あらすじ偶然出会った釣り師・風来満(ふうらい・みつる)に手ほどきをうけ、フライロッドさばきに磨きがかかる三平三平(みひら・さんぺい)。そこへアメリカから通信講座を送ってくれていた魚紳(ぎょしん)が帰国した。想像以上の上達ぶりに、嫉妬心さえ起こる魚紳だったが、気を取り直して二人でヤマメの穴場で実践だ!そこで三平は、カゲロウの幼虫を模(かたど)ったニンフフライに初挑戦する!!(※収録されている技術や環境に関しての表記は、作品発表当時のものをそのまま掲載しております。)
釣りへの愛に溢れた名作。 この漫画を支えているものの一つが、美しい風景描写だと思います。 緻密で透明感があり、いかにも「漫画」なキャラとの対比が際立っています。 直接、原画を拝見したことがありますが、雑誌で見るよりも数段美しく、芸術的で惚れ惚れしました。 漫画家さんが背景を描くときのお手本として「釣りキチ三平」から学んでいると聞いたことがあります。そういう意味では、矢口高雄先生の絵はこの先も絶えず影響を与え続けて行くのだと思います。 ちなみに昭和の漫画事情と言いますか、タイトルのキチはキチ○○の意味として堂々と使われています。今だとアウトな表現なので、これだけで作品が誤解されたり敬遠されてしまうことがないよう願っています。