青年マンガの感想・レビュー15392件<<296297298299300>>石化病と怪物の脅威から生き延びろ!SF古城サバイバル #完結応援いばらの王 岩原裕二ANAGUMAモンスター映画やパニック映画の仕組みを考えてみると、多くの場合立ち向かうべき危機は基本的にひとつです。サメだったり災害だったりゾンビだったり。 『いばらの王』で最初に描かれる危機は石化病と呼ばれる奇病。主人公のカスミが石化病から逃れるための冷凍睡眠から目覚めるところから本作は始まるのですが、間髪入れずに第二のクライシスが発生。 恐竜みたいなモンスターが襲ってきます(マジで!?)。 病気と怪物、脅威がダブルで襲いかかってくるので単純計算で緊張感が2倍!おまけに古城もボロボロなのでそこかしこに死の危険が転がっています。(個人的に岩原作品で「必ず描いてるな!」と思っている水場の戦闘と潜水イベントもバッチリあります!) 命の危機に対処しながらも石化病の真実、登場人物たちの過去、カスミが抱えていた秘密が次第に明かされていくのがさながらハリウッド映画を見てるかのようなワクワク感。読み始めたら止まらなくなります。 長らく電子版が刊行されていなかったのですが、『DTB』や『ディメンション W』から岩原裕二を知った方はこの機会にこちらも読んでみてほしいです。 張り巡らされた伏線、ゾクゾクするような設定、起伏に飛んだ人間模様がスリリングなアクションとともに描かれる「岩原エッセンス」が本作にもたっぷり詰まってます。地方…多肉…妻…夫を噛(か)む 水瀬マユ名無し地方都市を舞台にした不倫マンガ。読み進めるうち「多肉植物」が次第にムラムラするワードに聞こえてくるから不思議…w しかも浮気相手の名前がムラタて。なんだかんだ段階踏みつつ、不倫に至るまで早かった〜。え?もう?みたいなスピード感。ただ作品に清楚な雰囲気があって、サラリとしたエロの感じがちょっと良いっス…(でも不倫はNO!)別の女性も登場してきたりして、これからもっと業が深くなっていきそー…。主人公、あんま不幸は似合わなさそうなタイプの女子っぽいので最終的に夫だけが酷い目にあってほしいな。 それにしても漫画アクションで連載してる「いとなみいとなめず」とは真逆の作風なの面白い。あっちでは純情な新婚生活を描いて、こっちでは不倫を描く、結構チャレンジングな連載でどちらも結末が気になる作品です。祝・100万部!異世界の主役は我々だ! 加茂ユウジ グルッペン・フューラー せらみかる せらみかる+ユーザーのみなさん名無し電車の中に広告が!高すぎる画力と酷すぎるエロが最高!ローゼンガーテン・サーガ 富士防人 外岡馬骨天沢聖司「ジジイもババアも関係ねえ!今日の仕事は犯して殺す!!それだけだこの野郎!!」 https://viewer.heros-web.com/episode/13933686331695930330 シンプルに面白い昭和天皇物語 能條純一 永福一成 志波秀宇 半藤一利名無しテーマがテーマだけになんとなーく抵抗感があって読むのを躊躇ってたのですが、読んでみたらシンプルに無茶苦茶面白かったです。 作画が能條純一だけあって美しく重厚で説得力があってすごくいいですね……その一方でちょいちょい印象的なおっさんの変顔が入るとこも好きです。 もし気になってるけど読むのを迷ってる人がいたら、エジソンとけヘレン・ケラー伝記くらいの気持ちでまずは読んでみて欲しいです。美人翻訳家と14歳の女中・ハナちゃんの日常うちのちいさな女中さん 長田佳奈名無し日本版エマ!と言いたくなったのは私だけではない…はず…(もちろん設定はいろいろ違いますが)。10歳から女中をやってきたハナちゃんは、体は小さいけれど表情は堅く子供らしさは皆無。ひとり暮らしの翻訳家・令子さんとの暮らしの中で少しずつほぐれていくと良いなと思った1話でした。 最後に、令子さんの童話集を大切に持っているハナちゃん。令子さんのことは前から知っていたんですね。それは支配か幸福か、近未来SF『iメンター』iメンター すべては遺伝子に支配された 小出もと貴名無し※ネタバレを含むクチコミです。 ハイテンション社会主義この社会主義グルメがすごい!! 河内和泉 内田弘樹野愛異国の食生活と歴史を学べる漫画かと思ったら……学べるは学べるんだけどハイテンションで情報量がすごいので圧倒されてよくわかってません。 社会主義の擬人化ってすげえな…しかもあんまり飯美味そうじゃないな…とうっかり資本主義に感謝しそうになりました。 透明コーラのエピソードは面白いので記憶に残りましたね。 資本主義の象徴であるコーラをバレないように味わうため、なんか現代にも通ずるようなお話だなあ。 かわいい女の子の形しててもお家にソ連そのものがやってきたら嫌かも。恋でも友情でもない、ただタンゴを踊りたいだけのふたりpareja-パレハ- 園河ソノ名無しダンスに人生をかけている人間は見てて面白いです。「お前なんて大嫌いだ」といいながらどうしようもなく惹かれるのがいかにも恋愛ものっぽいですが、この漫画では、男性同士の歪でありながらこれ以上ない純粋な関係性を描いています。友情でも愛でも恋でもない「こいつとはタンゴだけでいい」と思える、踊るためだけの相手、そういう関係をスペイン語で"パレハ"と言うそうです。 ブロマンスと言っていいんでしょうけど、作者の方の過去作みるとゴリゴリのBL描いてらっしゃるのでそれもそれで気になりましたw才能豊かな短編集♪鏡が来た 高橋留美子短編集 高橋留美子starstarstarstarstar干し芋高橋留美子短編集、なんて贅沢な作品集なんでしょう。 色んなテイストがあって、高橋留美子の才能を今更ながら感じます。 『鏡が来た』斬新だし、引き込まれます。 『リベンジドール』最後のオチが好き! 『with CAT』可愛いらしい二人のほのぼのストーリー。 そして、最後の『マイスイートサンデー』はあだち充と高橋留美子二人の境遇が本人によって描かれているって素敵すぎる💓 皆に読んで欲しいです♪ みなもと太郎のエッセイ漫画挑戦者たち みなもと太郎マンガトリツカレ男多分3回くらい買って読んでいるが読むたびに毎回いい発見がある。 個人的にものすごい好きなのは以下の三つ ・一軒一軒「行商」して回る貸本屋の話である「残照者たち」 ・みなもと太郎の会社員時代の話である「感触者たち」 ・南禅寺の豆腐の話である「くいだおれ者たち」 イベントで一回だけみなもと太郎に会ったことがありその時に「続・映画人たち」に登場した「敵に悟られないようにのぞいて抜き打ちして殺すシーン」で相手にみつからないように見た時のポーズをしたのは誰なのでしょうかと聞いて教えてもらったのは忘れられないNY34分署のバケモンみたいなお巡りさん!マッド・ブル34 小池一夫 井上紀良名無しなんとなく1巻読んだけどこれ好きなヤツだった。1980年代のヤバすぎる街ニューヨークの平和をバイオレンスな方法で守るお巡りさんの話。 怪物みたいな巨体に悪人面のスリーピーは、命に関わる手術のあとにそのまま手術室で女抱くようなヤベーやつ。とても警官とは思えないダーティーなこともするけど、掠めた金は娼婦みたいな弱い立場の女を助けるために使っている義の男で、その相棒は新米警官で気弱な日系人のダイザブローっていうのがいい。 とにかくニューヨークに蔓延る犯罪者がヤベェやつばっかで、そいつらの頭を遠慮なくスイカみたいに弾き飛ばすとこが最高!こういうハチャメチャなアクション漫画は読むと元気が出るこの世界はなんだ? つくみず先生新連載シメジ シミュレーション つくみずにわか最高に面白い。つくみず先生って最高なんだよ。 不思議な世界観の日常4コマ。クラスのJKが話してる内容だけで笑えちゃう。主要人物達の強烈な個性と掛け合いも最高。試し読みだけでもぜひ https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF06201465010000_68/ 初めて読んだデメキング 完結版 いましろたかしかしこ巻末のインタビューでラスト間際はネームが間に合わなくて編集者がデタラメの次回予告を書いてたって語ってたのにびっくりした!しかも本当にデタラメだからすごい。編集者ウケは相当悪かったんだなとインタビューを読んでも思ったけど、読者は何も思わなかったんだろうか。そういうことも受け入れてもらえるような作者とファンの間柄ってことなんだろうか。描き下ろしエンディングはさらに煙に巻くような終わり方ですよね…。あまりにも完結を熱望されて嫌になっちゃったのかなと思っちゃった。少年探検団の中に一人だけ高校生がいるのがなんか好きです。ほとんど初めていましろ作品を読んだので、もっと思い入れがある人の感想が読んでみたいな…。妖怪多めSF(少し不思議)系短編集入り勝ち 西尾雄太名無し同人誌に掲載された短めな作品が多いんだけど、妖怪が出てきたり設定がどれもちょっと変わってて面白かった。単行本のタイトルにもなってる「入り勝ち」だけ商業誌IKKIに掲載されたらしい。でもこれも異類婚姻譚的な話だった。 個人的には「ハーピア」が好き。世界の終末に備えて科学者のお姉ちゃんが自分の身体のデータを使ってアンドロイドの試作品を作ったんだけど、シスコンの妹のところに逃げちゃう話。1巻分くらいの長い尺で読みたいんだけど連載化してくれないかな。江戸で恐竜が大暴れ!!大江戸恐龍伝 夢枕獏 やまあき道屯名無し江戸時代の発明家・平賀源内がニルヤカナヤ(琉球王国のようなところ)を目指して冒険するまでが上巻。そこで出会った恐竜を訳あって江戸に連れて帰ってからが下巻。上下巻ともにスケールがデカいし、江戸と琉球と恐竜っていう全然世界観が違うものが一つの話として上手くまとまってて面白かった。原作未読だけど問題なかったです。やっぱり一番の見所は恐竜が江戸で大暴れするシーンかな。あんまり有名な作家じゃないけどやまあき道屯って漫画が上手いよね。 90年代後半~00年代前半の空気感BAMBi remodeled カネコアツシhysyskストーリーはシンプルで、主人公であるバンビが誘拐した子供を「ジジィ達」に届けるため、追ってくる刺客とひたすら戦う。「ジジィ達」は何者なのか、何故この子供を取り合っているのか、その謎が明らかになるにつれ、どんどんスケールが大きくなっていく。 当時活躍していたミュージシャン達がこぞってコメントを寄せているように、あの頃は音楽の影響力が強くて、ファッションやマンガ、映画などのカルチャーも彼らが牽引していた。その中でもカネコアツシ作品は「お洒落マンガ」と呼ばれ、気になる存在だった(私はお洒落じゃないので読んでなかった)。 リモデル版には作者本人の解説が載っていて、この作品でやろうとしていたことやインスパイア元が明かされている。当時を知っている人間ならすごく共感できるし、知らない人はここを頼りに色んなものを辿っていくと発見があるんじゃないかと思う。最弱少年の再起ホーリーランド 森恒二名無し森恒二さんってこういう漫画書かれてたんですね イキイキとしてる感じがありました 最弱少年なのにヤンキー狩りを始めるというギャップ! そして作中で「僕自身ナイフを持った相手と対峙したことがありますが…」と描かれていてヤンチャな方なのかなと… なんにせよ面白かったです!江戸だ!GANTZ:E 奥浩哉 花月仁starstarstarstar_borderstar_borderかしこ絵も奥浩哉先生のタッチに似てて好きだ。黒い球にミッション書いてあっても「俺、字が読めねぇんだよな…」って言ってるのが江戸っぽーい(識字率)!と思った。なんで過去にまで遡って戦わなきゃいけなくなったんだろう?そこらへんの理由も解明されていくんだろうか?これはリアルタイムで読めるから嬉しいな! 物足りなかった…GANTZ:G 奥浩哉 イイヅカケイタ 大崎知仁かしこ本編を読み終えてすぐに読むんじゃなかったな。あらすじとしては、修学旅行中のバスが事故を起こして乗っていた教員と生徒が全員死亡してしまい、GANTZゲームに巻き込まれてしまう…って感じなんだけど、結局この戦いで生き残ったのが女子5人だけで、ストーリーの途中で女同士ギスギスしたりするのがちょっと嫌だった。どれも本編で見たような展開ばかりだし物足りなかった…。会長の椅子になりたいと願った少女のラブストーリーパラフィリア~人間椅子奇譚~ 佐藤まさきみや『パラフィリア ~人間椅子奇譚~』 この漫画のタイトルと一巻の表紙見て 気になる!読みたい! と思うような変態さんにオススメです 会長に救われた少女は 会長の椅子を羨み その魅力に魅了されていく… そんな感じの始まりですね そして物語は ヤバい事をやってるうちに ヤバい事件が起きて 会長を救うべく主人公が暗躍! なんて予想外の方向へ進みます そもそもの発想のイカれっぷりに反して現実的思考で実行に移そうとする主人公のアンバランス感がよきです 内容にあまり触れずにこの漫画のザックリした見所をお伝えすると ・主人公の思考と実行力 ・喜怒哀楽の表情の描写 ・露出狂多めな世界観 このあたりですかねー クチコミのタイトルに ラブストーリーって書いたけど ラブストーリー(?)です 歪な愛の行く末を見よっ「二人」だから悲しい少女終末旅行 つくみず六文銭久々に、この「衝撃のラスト」というワードを使いたい。 というのも、ある程度年代を重ねてくると、なんとなくオチに予想がつくので、そこまで衝撃がなくなってくる。 既視感が強くなると言っても良い。 だけど、本作は自分的にかなり衝撃でした。 正直言うと、最初は、絵柄に抵抗あったんですよね。 だけど知人に熱烈にすすめられて読んだら、上述のとおり衝撃的でした。 このゆる~い絵柄が過酷なストーリーに幅をださせて、とにかく圧巻でした。 内容は、文明が崩壊した世界で、バイクのような愛車に乗って「上層」を目指していくという話。 ほとんど生物がいない荒廃した世界。 明日も生きていられるかわからない世界で、少女2人はひたすら「上層」を目指す。 そして、最後に彼女たちがみたものは・・・という流れ。 とにかく、この2人というのが良いんです。 うまく伝えられる不明ですが、 1人ではなく、2人だからより物悲しさが加速すると思うんです。 荒んだ世界に1人っきりのほうが悲しいと思うかもしれませんが、 世界に自分1人しかいなければ孤独は生まれない という言葉があり、それに近い感覚なんです。 これまで2人でしてきた旅路。 色んなものと出会い、別れ、手に入れたり、失ったり・・・そうした過程を通して辿り着いた先が、絶望。 これが1人だったら、ただ、純粋にがっかりして終わりでしょう。 ところが2人だったことで、これまでの苦楽が、ある意味「思い出」になり、お互いに芽生えた感情から、複雑な気持ちになったと思うんです。 絶望を前にして、どうにもならないくやしさや、やるせなさが、相手を攻めることでより増幅し、反動で、その先にある「別れ」の悲しさが増してくる。 そう、1人では「別れる」ことができないから、悲しみも限定的になると思うんです。少なくとも自分はそう思います。 お互いに大事な存在になりつつあったからこそ、 あまりにも無慈悲な結末に、最初はとまどいましたが、 何度か読むと不思議と読後感は悪くなくなりました。 むしろ哀愁とも言える、切なさが心地よい。 キャラは萌え絵っぽく人を選びますが、 この世界観やストーリーは忘れられないものになると思います。 異世界の姫との恋バクチに、人類の存亡がかかってます異世界の姫との恋バクチに、人類の存亡がかかってます 河本ほむら ズズ名無し※ネタバレを含むクチコミです。祝・作画付き商業連載化!スキだらけです、リーダーさん! のりしろちゃん 雪田幸路天沢聖司ニコニコ漫画で読んでたのりしろちゃん の「昼はバイトリーダー、夜はスパイのおじさんがJKに疑われる話」。今年の3月〜6月ごろは3日おきの更新を生き甲斐に生きてました。 そんな素敵なラブコメがこの度なんと原作としてなんとくらげバンチで短期連載化!!めでててぇ〜〜!!🎉バイトリーダーとJKはワシが育てたって言わせてください。 連載版めっちゃ絵きれいですね(小並感) これぞ連載作品て感じ。 でも読みながらあの荒削りだけど萌えと笑いに全力の、勢い120点の筆致が恋しくなってしまいました…。 もしくらげバンチ版を読まれた方はぜひ原作も読んでみてください!! https://seiga.nicovideo.jp/comic/51518 https://twitter.com/norishirochan/status/1426107980848668676?s=20<<296297298299300>>
モンスター映画やパニック映画の仕組みを考えてみると、多くの場合立ち向かうべき危機は基本的にひとつです。サメだったり災害だったりゾンビだったり。 『いばらの王』で最初に描かれる危機は石化病と呼ばれる奇病。主人公のカスミが石化病から逃れるための冷凍睡眠から目覚めるところから本作は始まるのですが、間髪入れずに第二のクライシスが発生。 恐竜みたいなモンスターが襲ってきます(マジで!?)。 病気と怪物、脅威がダブルで襲いかかってくるので単純計算で緊張感が2倍!おまけに古城もボロボロなのでそこかしこに死の危険が転がっています。(個人的に岩原作品で「必ず描いてるな!」と思っている水場の戦闘と潜水イベントもバッチリあります!) 命の危機に対処しながらも石化病の真実、登場人物たちの過去、カスミが抱えていた秘密が次第に明かされていくのがさながらハリウッド映画を見てるかのようなワクワク感。読み始めたら止まらなくなります。 長らく電子版が刊行されていなかったのですが、『DTB』や『ディメンション W』から岩原裕二を知った方はこの機会にこちらも読んでみてほしいです。 張り巡らされた伏線、ゾクゾクするような設定、起伏に飛んだ人間模様がスリリングなアクションとともに描かれる「岩原エッセンス」が本作にもたっぷり詰まってます。