こいで、こがれて

繊細なタッチの作画と内容のシンクロ率1000%

こいで、こがれて 卯月ココ
名無し

12月にデザート2月号を購入し、 このレビューを描くために再読しました。 ・作画に関して 「新人」にも関わらず、 絵がとても繊細で、透明感があってキレイでした。 雑誌の中から漫画を探すとき、 一回目に読んだ時同様、二回目もほかの作品に 紛れるくらい違和感がなく、一瞬だけ迷子になりました(笑) ・個人的に好きなシーンについて 私はコマと少ないページを十分に利用して 作中、そのシーンだけ長い時間が経過しているイメージを与える手法? が好きです。今作でもその手法が確認できました。 見開き2ページという短く制限されていたにもかかわらず、 主人公の帰宅という何気ないシーンでも、主人公と読者にとっては 長い長い時間が経過しているという印象を受けました。 ・内容について 私は成人しているため、高校生が舞台の少女漫画に対しては 「もう卒業かな、、、」と思い、少女漫画への興味が薄れてしまい 敬遠していました。 しかし、SNSでの噂を聞きつけ、少しだけ興味が湧きました。 また、作品の絵柄も好みであったため読んでみようと思い、 購読しました。 これがびっくり、思わずにやけてしまいました。 私が現役の高校生だったらわーきゃーと言いながら悶えていました。 (さすがに現在は内心にとどめていますが・・笑) 男の子の所作が女子のハートを丸掴みしています。 相手は無意識でも、やられているこっちは 色々な考えが巡ってしまうんですよね~ 長々と失礼しました!

群青のバトロ

ワンピース感とオリジナリティ

群青のバトロ 古田静蘭
ななし
ななし

まずカラー絵がすごく良い。なんとなく五十嵐大介っぽさを感じる。 そして本編の絵の線の感じや白黒ハッキリした塗りは尾田栄一郎や吾峠呼世晴っぽい。 けど描き文字やキャラデザはオリジナリティがある。 物語は、「残虐なヴァイキングに統治された「兵士か奴隷」しかいない町・ギブロン。主人公・バトロは「ギブロンで1番偉い奴に会いに来た」と、少年漫画の主人公らしいセリフで兵士をぶっ倒すが、ゾゲボ(1番偉い奴)が町に戻ってくるまで奴隷として過ごすことに決める」というあらすじ。 この主人公・バトロには「ゾゲボが戻るまでビビらず仲良くしてくれよな」と言ったりするところがあり、こういう強い力を持ちながら「お前が言うな」というボケをカマすところはルフィーに似ているなと思った。 もしここで周囲の人間が極度にデフォルメされた変顔になってツッコミを入れたら、それはもうワンピースでしかないが、群青のバトロはそういうことはしない。 ルフィーはシリアスに振る舞うこともあるけれど、基本的に無邪気に喜怒哀楽をハッキリ示し、熱く怒ったりする。一方、バトロはもう少しクールな男で、笑ったりスッとぼけはするけれど、激しい怒りや熱は内側に隠し、淡々と振る舞っているような印象を受けた。 最初から最後までスラスラ読めたし、最後のオチには笑った。 ファンタジー少年漫画として大きな瑕疵のない、完成された作品だと思う。 個人的には、「バトロが伝説の男と似ている」という設定がうまく活かせていないように感じた。本来だったらもっとワクワクできる設定なんだけど、あとづけ感・蛇足感が強くて「バトロかっけー」とはならなかった。 ワンピースのようなヒット作の要素を、うまく自分のものにすることが出来るのは本当にすごい才能だと思う。ポテンシャルをビンビン感じるので、このままさらにオリジナリティを磨いていって超面白い作品を描いてほしい。 『週刊少年ジャンプ 2019年38号』 http://jumpbookstore.com/item/SHSA_JP01WJ2019034D01_57.html