あらすじ

都内某所の一室で、一人哲学的思考に耽る 鍵山哲郎(大学院修士1年)。彼と家具だけの、平和で完結した生活は続く。しかし、季節は巡りクリスマス… そんな日常に大異変が起こるかもしれない可能性も否定出来ない… 哲学系部屋コメディー第3巻!!
吾輩の部屋である 1巻

都内某所の一室。部屋にいるのは、そこで一人暮らしをする大学院生の鍵山哲郎……………… のみ。誰にも邪魔されない空間で、彼の思考は今日も虚空を彷徨っていく…… 全ての一人暮らしの人に捧ぐ、哲学系部屋コメディー第1巻!!!

吾輩の部屋である 2巻

部屋で一人で… ホットケーキ。 部屋で一人で… 自転車の修理! 部屋で一人で… 恋の駆け引き…!? 都内某所の一室で、家具達の愛のあるツッコミに支えられつつ… 鍵山哲郎の哲学的奮闘は続く…!! 担当より「部屋でできる面白い事は全部やろう!」 …という意欲(?)作、第2巻です。主人公・哲郎の想い人・植村さんとの関係は、今巻もじり… じり… っと進展します。

吾輩の部屋である(3)

都内某所の一室で、一人哲学的思考に耽る 鍵山哲郎(大学院修士1年)。彼と家具だけの、平和で完結した生活は続く。しかし、季節は巡りクリスマス… そんな日常に大異変が起こるかもしれない可能性も否定出来ない… 哲学系部屋コメディー第3巻!!

吾輩の部屋である(4)

偶発的に部屋に訪れた想い人・植村さんに、突発的に愛の告白をしてしまった哲郎…! 果たしてその返事は…!? さらに、大学院生としての平穏無事なアパート暮らしにも 大変革が起こってしまう予感…! そこにあるのは自分と家具のみだが… 状況は劇的に変化する、哲学系部屋コメディー!!

吾輩の部屋である(5)

天文学的確率を乗り越え、奇跡的にも植村さんと付き合う事になった哲郎。しかしその直後、哲郎は悲劇的にも恋人の元を離れ群馬での研究生活を送る事に… 彼女からは100km程隔たり、後輩と二人で研究生活。……しかも女性。そこから導き出される答えは…!? 哲学系部屋コメディー第5巻!!

吾輩の部屋である(6)

哲学系コメディー… 最終巻!! ある日突然、群馬から東京へと戻ってきた哲郎。舞台は再び都内某所の一室。修士論文は書き終わるのか? 就職先は決まるのか? 恋人・植村さんとの将来は…? 色々な問いに答えが出る、哲学系部屋コメディー最終巻!!

吾輩の部屋である

リア充ではないが一国一城の主

吾輩の部屋である 田岡りき
名無し

主人公の鍵山はけしてリア充ではない。 だが非リア充であるともいいがたい。 少なくとも鍵山には自分が王様である居場所がある。 けしてニートとか引きこもりというわけではない。 大学院に通学し研究に勤しんでいる。 やたらと教授を怒らせているけれど。 コミュ障というほどでもない。 ゲーム仲間の友人も、飲みに誘ってくれる先輩も、 付き合いたくてアプローチしている同級生女子もいる。 たまたま運や都合が悪く、上手く行かないことが多いけれど。 極端に根暗だとか精神的異常者でもない。 カバの置物や炊飯器、換気扇と会話したりするけれど。 裕福でもないが飢えに苦しむほど貧乏でもない。 冷蔵庫内の余った食材を使いきろうとして 完成した謎料理をまえに躊躇したりするけれど。 アパート内がゴミ屋敷とか汚部屋とかになっている訳でもない。 掃除や整理整頓にいそしむこともある。 主にレポート提出に追われているときなどに限るけれど。 何かを達成するために、今は苦労に耐えている、 というわけでもない。 かといってけして自堕落というほど無気力でもない。 そんな普通の若者?の主人公・鍵山の、 1K(6畳)バストイレ付きのアパートでの生活 「のみ」を舞台にした漫画。 たとえ6畳1Kであろうとも、 たとえ学生バイトの身分であろうとも、 一国一城の主だ。 だから自分の城のなかでは自分をさらけ出す。 炊飯器や飲みかけの酒瓶であろうとも、 自分の意を汲んだ会話が成立?している。 スマホは色々と導いてくれる。 多少は意に反した結果となって、 自虐的に無理矢理自分を納得させていたとしても。 そんな6畳一間での鍵山の生活を見ていると、 「とにかく頑張ろうぜ、  オレも偉そうなことは言えないけれども。」 と思ってしまう(笑)。

吾輩の部屋である

一人暮らしの平凡な日常を異常に描く意欲作

吾輩の部屋である 田岡りき
六文銭
六文銭

登場人物は、基本的に主人公だけ。 基本、というのは、メールとか電話などで、友人や想いをよせる人(植村さん)は出てくるのだが、姿としては一切出てこないから。 主人公以外は文字だけの存在になっています。 部屋の人形が語りかけてくるが、たぶん主人公の妄想でしょう。 舞台も、主人公が暮らしている「部屋」の中のみ。 これまた、外出シーンは一切出てこない。 そう、まさにタイトルどおり「吾輩の部屋」なのである。 こんな困難な設定でよく描けたな、すごいなーと。 思ってしまうのですが、それ以上に 「誰もが経験する平凡な日常を面白く描ける」 という点が作者の力だと思います。 普通の人なら見落としてしまう点も、独自の着眼点で見つけてふくらませる。日常系マンガの面白さの分水嶺はここだと思うんですよね。 ともすれば、全部なんてことないことばかりなんです。 台所の吸盤がやたら落ちるとか、絨毯の端がめくれるとか、雨で洗濯ものが乾かないとか、好きな人からメールがこないとか、逆に怪文が送られて悩むとか。 それを、主人公が悪戦苦闘しながら、一話完結方式でオチまでもっていく展開が不思議とクセになるのです。 主人公は大学院の修士課程で専門的な研究をしているからなのか、個々の問題の本質を探り、そして深く悩み、時に本格的かつ凝った対応をします。 ロジカルに、テクニカルに。ぶつぶつと垂れ流しの独り言をしながら。 ・・・まぁ、一人しかいなんでね、思考がさまよいますね。 スキマスキマでずっと読んでいられる、そんな作品だったのですが、なんと6巻で終わってしまい悲しい限りです。 でもまぁ、この設定で6巻も続いたのが奇跡でしょうかね。 また、ドラマ化もしたようです。 この設定なら、きっと低予算ですんだんだろうなぁとか勘ぐってしまいます。 最後に、私、上記で嘘を言いました。 主人公しか出てこないといいましたが、最終巻最終話には、そのルール破って「ある人」がでてきます。 そこも要チェックですよ。