あらすじ二つの探検隊がジャングルに消えた。グレート(007)の恩人・英国探検隊アレン卿の足跡を追い、彼らが辿り着いたのは黄金都市プカラ。16世紀中頃、アンデス山中に一大黄金文明を築き、スペイン人の侵略により、一夜にして莫大な黄金もろとも姿を消したインカ帝国につながる都市だった。甦るインカ伝説の謎を描いた「風の都編」、北欧神話を題材にした「エッダ編」ほか、欧州・南米・北米…世界の謎にサイボーグ戦士達が挑む!
言わずも知れた石ノ森章太郎の代表作 作品内に散りばめられた戦闘描写、コマ割りは50年経った今でも全く古臭さを感じさせません。特に009が使用する加速装置の演出は本当にカッコいいです。 そんな今作のストーリーは誰もが知っているとは思いますが、敵組織(ブラックゴースト)に改造された身寄りのない人間たち9人が組織に反旗を翻すという仮面ライダーなどとも似た王道の少年漫画的ストーリーです。 しかし、石ノ森のすごいところはサイボーグをカッコいいものとして捉えるだけではなく悲哀を抱えた悲しい人間としても捉えたところです。 そのキャラ造形を反戦のテーマと重ねることでストーリーに一層の深みを与えています。 特に2巻の0013との戦い、6巻のラストには戦争経験者としての石ノ森のメッセージが読み取れると思います。 さらに、後の24年組と呼ばれる竹宮恵子や萩尾望都のキャラにもつながる009(ジョー)の悲しみを抱えたウェットな少年像も大きな魅力の1つです。 後の少年漫画的演出とストーリーそして少女漫画的キャラ造形のベースとなった大傑作です。