あらすじジョーとフランソワーズが、静かな湖畔で出会った奇妙な少年。それは新たな事件の始まりだった!少年が口走る「巨人」「ばけもの」「死人が動く」という謎の言葉の意味を探ると、怪しい別荘が浮上した。偵察に向かったジョーたちが見たものは、巨人が守る島!?脳下垂体成長剤、四次元光線による「ジャイアント・マシン」や「死体リモコン装置」……邪悪な研究の数々がそこに。サイボーグ戦士たちよ、悪魔の研究を叩き潰せ!
言わずも知れた石ノ森章太郎の代表作 作品内に散りばめられた戦闘描写、コマ割りは50年経った今でも全く古臭さを感じさせません。特に009が使用する加速装置の演出は本当にカッコいいです。 そんな今作のストーリーは誰もが知っているとは思いますが、敵組織(ブラックゴースト)に改造された身寄りのない人間たち9人が組織に反旗を翻すという仮面ライダーなどとも似た王道の少年漫画的ストーリーです。 しかし、石ノ森のすごいところはサイボーグをカッコいいものとして捉えるだけではなく悲哀を抱えた悲しい人間としても捉えたところです。 そのキャラ造形を反戦のテーマと重ねることでストーリーに一層の深みを与えています。 特に2巻の0013との戦い、6巻のラストには戦争経験者としての石ノ森のメッセージが読み取れると思います。 さらに、後の24年組と呼ばれる竹宮恵子や萩尾望都のキャラにもつながる009(ジョー)の悲しみを抱えたウェットな少年像も大きな魅力の1つです。 後の少年漫画的演出とストーリーそして少女漫画的キャラ造形のベースとなった大傑作です。