大学に入学する事になった。そこで、ロシア赤軍を創ったトロツキーが父の知り合いであること、自分はトロツキーを招き入れる為に軍上層部の思惑によって学校に入れられた事を知らされる。旧満州を舞台に日本軍の政治的陰謀に巻き込まれながらも、強く生き抜く青年の物語が今はじまる。

弱者の魂なんぞ救ってやらんとでも言わんばかりのにコメントする