名無し

江戸時代の発明家・平賀源内がニルヤカナヤ(琉球王国のようなところ)を目指して冒険するまでが上巻。そこで出会った恐竜を訳あって江戸に連れて帰ってからが下巻。上下巻ともにスケールがデカいし、江戸と琉球と恐竜っていう全然世界観が違うものが一つの話として上手くまとまってて面白かった。原作未読だけど問題なかったです。やっぱり一番の見所は恐竜が江戸で大暴れするシーンかな。あんまり有名な作家じゃないけどやまあき道屯って漫画が上手いよね。

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大江戸恐龍伝

その意気や良し

大江戸恐龍伝 夢枕獏 やまあき道屯
(とりあえず)名無し
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夢枕獏の小説は、漫画化してもあまり売れない…と、昔、知り合いの漫画関係者から聞いたことがある。 いやいやいやいや、岡野玲子との『陰陽師』があるし、谷口ジローとの『神々の山嶺』は名作だし、板垣恵介との『餓狼伝』だって売れたでしょ!…と反論したのだが、先方は「そうなんだけどねえ…」と言葉を濁した。 (ちなみに、この会話は「それに比べると菊地秀行の漫画化は数字的にかなり手堅い」と続いた。その比較について考えるのはとても興味深いのだが、このクチコミと主旨がズレまくるので触れない) 実は彼とは、かつてボクシングについても同じようなやり取りをしたことがある。 ボクシング漫画って売れないんだよねえ…と言われ、いやいやいやいや、『あしたのジョー』や『がんばれ元気』や『はじめの一歩』とか、ド名作があるじゃない!…と反論したのだ。だが彼は「いや、それはそうなんだけどね。でも、漫画家は描きたがるんだけど、かなり実力がある人でも、あまり上手くいかないんだよ」と答えた。 「夢枕獏」や「ボクシング」は、多くの漫画家がそれに魅了され、漫画にしたいと願い、そして実際に挑戦するのだが、作品的にもセールス的にもなかなか送り手が期待するような結果にならない、と言うのだ。 そう考えると、確かに、夢枕の小説が持つ破天荒な面白さを、漫画というフィールドに結実し得た作品というのは、あまり思い浮かばない。 上記三作はそれぞれの漫画家の類い稀な個性によって「面白く」なったのだが、あくまで「例外」ということなのか。 そういう意味では、スティーブン・キングの映画化と近いかもしれない。 (ちなみに、ボクシングについても、「村上もとか『ヘヴィ』や細野不二彦『太郎』といった意欲作が彼らの豊かなキャリアの中でどんな位置か」とか、「明らかにボクシング漫画を指向していたにも関わらず森田まさのり『ろくでなしBLUES』はなぜそのジャンルとして失敗したのか」とか、「車田正美『リングにかけろ』が正統的ボクシング漫画であることを止めてから売れたのはなぜか」とかを考えるのはとても興味深いのだが、これもやはりこのクチコミと主旨がズレまくるので触れない) 前置きが長くなりすぎた。 とにかく、夢枕獏の漫画化は「難しい」のだ。 しかし多くの漫画家や編集者は、この魅力的で危険な「賭け」に、今も挑み続ける。 やまあき道屯『大江戸恐龍伝』は端倪すべからざる作品である。 原作の、江戸期のスター・キャラをズラリ並べて荒唐無稽・縦横無尽に突っ走る面白さに、漫画家は必死に喰らいついている。 構成は少しダイジェスト感があり、いかんせん詰め込みすぎではあるのだが、熱気と主張ある絵柄で美事なコミカライズとなっていると思う。 近年の収穫と呼ぶに相応しい力作だと信じる。

大江戸恐龍伝

おおえどきょうりゅうでん
ジャンル:歴史
最新刊:
2019/08/23
おおえどきょうりゅうでん
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荒野に獣 慟哭す

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『キマイラ』『サイコダイバー』『餓狼伝』『陰陽師』など数多くのヒットシリーズを生み出した夢枕獏が放つ、サイバー伝奇アクション小説を実力派・伊藤勢がコミカライズ化。ジャングルの奥深くに伝わる奇病・独覚ウイルスを植えつけられ、人間の持つ能力を遙かに凌駕する近代兵器として生まれ変わった12人の独覚兵。12神将になぞられた能力を駆使し、互いに命を削る戦いを繰り広げる。

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