あらすじ都内某所の一室。部屋にいるのは、そこで一人暮らしをする大学院生の鍵山哲郎……………… のみ。誰にも邪魔されない空間で、彼の思考は今日も虚空を彷徨っていく…… 全ての一人暮らしの人に捧ぐ、哲学系部屋コメディー第1巻!!!
主人公の鍵山はけしてリア充ではない。 だが非リア充であるともいいがたい。 少なくとも鍵山には自分が王様である居場所がある。 けしてニートとか引きこもりというわけではない。 大学院に通学し研究に勤しんでいる。 やたらと教授を怒らせているけれど。 コミュ障というほどでもない。 ゲーム仲間の友人も、飲みに誘ってくれる先輩も、 付き合いたくてアプローチしている同級生女子もいる。 たまたま運や都合が悪く、上手く行かないことが多いけれど。 極端に根暗だとか精神的異常者でもない。 カバの置物や炊飯器、換気扇と会話したりするけれど。 裕福でもないが飢えに苦しむほど貧乏でもない。 冷蔵庫内の余った食材を使いきろうとして 完成した謎料理をまえに躊躇したりするけれど。 アパート内がゴミ屋敷とか汚部屋とかになっている訳でもない。 掃除や整理整頓にいそしむこともある。 主にレポート提出に追われているときなどに限るけれど。 何かを達成するために、今は苦労に耐えている、 というわけでもない。 かといってけして自堕落というほど無気力でもない。 そんな普通の若者?の主人公・鍵山の、 1K(6畳)バストイレ付きのアパートでの生活 「のみ」を舞台にした漫画。 たとえ6畳1Kであろうとも、 たとえ学生バイトの身分であろうとも、 一国一城の主だ。 だから自分の城のなかでは自分をさらけ出す。 炊飯器や飲みかけの酒瓶であろうとも、 自分の意を汲んだ会話が成立?している。 スマホは色々と導いてくれる。 多少は意に反した結果となって、 自虐的に無理矢理自分を納得させていたとしても。 そんな6畳一間での鍵山の生活を見ていると、 「とにかく頑張ろうぜ、 オレも偉そうなことは言えないけれども。」 と思ってしまう(笑)。