今日から始める幼なじみ

ありそうでなかった関係

今日から始める幼なじみ 帯屋ミドリ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

もう、タイトルの「今日から始める幼なじみ」そのままの内容で非常に分かりやすい帯屋ミドリ先生の新連載。一応ラブコメなのかな? 隣の家に引っ越してきた女の子が、同じ中学、同じクラスでさらに隣の席だから気にかけてたけど、どうも引っ込み思案らしくて、ある日放課後呼び出されて言われたことは「私の幼なじみになってください」だった!? ここで出てくる転校生の女の子と同じく、自分は幼少期から転校が多く故郷すらどこか分からないような感じなので「幼なじみ」がほしいという気持ちが痛いほど分かる……!!! ただ、そうじゃないんだ…! 転校してきて航平くんと隣の家で、部屋が窓同士で向かい合ってて、教室でも同じクラスで隣の席ってなったらもう幼なじみになるしかないでしょってそんなことないんですが、非常にいいです。 と、幼なじみ作りに突っ走る楓ちゃんを楽しみつつ、これって彼氏彼女とどう違うんだ?とドギマギする航平くんでもう一楽しみできてお得です。 おそらく二人はこれから距離を縮めていくわけですが、楓ちゃんはどこの時点から幼なじみも恋人に変わり得るということに気づいていくのか、見ものです。 https://kuragebunch.com/episode/3269632237305143755#

編集王

出版業界漫画の名作

編集王 土田世紀
六文銭
六文銭

「ルーザーズ」とか「ブラック・ジャック創作秘話」とか 漫画家漫画や業界漫画って好きなんですよね。 素晴らしい作品に出会うと、どうしても創り手のことを想像してしまうタイプなので、裏話的なことも含めて作品として楽しみたいんですね。 そして、実話じゃなくても良いタイプです。 そんな中でも、この「編集王」は業界漫画の筆頭というか、まずその手の作品を読みたい方は、こちらをおすすめしたいです。 本作は、見習い編集者になったボクサー崩れの桃井環八(カンパチ)を主人公に、個性的な編集者や漫画家を描いた作品。 特に、出版とは「文化」か「ビジネス(営利)」かという点に切り込んでいく様は、生臭くもリアリティの塊です。 主人公カンパチは、つまらなくても売れればいい(売れっ子作家だからいい)とか、業界がもつある種の悪習に反発し、関係者と衝突して…という流れで物語は進んでいきます。 土田世紀の泥臭くも熱量高い登場人物たちが、本作でも良い味をだしています。 個人的に「文化」と「ビジネス(営利)」の天秤で偏ったスタンスに立っていないところが本作の魅力だと感じています。 作品としては、感情的なシーンばかり際立ちますが、双方の言い分をきちんと描いており、何が正しいかを誘導せず、読み手に問いを投げかけているようで考えさせられるんですね。 「売れる本の何が悪い?」 と問いかけられた出版社の社長の答えはシビれました。 登場人物すべてが肝が据わった信念通す人たちばかりで、 何かうまくいかない時とかに読むと元気をもらえます。 出版業界に関わらず、何かアツイものを忘れてしまったサラリーマンにも是非読んでほしいです。 何度読んでも、心が燃えて、涙が溢れます。

異世界を電マだけで生き抜く!! モバMAN DIGITAL COMICS

潔さすら感じるおバカさ

異世界を電マだけで生き抜く!! モバMAN DIGITAL COMICS サイトウミチ
六文銭
六文銭

まずタイトルを声にだして欲しい。 「異世界を電マだけで生き抜く!!」 電マ?思わず2度見した。そう電マである。 書影の男がもっているの竹刀か?とおもったら、電マである。 あー、なるほど、いつも攻めまくっている電子オリジナルの新興出版社かなと思い、出版社をみたら 小 学 館  である。コロコロコミックとか、ドラえもんとかの小学館だ。 ここまでくるとドラえもんですら、電マの隠喩じゃないかとさえ思えてしまうから不思議。 昨今、異世界系が勃興し、猫も杓子もとりあえず異世界やっとけみたいなノリに、出版界のエリート小学館がついにキレたんだろう。 そう思うことにして読んだ。 内容は、もう、最高のバカさ加減だ。 伝説の武器デン・マー(電マ)をもって世界を救うヒーローとして、主人公は転生する。 ちなみに、現実世界での死因は、MM(マジックミラー号)に轢かれてだ。 エロ×異世界 も それなりにあるが、 本作は、ここに「おバカ」が加わって、もはや笑いしかない。 クッコロ王国とかヤリモク村とか徹頭徹尾、その手の名称ですすめていて、ここまで突き抜けるとおバカも笑いになる。 逆に、昨今の異世界ブームをディスっているとすら感じる。 人前で公言とおすすめすることはできないが、 下ネタ大好きな御仁には一読して欲しい作品です。 ちなみに、私は小3レベルの沸点なので大爆笑でした。

くるくるくるま ミムラパン

今いちばん好きなグルメ漫画 #1巻応援

くるくるくるま ミムラパン 関野葵
nyae
nyae

移動式パン屋「ミムラパン」が巻き起こすハートフルな人情漫画ですが、あえて"グルメ漫画"として推したい。そのくらいパンが美味しそうに描かれています。そして単行本には登場するパンのレシピも掲載されています。ミムラパンのパンが家でも食べれるなんて!と思いますが、パン作りは難しいので慣れてない人にはハードルが高いかもしれないですね。でも読めばきっと挑戦したくなるはずです。 この漫画は、背景の描き込みが凄まじく、また漂う空気とか人の感情の移り変わり等の効果の表現が特徴的でどこかファンタジーな雰囲気があります。それでいて生きるうえで大切な「美味しいものを食べる喜び」もしっかり伝わるように描かれてます。 作中でも言われてますが、パン作りは本当に難しい。ましてや商売にしようとすれば挫折は当たり前。そんな中で、どうして諦めずにミムラさんがパン屋を続けているかという問いにたいして答えた言葉がものすごく響きました。つらいことばかりでも、何があっても忘れることのない「楽しい瞬間」。もしかすると1秒もないかもしれないその瞬間のために頑張れるって、誰にでもあると思います。 パンに限らず、なにか美味しいものを自分で選んで買って、気分ををあげようという気持ちにしてくれる漫画です。

球魂

クソ田舎の温泉街の高校卓球部が下剋上!

球魂 岩田やすてる
名無し

無料漫画で見つけた作品。名前も聞いたことなかったけど1巻読んでみたらメッチャ良かった! 絵柄がなんというかヤンキー漫画っぽいというかザ・青年誌って感じで明らかにスラダンの強い影響も感じる。キャラデザは少年誌らしく大胆にデフォルメしたキャラもいて、ちょうど少年誌と青年誌の中間という感じで掲載誌が謎だなぁと思いながら読んだ。(実際自分が一度も読んだことのない、今はなきヤングサンデーだった) ・山奥で卓球の修行ばっかりしてた小柄なメガネ・スグル ・運動能力抜群でドイツ帰り(※サッカー)の運動神経抜群素人・明彦 ・闘争心抜群の下手くそ ・「テナガザル」と呼ばれるのがトラウマの腕の長いカットマン ・器用だけどスタミナゼロのデブ …というメンバーのバランス感覚が絶妙で、特にW主人公のビジュアルの対比が最高に漫画っぽくて好き! (序盤で他の3人を「卓球顔」呼ばわりするとこで不謹慎だけど笑ってしまった) 卓球勝負に負けた明彦がスグルのことをソッコーで「ご主人様」呼びしてて、その潔ぎよさと爽やかさが良かった。照れながらペアを申し込むスグルも素敵。 そもそも「卓球=温泉」という設定がうまいし、展開もド王道部活スポーツ漫画なのも「これこれ〜!」という感じだし、ワクワクしながらあっという間に1巻読んでしまった。 自分の知らない面白いスポーツがまだまだあるんだなぁ。