読切マンガの感想・レビュー4449件<<167168169170171>>神はどこにいるのか?ディアボリク 丸尾末広名無し丸尾末広の今年二作目(おそらく)の読切「ディアボリク」。前回モーニングに掲載された「オランダさん」に引き続き、第二次世界大戦後とキリスト教がテーマ。 https://manba.co.jp/boards/104874 戦災孤児を収容するキリスト教養護施設に暮らす赤毛のミチオと神を巡るお話。「オランダさん」に登場した長崎の少年・マサルが素晴らしい宣教師と出会えたのに対し、こちらに登場する施設の園長・シュレック神父は神の教えを広める者として欠陥しかないまさに「diabolic(悪魔的)」な男。 シュレック曰く、日本は三等国で野蛮で神がいないらしい。 園で盗みを働きマリアを侮辱する浮浪者たちを描く中に、「最後の晩餐」を模したコマがあったのが印象的だった(その意図は自分には理解しかねるが)。 https://comicbeam.com/archives/008/201911/32d21816329fcc181a40ab534f7b33a3.jpg (『ディアボリク』丸尾末広) 救いのないシーンばかりが連続するが、最後の最後に、荒廃した町でサヨは12歳で殉教した隠れキリシタンの少年・ルドビコが死者を天国(パライゾ)に連れていく姿を見る。そしてミチオとサヨが優しそうな神父と出会ったところで話が終わる。 不幸ばかりだった2人だけど、「確かに日本にも神の国への道は開かれており、救いがあるらしい」。そんな読切だった。 【月刊コミックビーム2019年12月号】 https://comicbeam.com/magazine/magazine-10068.html絶対に1位になってはいけないゴールドキッド〜金童と呼ばれた小学生〜 長田憲之介名無し競争で1位を獲ってしまうと体から金が出るという、イソップ童話みたいな体質を持つ少年が主人公。周囲にはその事を隠すように生きてきたが、小学校の担任だけはそれに気付いており、主人公から金を絞り出そうと、ことあるごとに競争をけしかけてくるのだった…。 増田こうすけと漫☆画太郎を足して二で割ったような世界観。 シュールな笑いと、子ども心にダイレクトに伝わる笑い、どちらも併せ持っていて、読み返すほどに味わい深さが増してきます。細かいギャグのテンポが良いハケン侍 前田良平名無し2019年、元号改正に伴い、幕府の御庭番解体ーーー。 なぜ現代に幕府や侍が存在するのか?という説明は置いといて、 しぶしぶ働きに出ることになった影千代。 ハケン侍としてアイドルイベントのスタッフや英語の臨時教師をこなす! というのがあらすじ。 細かいボケとギャグを積み重ねてゆくテンポが心地良く、 必殺技の「派遣斬り〜!」もナイスギャグもあったが、大爆笑とまでいかなかった…。 あと、実際に廃藩置県となった時代だって、侍は手に職をつけようと苦労したはずで、多少リアルな現実も見せてくれたらもっと面白く読めた気がする。ストーリーと絵柄のギャップがいいスーパーノーマル 永瀬清人たかどことなく小西明日翔とか市川春子とかっぽくて、マガジンよりもっと大人っぽい感じの画風が好き 「平凡な主人公が女優のヒロインを誰にもバレずに教室に連れて行く」だけの、平凡で王道なストーリーなんだけど、絵柄は「少年誌らしくないデフォルメと塗り」というギャップが面白かった。 チャンピオン紳士たち、実はこういうの好きそうヤンキーくん♂️♀️メタモルフォーゼ 恩田チロ名無し「姉のおなかをふくらませるのは僕」で知られる恩田チロ先生の読切。 この絵柄にこの表情、チャンピオンになじまなさそうで意外となじんでたと思う。 特別にエロいとか、フェチ重視じゃないものの、刺さる人には頭のてっぺんから尻まで突き刺さってしまうタイプのTSものラブコメでした。剣様が主役あばよ勇者 高橋雄一名無しフツーの町娘ミーシャはある日、伝説の剣を引き抜いてしまうのだが、、 この剣がとにかく良く喋る! 自分に優しくしてほしい、大切に扱ってほしい…そして褒めてほしい、と人間に訴える剣様。 顔や目もついてないし表情はないにも関わらず、剣様の感情が読んでいてコミカルに伝わるのがスゴい。 後半は、剣を巡って、ミーシャが本物の勇者と対決することになるのだが… 本格的な戦闘シーンも上手いし、ミーシャは可愛いし、今のサンデーにぴったりの作品では? 裏サンデーの「邪剣さんはすぐブレる」と被る部分あるけど、競い合う存在になったら面白いと思う。 エンタメ全部入れましたみたいな読切国立超能力大学推薦選抜試験 鈴木小波名無し※ネタバレを含むクチコミです。 突き抜けたおもしろさ史上最強のパシリ 川端浩典名無しどんな相手にもパシリで尽くそうとするツッパリ風の主人公。 その名も、使井走ノ助(つかいぱしりのすけ)! 超人的なパシリ技で、感動と笑いを巻き起こします。 タイトルも名前も直球勝負の、チャンピオンらしさ満載のマンガでした。 いかにも凶悪そうなキャラを描くのが巧いからこそ、パシリギャグがめっちゃ効いている。 バカバカしいと言ったらそれまでだけど、やっぱり好きですねこういうギャグ。 やっぱ麻生周一すごいわ漫画家異世界取材旅行 麻生周一名無し※ネタバレを含むクチコミです。寿司が嫌いになるかもな読切トラウマサーモン 吉川コウジ名無しタイトルのとおりトラウマ級に読後感が最悪だったんだが、わたしはこれからもサーモンの寿司を食べるぞ 主人公の性格の悪さも胸糞だけど振り切ってたという意味ではとても良かった。 リサイクルショップが舞台のハートフル???ギャグ読切トレジャー・エンド 庄司紘徳名無しコロコロコミック的なハイテンション(主に店長が)とギャグは普通に面白かった。店長みたいな年齢不詳で謎の存在キャラは結構好き。 絵柄とかノリがちょっとだけ尾玉なみえっぽさもあるなと思った。たぶん影響は受けてないと思うけど笑 読切なのにそんなとこ見開きにする?という思い切ったページもあって、絵もすごく上手いし近いうちまた新作が読めたらいいな。WJに久々の両さん!!こちら葛飾区亀有公園前派出所 特別編 秋本治名無し「おっ、久しぶりにこち亀載ってんじゃん」と思ったら、こち亀って紫綬褒章受章してたんですね…知りませんでした。しかも少年ジャンプ出身作家初とか(納得) ページ数の少ない読切でしたが、展開はいつものあの流れ(笑) 懐かしさで嬉しいような切ないような気になりました。 http://jumpbookstore.com/item/SHSA_JP01WJ2020003D01_57.html絵が可愛い星座バトル漫画!綺羅星のメリル 川口勇貴たか星座をテーマにしたバトル漫画をジャンプで描くなんて、スラダンのあとに黒バスを描くくらい勇気がいることではないかと思うのですが、この読切は絵もストーリーもちゃんと独自の味を持っててよかったです…! 面白いかと言われると個人的には「うーん」という感じ。もう少し光星くんが普段どんな風にすごしているのか、人となりがわかれば父との確執&一時和解にもっと感情移入できたと思います。 一方で絵柄は、柔らかくて温かみがあって、とにかくキャラクターが可愛い!!そしてキャラデザがすごく素敵!(特に主人公が覚醒するところがカッコかわいくて良かった) **「キャラの魅力」という点では、堀越耕平先生に共通するものがある**と思うので、ぜひ読んで可愛さを味わってほしいです…! https://i.imgur.com/X7lXl06.png (『綺羅星のメリル』川口勇貴 より) >**【あらすじ】 >光星(こうせい)は幼馴染の女の子・早乙女と、同じ学校に通う高校生。ある日バイトに急いで向かっていると、自分のウール100%マフラーが突如生き物のように喋りだした。彼女の名前はメリルといい、太古の魔術師・ノアが宇宙のエネルギーを地球のために使うため生み出した「聖星座(アステラ)」の1人だった。 メリルは、JAXAに勤め妻の死に目にも帰ってこないという光星の父が死んだと告げ…。** 田舎に帰りたくなるあんきらこんきら 奥田亜紀子名無し田舎に帰省するのが億劫で、おじいちゃんやおばあちゃん、もしくは両親に最近会ってないという人は、これを読んだ次の日には会いに行ってるかもしれない。 自分にはそういう存在はいないのに、いないはずのおばあちゃんに会いに行きたくなった…。 老人がボケてるのかボケてないのかどっちかわからないような状態って、こんな感じなのかな、と疑似体験したような感覚でした。 自由すぎる4P代原!畳上の空論 奥津武名無しアトモスフィア・クライシス、自殺すると決めた男を読んで奥津武先生のファンになったんですけど、これは読むのを忘れていた読み切り作品。 https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156651512768 たった4ページしかない代原なわけですが、「これ代原です」と作中でそのまま漫画にしてしまう度胸がすごいwww こういう「メタい」作品って覚めちゃうことも多いけど、そこはさすがの奥津先生。シリアスよりの美麗な絵の勢いで笑わせてくる…ずるい…!短くてうちにも来てくれ!!巨乳JKにライフハックを教えるおじさんドヤ顔有益情報提供おじさん(読切) 田中チヌ名無し昭和の忘れ形見のおじさんが、呼ばれても居ないのに爆乳JKの元にあらわれて有益な豆知識を授けるだけのお話。なんだろう…スナックバス江と同じソウルを感じた。めっちゃ好きwww 「エピソード一覧」 ・トマトを切ろう ・蚊を殺そう ・コードの絡まりをほどこう ・電池の消耗を抑えよう ・こむら返りを治そう ・心の涙を流そう ウェブで読めるのでぜひ読んでおじさんのファンになってください…! https://ynjn.jp/app/title/1032/viewer/66246 悪が勝利した世界でエリート怪人は…ヒーロー。 吉田優希ましゅまろ※ネタバレを含むクチコミです。今週のモーニングで一番おもしろい漫画だった #読切応援本がある部屋 西田荘starstarstarstarstar_borderかしこ第76回ちばてつや賞一般部門大賞受賞作。 まず扉絵でゴミ袋の中に制服が捨てられてるのがいいですよね。 家出先の男とはどうやって知り合ったのか説明がないのもいい。 結局は一人じゃ何も出来ない、何も変えれない弱い人間であるというヒンヤリとした冷たいオチもよかった。 まだ色んな漫画家の影響が見えるけど、すぐ消化して自分のものにしそう。 https://comic-days.com/episode/10834108156713779026アイドルとトップオタ矢倉の囲い 大石浩二 三原すばるななし2019年、個人的に印象に残った読切である鳥宮はバカ!スケルアイロニーの作者三原すばるが、あのいぬまるだしっトマトイプーのリコピンの大石浩二とタッグを組んで描いていた読切。 大石先生のギャグは流石の面白さで、三原先生のかわいい絵柄と上手くハマっててすごくよかった。 自分は将棋のこと全然わからないので、この読切の中で2人が指してる手がどれだけリアルなのか判断できないのが残念…物語を盛り上げるようないい応酬をしてるのだろうか。 https://shonenjumpplus.com/episode/10834108156720566732 異形宇宙人×すこしふしぎ!こういう石塚千尋を待っていた…!スターチルドレン 石塚千尋名無し別冊少年マガジン2020年1月号に掲載された『フライングウィッチ』石塚千尋先生の新作読切!小学生の女の子・夏目蜜柑が友だちの宇宙人・ラビィの力を借り「うさマン」として街を守る…というお話。 石塚千尋先生といえば魅力しかない異形キャラみたいなところがありますが、この読切でも存分に発揮されています。 うさぎっぽい宇宙人・ラビィだけでなく、覆面をかぶった強盗たちの見た目も可愛いし、なにより蜜柑が変身したあとの「うさマン」のキャラデザもかわいい〜〜!!なんだこれ・・!! https://i.imgur.com/l6Mhu7N.png (『スターチルドレン』石塚千尋) これは連載で読みたい…!毎月読んで異形の宇宙人と小学生に癒やされたい! マガポケで公開されているのでぜひ読んで下さい! https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156720538833読み切り版も好きジェナダイバージョン3to1 中村充志名無し週刊少年ジャンプ2020年2号より始まった『AGRAVITY BOYS』の読み切り版。2018年08月01日にジャンププラスで公開されました。 https://shonenjumpplus.com/episode/10834108156632658146 α・ジャンブローに着くなり開放的になりすぎるゲラルト、タンクトップが似合うババ、主人公・サガ渾身の「女になれ」など、もうこの読切版から完成されていて面白い…! ババの名前とゲラルトの肩書が、読切と連載で地味に違うのが気になります。 キプガラト(読切) キプラガト(連載) 生物地質学者(読切) 宇宙物理学者(連載) そして扉絵の画面配分、どう見てもクリスが重要人物なんですよね…やはりクリスの女性化は避けられないという暗示なんでしょうか。終電ちゃんスピンオフありましたね終電ちゃん ~夜の盟約~ 池田邦彦名無しモーニングで連載している「終電ちゃん」を、「カレチ」の池田邦彦先生が描いた貴重な読切スピンオフ。(たぶん単行本未収録のはずです) 雑誌で読んだときの印象としては、 池田作品の世界観と、終電ちゃんワールドが見事に融合したストーリーだったと記憶してます。 ちなみに、作品の画像を見て気付きましたが、合作ではなく一人で描かれていたのでしょうか…? もし、終電ちゃん自体も池田先生が描いていたのなら意外すぎます…! これはガチで尊い…!ゲスVS聖女!!四十万尊はガチ尊い キドジロウましゅまろ※ネタバレを含むクチコミです。合掌🙏✨四十万尊はガチ尊い キドジロウ名無し1ページ目、あれ?嫌パンのひと読切でも嫌パン描いたの…?と思いましたが違ったみたい。 主人公の男子が見るからに陰キャなのに誰よりも前に出るやつで笑った。 <<167168169170171>>
丸尾末広の今年二作目(おそらく)の読切「ディアボリク」。前回モーニングに掲載された「オランダさん」に引き続き、第二次世界大戦後とキリスト教がテーマ。 https://manba.co.jp/boards/104874 戦災孤児を収容するキリスト教養護施設に暮らす赤毛のミチオと神を巡るお話。「オランダさん」に登場した長崎の少年・マサルが素晴らしい宣教師と出会えたのに対し、こちらに登場する施設の園長・シュレック神父は神の教えを広める者として欠陥しかないまさに「diabolic(悪魔的)」な男。 シュレック曰く、日本は三等国で野蛮で神がいないらしい。 園で盗みを働きマリアを侮辱する浮浪者たちを描く中に、「最後の晩餐」を模したコマがあったのが印象的だった(その意図は自分には理解しかねるが)。 https://comicbeam.com/archives/008/201911/32d21816329fcc181a40ab534f7b33a3.jpg (『ディアボリク』丸尾末広) 救いのないシーンばかりが連続するが、最後の最後に、荒廃した町でサヨは12歳で殉教した隠れキリシタンの少年・ルドビコが死者を天国(パライゾ)に連れていく姿を見る。そしてミチオとサヨが優しそうな神父と出会ったところで話が終わる。 不幸ばかりだった2人だけど、「確かに日本にも神の国への道は開かれており、救いがあるらしい」。そんな読切だった。 【月刊コミックビーム2019年12月号】 https://comicbeam.com/magazine/magazine-10068.html