あらすじ静かな町の片隅に佇む瑠璃宮古物店には、いつしか奇妙な力を持つようになった古物ばかりが売られている。会いたいと願う相手が夢の中で扉の前に立つドアノブ、明日に起こる出来事が見えるルーペ、曲を奏でる事で噂を流す事が出来るオカリナ… 静かな老夫婦が、未来明るい少年が、娘を手放せない父親が、奇妙な古物の力に翻弄されていく…。謎の多い美人店主・真央の明かされる過去。そこには、あの男との因縁があった…。美女と古物が誘う大反響ダークサスペンス第五幕。
勧善懲悪でめでたしめでたしな物語はすっきりするけど、現実はそうもいかない。 そもそも善人と悪人と境目も曖昧で、ほんの少しのきっかけで人の心は揺らいでしまう。 瑠璃宮古物店の品物を手に取ってしまったら、自分もどうなってしまうかわからない。 人も道具も大切にする、強欲にならない、傲慢にならない……人として当たり前のことさえできれば悲劇は起こらないけれど、悪用しちゃう気持ちもわかるので恐ろしい。 もうちょっと丁寧に注意事項教えたらいいのでは…?と思うけど、私利私欲に負けて暴走しちゃう人はそんなの聞かないんだろうな。 ドアノブを買ったおじいちゃんとかゆいかちゃんのように人の心を無くさなければいいだけのこと。 ハッピーエンドばかりじゃないので教訓が胸に刺さります。