あらすじサイボーグ戦士たちの敵は、ブラック・ゴースト団だけではなかった……!?ある日、ギルモア博士が旧友・ドルフィン教授との会合に赴くと、何者かに襲われ、教授が浚われてしまう。負傷したギルモアだったが、すぐにジョーたちに連絡し、探索が始まった。誘拐犯は、ドイツナチス党の残党たちが組織した「新ナチス」の男たちらしい。教授の娘・シンシアを囮に敵の本拠地に乗り込むジョーたちだったが、予想外の事態が……!?
言わずも知れた石ノ森章太郎の代表作 作品内に散りばめられた戦闘描写、コマ割りは50年経った今でも全く古臭さを感じさせません。特に009が使用する加速装置の演出は本当にカッコいいです。 そんな今作のストーリーは誰もが知っているとは思いますが、敵組織(ブラックゴースト)に改造された身寄りのない人間たち9人が組織に反旗を翻すという仮面ライダーなどとも似た王道の少年漫画的ストーリーです。 しかし、石ノ森のすごいところはサイボーグをカッコいいものとして捉えるだけではなく悲哀を抱えた悲しい人間としても捉えたところです。 そのキャラ造形を反戦のテーマと重ねることでストーリーに一層の深みを与えています。 特に2巻の0013との戦い、6巻のラストには戦争経験者としての石ノ森のメッセージが読み取れると思います。 さらに、後の24年組と呼ばれる竹宮恵子や萩尾望都のキャラにもつながる009(ジョー)の悲しみを抱えたウェットな少年像も大きな魅力の1つです。 後の少年漫画的演出とストーリーそして少女漫画的キャラ造形のベースとなった大傑作です。