あらすじ辛い事を吹き飛ばす扇子、勝ちを呼び込むメダル、気持ちを詰められる弁当箱。ママ友に悩む女性が、努力と勝利に拘る男が、父親との距離感を掴めない中学生が、古物の奇妙な力に導かれるように瑠璃宮古物店の扉を開き、人生を変えていく…。他者に認識されなくなるスカーフが何者かに盗まれる事件が発生。その異変は、店主・真央とその周辺を大きな渦に巻き込んでゆく―。美女と古物が誘う大反響ダークサスペンス第六幕。
勧善懲悪でめでたしめでたしな物語はすっきりするけど、現実はそうもいかない。 そもそも善人と悪人と境目も曖昧で、ほんの少しのきっかけで人の心は揺らいでしまう。 瑠璃宮古物店の品物を手に取ってしまったら、自分もどうなってしまうかわからない。 人も道具も大切にする、強欲にならない、傲慢にならない……人として当たり前のことさえできれば悲劇は起こらないけれど、悪用しちゃう気持ちもわかるので恐ろしい。 もうちょっと丁寧に注意事項教えたらいいのでは…?と思うけど、私利私欲に負けて暴走しちゃう人はそんなの聞かないんだろうな。 ドアノブを買ったおじいちゃんとかゆいかちゃんのように人の心を無くさなければいいだけのこと。 ハッピーエンドばかりじゃないので教訓が胸に刺さります。