上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花

お酒は百合のおつまみです!

上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花
ふな
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京都ではビールと鮎が出会いものと呼ばれているようだが、百合とお酒もまた出会いものである。 二十歳の大学生・上伊那ぼたんが同じ寮に住む先輩たちと酔っ払いながらいちゃいちゃするガールズコメディ、『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』はそんなことを感じさせてくれる。     主人公の上伊那ぼたんは、これまでお酒を飲んだことはない。しかし寮長のいぶきがお酒を飲む姿がとても美味しそうだったことから興味を持ち、お酒を好きになっていく。いぶきを中心とした寮の先輩たちとお酒を飲みながら「近いちかい!」とというツッコミが野暮すぎて引っ込むくらいのいちゃいちゃを見せてくれる。     秘密を共有すると仲良くなると言うが、とある理由からいぶきはこれまで一人でお酒を飲んできた。しかし上伊那さんと秘密を共有してしまったことで、自然と上伊那さんと飲む回数が増えていく。 お酒は一人で飲んでも楽しい。でも二人ならもっと楽しい。     この漫画の大きな魅力の1つが、赤面する女性たちが非常に可愛いことだ。少し酔って頬をあからめた姿は可愛いし、その中でふいに漏れ出る好意にドギマギして赤面する姿はもっともっと可愛い。 お酒を飲むことで、甘えやすくなったり隙が多くなったり。そういう弱さみたいなのを見せ合うことで、どんどん縮まる距離にニヤニヤが止まらない。     ヒロインたちがいちゃいちゃする様を見ながら飲む、読者のお酒も美味しい。良いことばかり……なのは良いのだが。     **いつから百合は、お酒の「つまみ」だと思い込んでいたのだろう。** 中国の戦術で例えるならば、酒とつまみの関係性は酒が主攻でつまみが助攻だろう。しかし百合は、特にこの作品の百合は助攻なのだろうか。     **否、断じて否である。** もはや助攻である「つまみ」としての百合ではない。 「舌が欲しいなあ」とか「二人だけで来たいなあ……」とか、いぶきを赤面させる上伊那さんとのやりとりが、私にとってはむしろメインなのである。     お酒で少し緩んだ表情、こぼれやすくなる相手への気持ち。 (特にいぶきへの)破壊力抜群上伊那さんの天然小悪魔っぷり。 読者もお酒をつまみにすることで、よりそのいちゃラブ百合成分を最大限に楽しむことができる。 百合がお酒のつまみなのではない。お酒が百合のつまみなのだ。 **そう、我々はお酒をつまみに百合に酔っていたのだ!**     仕事終わりに、あるいは休日の昼下がりに。テキトーに買ったお酒を片手に、上伊那さんといぶきの楽しそうなやりとりに頬が崩れるくらいに酔う。 なんて素晴らしいんだ……(恍惚)     というわけで、この作品を読むとき、飲める人はぜひ好きなお酒を片手に読んでみて欲しい。 ビールと鮎に匹敵する出会いものがここにあることを、きっと実感できるはずだ。 お酒を飲みながら、彼女たちの赤面っぷりに酔いしれよう。読めば気分はプレミアムフライデー……。

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君が一番美味しいラブコメディー! #1巻応援

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ふな
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令和2年でイチオシしたくなるような、読めば絶対ニヤニヤしちゃう魅力を本作は持っている! 人間は恋愛対象外、蛇にしか恋愛感情を頂けないことを隠しながら生きてきた学園のアイドル的女子高生・財部つくしが、なぜか新任教師の加賀美肇に恋してしまうというラブコメディ。     ファーストコンタクトで人が恋に落ちる瞬間を読者が目撃してしまうのけれど、なぜ好きになってしまうのか……というのはもちろん読んでいけば分かる。異種間ラブコメと謳っていることから、色々と察して欲しい。 ただ一言、**ヒロインの嗅覚が凄すぎる……(笑)**     自分の感情を確かめるために、先生をグイグイ押していくヒロインの姿は可愛いし、自分の感情の理由を自覚してからはさらに推していくヒロインの可愛さは無限大。 フェチズム全開で頬ずりしようとするわ、嬉々として舐められようとするわ、タイトル通りで押しまくり。 駄目でも引かない、前進あるのみ!     ファーストインプレッションでヒロインに抱いた優等生的なイメージが、読み進めていくうちに崩れていく。 **学園で被っていた仮面など、「好き」というエネルギーの前にはあっさりと剥がされてしまうのだ。**     舐めるという行為が、実は教師の加賀美に取っては大事な行為なのだけれど、JKを舐めるというあまりにも非日常的な光景(というか普通なら教育委員会案件)が、時にえっちな雰囲気があったり、邪魔できないような尊い雰囲気が漂っていたり。     先生はペロリスト(舐める人)として照れを持つ稀有な存在だし、つくしちゃんはペロラレリスト(舐められる人)として反応が完璧。 舐めたい人と舐められたい人で、需要と供給が見事に満たされている!WinWinの関係性なのが素晴らしい(!?) 舐めるという行為にこんなに魅了されるのは、かつてアフタヌーンで連載していた『謎の彼女X』以来と言っても過言ではない(これもヒロインのよだれを舐める良い漫画なんだ) **ヒロインが作った手料理よりも、ヒロイン自身が一番美味しいというから、先生も読者も困ってしまうんだよなあ!!!(笑顔)**     まさにタイトルに書いた、「君が1番美味しいラブコメディー」が嘘ではないことが、読んでもらえれば絶対に分かる。 読み終わった頃には、すっかり胃袋を掴まれてしまっているはずだ。読者はつくしちゃんを舐められないので、熟読して胃袋を満たすしかない!   **つくしちゃんが美味しく食べられる様(嫌らしい意味ではなく)を、ぜひ楽しんで欲しい。**     また、めちゃくちゃ押しまくるつくしちゃんだけど、実は赤面シーンが多いのも大きな魅力。 赤面しているヒロインは人類の文化遺産なのだ。押して押して押しまくりながら赤面するつくしちゃんを、みんなで堪能しよう!     **訳アリ高校教師✕訳アリ女子高生=ニヤニヤ必須のラブコメディ**   令和2年以降の人類史では上記方程式が成り立つということを、漫画好きの全ての人間に、ぜひ提唱させて頂きたい……! 電撃マオウ2020年6月号の表紙のつくしちゃんも最高に可愛いことを、最後に報告してこの文を終える。

プリンセスメゾン

まず、絵で殺され、そして泣く。不思議な漫画

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みこチャン
みこチャン

手にとる時、「表紙がかわいくてオシャレだな」というだけの理由をもちレジに持って行った。家に帰り珈琲なんぞを啜りながらシャレオツな漫画を嗜む私カコイイむき出しで読みだしたのだが、気づけば珈琲はいつの間にか冷めていたし、組んでいた足は解かれてあぐらをかいていたし、私の中のシャレオツな漫画を嗜むカコイイ私は死んでいた。 プリンセスメゾン。 家を買いたい女の子の話。だけじゃ、なかった。 これは作者の気まぐれですか?ってほど、ふ、とした拍子に「閑話休題!沼越ちゃん以外の女性の生活を垣間見てみよっか!」という回がたびたびあるんだが、私はその回のどれだったか今やわからないが、 女性が朝おきて、夜、ベッドで眠る。 というだけの描写にしか思えない回で、なぜか泣いてしまった。 なにがそんなに感動的だったのやら、言語化するには能力が足りないだけかもしれないが、とにかく 絵で殺され、そして泣いたのだ。 じわ、と滲むようにそれは広がり、幸せと寂しさのはざまにゆれるような、そういう不思議なきもちをくれた。 かなり売れて、確か実写化とかしてたけど、これは漫画、静止画でないと、そしてこの絵柄でなければ、出せないものが絶対にある、と思う。 池辺葵は他作品もステキに滲む作品ばかりなので、プリンセスメゾン以外もおすすめです。