あらすじ

▼第1話/お父ちゃんの帽子 ▼第2話/釣忍 ▼第3話/星祭 ▼第4話/幽霊修業 ▼第5話/鰻の蒲焼 ▼第6話/トンボ釣り ▼第7話/宿題騒動記 ▼第8話/転校生 ▼第9話/タクマ先生 ▼第10話/夜の音 ▼第11話/オート三輪 ▼第12話/フォロー・ミー ▼第13話/今日は何の日? ▼第14話/クリスマス イブ ▼第15話/旅路 ▼第16話/抹殺指令 ▼第17話/コマ回し ●あらすじ/昭和30年頃の男性は、外出するときによく帽子をかぶっていて、その種類もソフト帽、カンカン帽、山高帽、鳥打ち帽など多種多様であった。今日もソフト帽をかぶって出かけるお父ちゃんを、憧れのまなざしで見つめる息子は、ある日こっそりとその帽子を持ち出すのだが…(第1話)。 ▼花町母子は、釣忍のように日陰でひっそりと生きている女性。息子の雄太郎も、父親がなかなか家に帰ってこないことを疑問に思っていた。ある日、ご近所さんの立ち話を聞いてしまった母子は、「おめかけさん」と陰口されていることを知り…!? (第2話) ▼七夕の日を迎え、フランケン先生の理科の授業で、彦星と織姫の星座について勉強した聡子。読書に飽きたという病気の弟・高志のために、竹やぶから竹を取ってきて飾り付けすることにしたのだが… (第3話)。 ●その他のDATA/昭和30年代風物誌~ ソフト帽(第1話)、釣忍(第2話)、ジャムパン(第8話)、オート三輪(第11話)、文鎮(第13話)、コマ(第17話)
三丁目の夕日 夕焼けの詩 1巻

ある場所に腕利きの大工がいた。その職人芸たるや、立てた柱に後光がさすといわれるほどのもの。だが、世の中は高層建築の時代に変わり、彼の腕を発揮する場所もどんどん無くなっていく。そんな彼の元に、ある依頼があった。なんと宇宙衛星を木造で作ってくれというのだ…。昭和30年代の世界に現代の心のふるさとを追う、珠玉のメルヘン!!

三丁目の夕日 夕焼けの詩 2巻

夢野平四郎は人気マンガ家。とはいってもそれは昔の話で、現在はアパートの経営者として悠悠自適の毎日である。だが、初老となった今も、マンガへの意欲は決して失ってはいない。そんな彼の元に、ある出版社から単行本発行の依頼がある。喜びいさんで新作の原稿を持っていった夢野だが、それは昔のヒット作の復刻版の発行依頼だった。その晩、複雑な思いで酒を飲む彼の前に、学生時代の親友が現れた…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩 3巻

時は昭和30年代の夏。ここは路地で子供たちがベーゴマの腕を競っているようなどこにでもある町・夕日町三丁目。そんな町に鈴木さん一家が引っ越してきた。お父さんは社長。だけど、苦労の末にお店を開いた、立派な一国一城の主だ。一方、息子の一平は近所のガキ大将に早速ベーゴマの挑戦を受ける。ベーゴマは苦手な一平だったが…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩 4巻

三丁目の「白雲館」はスッカラカンの苦学生ばかりの下宿。ここに住む細野と品川は、ひとつのコッペパンを争い、生のキャベツにに塩をかけて食べるような毎日を送っている。だが、そんな2人にも夢だけはある。細野は一流商社への就職を目指し、品川は芥川賞をとるべく小説修行に励んでいたが…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩 5巻

時は昭和21年。終戦で三丁目に復員してきた新一は「森テーラー」のひとり息子。店が焼けたショックでやる気をなくした父に代わり、1人で店を建て直し、きりもりしていた。そんなある日、父の友人・中野が家にやって来た。銀座の一流テーラーの店主だった彼は、空襲で店を失い、行方不明となった婚約者を探しているという…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(6)

今日も相変わらず「鈴木オート」は大忙し。昭和30年代に入り、国産車も様々な新型が登場しはじめ、町の修理工場も不勉強ではやっていけない。そんなある時、メーカー主催の研修会の誘いがやって来た。社長は、「鈴木オート」代表として従業員の六さんに参加してもらうことにしたが…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(7)

独身の若手サラリーマン・五郎はある週末、バーのホステス・ヨー子と一夜を共にする。翌朝、五郎の部屋でくつろいでいた彼女は、自分が「いつでも空に虹を出す力」を持っていることを明かす。それは子供の頃にひとりの黒マントの怪人に授けられた能力だという。実は五郎も子供の頃にその怪人に出会っていたが、彼はそのことを忘れていた…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(8)

単調な毎日に不満を感じている女子事務員の広美は、ゴーゴー喫茶で不良がかった若者・敬一郎と知り合う。堪え性がなく、職を転々とっする敬一郎は「太く短く生きる」が身上。妙に意気投合した2人はやがて同棲を始める。給料が入れば毎晩2人で遊びまわり、金が無くなるとパンの耳をかじる。そんな自堕落な生活も、2人にとっては楽しい日々だったが…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(9)

お父さんと2人暮らしのミッちゃんは、実はまだ一度も海へ行ったことがない。だが、今年の夏は海水浴に連れて行ってくれるという。大喜びのミッちゃんは水着や浮袋を買い、お弁当のおにぎりもたくさん作って用意万端。そして翌日、初めて見た海は歌のとおりにとても大きかった。熱い砂、海の家で飲むラムネ、砂で作ったお城…初めての海水浴はあまりに楽しく、そしてあっと言う間に時間は過ぎてゆく…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(10)

ガリレオこと大原さんは、一平のクラスの級長。真面目で熱心すぎて、みんなの反感をかうが、なぜかいつも級長に選ばれる。今日も一平たち悪ガキは、先生の目を盗んではいたずらに励み、大原さんに言いつけられる。いわば、一平たちの天敵である彼女だが、ある日から大原さんが学校に来なくなった。聞けば結核で入院してしまったという…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(11)

海辺の道を赤いスポーツカーでとばすハンサムな青年。彼は普段は一介の工員なのだが、思うところあって、今年の夏は大胆にイメージチェンジしたのだ。車はレンタカー、キメにキメたファッションも貯金をはたいて買ったものだが、見た目は青年実業家風に見事に変身。海で美容師見習いの女の子と知り合い、楽しい1日を過ごすが…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(12)

新聞社に勤める上野は、ある日、立て続けに2人の同僚に相談を受ける。2人とも上野の大学の後輩である学芸部の石川小百合を紹介して欲しいというのだ。小柄でやせていて、色も黒い小百合だ。上野は女性としての魅力をまったく感じない小百合がどうしてこんなにモテるのか合点がいかない。だが、彼には、初めて会った第一印象でその人間を認識してしまうという、昔からの悪い性癖があった…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(13)

幼い時に母を亡くした井上まどかは、天才ピアニストとして話題の少女。だが、ばあやに甘やかされて育ったため、好き嫌いが多く、身の回りのことさえ1人で出来ない、とてもわがままな女の子になってしまった。そんなある日、父親が再婚し、新しいお母さんが家へやって来た。なんだか意地悪そうな継母に、不安をおぼえるまどかだが…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(14)

一平のクラスの聖子ちゃんは、なぜか決して素足を見せない少女だった。身体検査の時も、体育の時間もいつも長ズボンをはいたまま。臨海学校にも一度も参加したことがない。気になってしょうがない一平たちは、「足にウロコが生えてるから」「毛がモジャモジャ生えてるから」などとはやしたて彼女を泣かしてしまう。そんな一平たちをたしなめてくれた俊彦に、聖子ちゃんは自分の足の秘密を告白する…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(15)

銭湯は人と人が裸で付き合う場所。三丁目の「松の湯」は今日もお客さんで一杯だ。一番風呂に集い、都都逸をうなるのは近所のおじいさんたち。やがて日が暮れると、家族づれの時間。鈴木さん一家や、ミキちゃん一家が集まってきた。夜が更けると刺青のおじさんや学生、夜勤前のお巡りさんなど、いろんな人がやってくる…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(16)

三丁目にもじめじめした梅雨の季節がやってきた。だが、子供たちは遊びの天才。車の泥はねやぬかるみを避ける行為でさえも、忍法に見立てて大はしゃぎだ。一方、土砂降りの雨のなかでも働かなければならない大人たちは大変。「鈴木オート」の社長はカッパをかぶって出張修理にかけずりまわり、六さんはオート三輪を運転していてぬかるみにはまって困り果ててしまう…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(17)

三丁目の山本山さんの家には大きな柿の木があある。秋になると子供たちが柿の実を狙ってやって来るが、どうもケチな性格の山本山さんは、柿泥棒を追い払うのに大忙しだ。追い払うのは柿泥棒だけではない。自慢の娘・陽子に悪い虫がつかないよう始終目を光らせている。一方、苦学生の下宿の「白雲館」では、2人の学生が空腹の余り山本山さんの柿を盗みに行こうと相談していた…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(18)

三丁目にある唯一の写真屋さん「高木写真館」は学校の卒業アルバムや記念写真、お見合い写真にDPEと、町の写真を一手に引き受けていた。特に婿養子の豊の仕事は丁寧で、ご近所の評判もうなぎ登り。お見合い写真では、本人より何倍も美人に撮ってくれるし、失敗した素人写真もプリントのテクニックでなんとかしてしまう。だが、その裏には豊の並々ならぬ苦労があったのだ…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(19)

大晦日。のぼると小百合の新婚夫婦は、正月はのんびりとふたりだけで過ごそうと語り合っていた。そこへ、突然のぼるの同僚・立木がやって来た。ちょっとタバコを買いに外にでかけたのぼるだが、思わぬ事が重なりなかなか戻れなくなる。次第に小百合と立木をふたりきりにしたことが気になり始め…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(20)

鈴木一平のクラスメイトの友ちゃんは、7月7日が誕生日。1年に1回、母と離婚して別々に暮らしている父親がこの七夕の日になると、プレゼントを持って会いに来る。ある年の七夕。いつものように父親が訪ねてくるのを待っていた友ちゃんは、母から父の再婚を知らされショックを受ける…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(21)

中学生の陽一の新しい家庭教師がやってきた。一流大学に通う苦学生の相馬だ。勉強には厳しく、とっつきにくい相馬だったが、陽一に優しさや友情の大切さを教えてくれる、かけがえのない貴重な存在でもあった。最初はあまりやる気のない陽一だったが、成績は徐々に上がっていき…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(22)

久々に鈴木一家は、父・則文の田舎へ里帰りする。そこでバッタリ則文の初恋の人に会う。息子の一平はその女性が母・トモエに似ていると言い出す。ある日、その女性が息子を連れて歩いていたのを見たトモエは、あまりにもその子供が則文に似ているので、則文の隠し子ではないかと疑いをいだく…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(23)

古くなり、手狭になった家を立て替えることになった川崎さん一家。ところが、家族それぞれが自分の希望を言うため、大工の三沢さんは大弱り。そんな折、奥さんの姉夫婦が無理して新築した家が原因で離婚する。これを知った川崎さんは、大工の三沢さんの人柄を信じて全てを任せることにする…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(24)

ある日、一平と雄一郎は、日光写真で遊んでいた。一平は母・トモエや六さんの妹・サクラの水着写真のネガを日光写真で焼いて、近所の人達に1枚10円で売っていた。雄一郎も一平のマネをして、家にあるネガを使って日光写真で焼いて遊んでいた。と、その中に見知らぬ女性の写真を見つけ疑問に思う…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(25)

駄菓子屋&小説家の茶川さん宅にいる淳之介が倒れた。心臓が悪く、手術をしないと命が危ないと医者に云われる。実の子供のように可愛がっていた茶川さんは、手術をさせたいのだが、親の同意書が必要と知り、行方不明の母親を必死になって捜すが…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(26)

シゲルが子猫を拾ってくるが母親は飼うことを許さず、シゲルが学校へ行ってる間に捨てに出かける。その途中で占い師に「その猫は幸運を招く」と声をかけられるが本気にせず、捨ててくる。その帰り道、買い物をしているとラジオから今日、夫が面接に行った会社が火事になり、全員が死亡したというニュースが流れてくる…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(27)

年男は、恋人・真理の家に初めて行ったとき、好物のいちじくを出され大喜び。そんな彼に好感を持った真理の家の家族も温かく迎えてくれた。ふたりは幸せいっぱいだったが、結婚式も間近になったある日、真理はウェディングドレスを見に行った帰りに事故にあい死んでしまう…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(28)

まだチョコをあげる習慣がなかった、昭和30年代のあるバレンタインデー。栄子は哲夫にチューリップの花束をプレゼントする。大学の研究員で勉強ばかりしている哲夫は、その花詞が「愛の告白」ということに気が付かない。そんな風に恋愛にうとく、ノンビリとしていて、どこか超然としている哲夫。そこに英子は惹かれていたのだ。その哲夫との仲がいっこうに進展しないので…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(29)

高校3年の洋一郎は、夏期講習をサボったことで母親から「学歴がないと、お父さんのように万年係長よ!」と小言を言われる。父親にも説教された洋一郎は、父親に捨てゼリフを残して外に出た。すると、町で不思議な少女と出会う。そして、その少女の誘いで、今ケンカしたばかりの父親の過去を見に出かける…。

三丁目の夕日 夕焼けの詩(30)

昭和41年。地方の高校を卒業した根子は、グラフィックデザイナーを目指し、東京の専門学校へ入学する。学校では年令はバラバラだが仲が良い同期の友達もでき、充実した日々が続いていた。根子もめきめきセンスを上げ、イラストレーターのバイトもするようになっていた。卒業の春、根子はひそかに想いを寄せていた仲間の森から、倒れた父の跡を継ぐため故郷へ帰らなければならなくなったと告げられる…。