東京怪奇酒

怪談×清野とおる

東京怪奇酒
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前

清野とおるさんは元々好きだけど、「怪談×清野とおる」はめちゃくちゃ正解だと思う。 怪談もちゃんと取材対象から聞いた本物だし、現場に行って、古地図も調べて、地域の情報も調べたりしていて素晴らしい。そこに酒を飲むという業が清野とおるさんの業というか日課がまざってきているのがまたいい。 撮れてる写真もカバー裏にちゃんとカラーで載ってて嬉しい。 各話のあとに備考というかプチ情報が詳細に書かれてるのもめちゃくちゃ好き。

売野機子短篇劇場

こんなによいとは…

売野機子短篇劇場
nyae
nyae
1年以上前

『運命とか信じるきみだから』『まりすのせいなる墓あらし』『成人式』『航海』は雑誌掲載時に読んでいたんですが、あらためて単行本で読んで、こんなによかったか…!?と愕然としてしまった。とくに『まりすのせいなる墓あらし』。ビームで読んだときに面白いなーと思った記憶があるけど、2回め読んだらなんか泣きそうになっちゃった。いい話すぎて。 『運命とか信じるきみだから』も、初めて読んだとき、あんまり意味分かんないなって思ったのに、2回め読んだら良い〜〜〜〜〜!!ってなってしまった。 なんなんだこの変化は!すごい。 ほとんど売野機子さんの漫画って読んでないんで、他と比べてどうっていう感想はかけないんですけど、これは他のも読まなくてはならんなと(なにから読めばいいのやら)。 あと、これもいつもがどうなのか知らないですけど、良いあとがきを書く方ですね。読者の読みやすさとかよりも、作者が思ったこと、書きたいことをまんま書いてますという気がして、それがむしろ良かった。日記みたい。

ベニテングダケ2本目プラント工場前菓子店1-キノコ鐵道の夜

「殺し愛」のFe先生の過去作

ベニテングダケ2本目プラント工場前菓子店1-キノコ鐵道の夜
さいろく
さいろく
1年以上前

「殺し愛」の新刊を買ったついでに安かったから手に取ってみた。 「キノコ鐵道の夜」と「星の上のお茶会」という2つの短篇が収録されていて、どちらも先生の古い作品であるということがよくわかる画風。 逆に言うとここからの成長であんなに描けるようになるんだなーといういい例かもしれない。2つ目は特に、顔の向きが何パターンかしかなかったりして面白い。線も輪郭だけ太くて(鬼滅の刃のアニメ版はそんなだよね、と思った)色々試してみているところなんだろうなーと思った。

殺し愛

謎の過去を持つもの同士の不思議な殺し愛

殺し愛
さいろく
さいろく
1年以上前

この2人が殺し合うわけではない、殺し屋同士の愛で殺し愛。 きっと著者もタイトル安易につけちゃったことを後悔しているに違いない、割と深い話が出来上がっておりなんともう10巻が出たのである。おめでとうございますFe先生! 主人公はどっちだろ、途中からはリャンハかな・・・ ともあれ途中から最後が気になって仕方がない物語。 2人の背景はどんどん風呂敷が広がっていく、と思いきやちゃんと収集する気もあるというのがわかるのでとても気になる。

メタモルフォーゼの縁側

老齢の淑女、BLに出会う

メタモルフォーゼの縁側
さいろく
さいろく
1年以上前

実写化するってよ、というのもあって読んでみた。 これはキャストが気になりますなぁ… メタモルフォーゼ、はドイツ語で「変身」という意味だった気がするけど、変化というか成長という方の意味合いに近いかもしれない。 雪さんの老い、変化。うららの成長、変化。 大きな波は立たない、でもそこがこの作品のいいところだと思う。 小さな変化や進歩を楽しむ彼女たちは大きく歳が離れているが羨ましい関係だ。雪さんは私より大人だなぁと感じるところがいーっぱいあるし、うららは慎ましくも前を向いているのが眩しい。

田園少年

女子には壊せないBoys Love

田園少年
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

紺野キタ先生の、これぞ語義通りのBL短編集。少年〜青年期の男子の、深い結びつきを描くがそれは、精神的な繋がりの話迄なので甘く優しげ。 大小あれど共通して描かれるのは、女子の介入。どこか「鋭い」女子が男子二人の間にいる事で、困難な物語が生まれ、男子同士はごく自然に結び付く。彼らの関係を祝福したくなるし、女子の幸福も祈りたくなる。 ●『田園少年』『夜桜少年』『初恋少年』…野球部の男子二人と、マネージャーで親戚/隣家の女子の勘違いしがちな関係性。 ●『Top Of The World』…親の再婚できょうだいになった、二人の男子と妹。兄と妹は同じ人を好きになってしまう。 ●『カエルの王子様』…カエルと渾名された少年と、カエルを吐く少年。 ●『よるを訪うもの』…ある時見知らぬ少年と、親密になる。しかし病弱な妹とクラスのリーダーは彼に忠告する、それ以上近寄るなと。

プライベートレッスン

憧れ?恋?ピアノとお姉さんと私の関係

プライベートレッスン
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

友達に恋をすると、相手を恋人にしたいと思うのと同時に、友達を失うのが怖くなる。そして悩む。私は恋人が欲しいのか、それとも友達が欲しいのか……。実際に欲しいのは、いつも変わらない「あの人の隣」ただそれだけなのではないか? ♫♫♫♫♫ 従姉妹のとり姉が弾く楽しそうなピアノに惹かれたたまご(本名たまこ)は、とり姉にピアノを教わっている。長年の二人の関係に疑問を持たなかったたまごだが、ふとしたきっかけでピアノと、とり姉の交友関係に向き合うことになる。 私はとり姉が好き!と一方的に想うたまごは「じゃあ、とり姉は誰が好き?」という疑問を初めて持つ。周囲の関係性を理解しても、見えてこないとり姉の心。そして自分のとり姉への「好き」は、恋なのか?心が揺らぐたまごの迷走は歯痒く、痛々しい。 誰かへの心に、恋とか嫉妬とか憧れとか、名前を付けて何らかの関係性に落ち着く事が、本当に欲しい物だろうか?たまごが出す「本当に欲しい答え」と、その真っ直ぐさに心動かされるとり姉の終着点は、物凄く腑に落ちる。そうか、こんな簡単な事だったんだ、と。 最後に二人が、頭をくっつけ寝こける姿に、ホッとする。私もこの安心感が欲しいと、心から思わされる。 (身を寄せて寝こける安心感は、たまごのピアノ仲間の籠原さんのエピソードにも変奏的に登場する。そちらも優しいお話だ) ♫♫♫♫♫ 『voiceful』『なずなのねいろ』『プライベートレッスン』と、音楽で誰かと繋がる連載を描いたナヲコ先生だが、これ以降姿を消す。HPもTwitterも更新が無い先生の事を案じてしまうが、奇跡の様に残されたこの3作品を、大切に読んでいきたいと思う。

シグルイ

これを読んで精神を鍛える

シグルイ
名無し
1年以上前

シグルイ読んだことはなかった 一話くらいしか? 絵がすごいのは知っていたんですがまあなんにせよかなりのエグい描写だったのでなかなか読む気になれず。 でも一巻試しに読んでみたらすごいですね。 絵のもつ力はすごい! 魂がこもっていると言う例え、よくありますがこれは確実に魂こもってる! 背中の筋肉もすごいしはらわたを出して見せてみる描写のその腸もすごい。 殺気だった鋭い眼光はもっとすごい…。 これを読んでたらなんか強くなれそう

マッシュ

時代よりも熱い絵

マッシュ
hysysk
hysysk
1年以上前

似顔絵を描いていた少年が絵を描きながら成長し、やがて父親と対峙する。ひたすら絵を追求しているだけなのに(だけだからこそ?)、行く先々でなぜか「おもしれー女」に好かれるのが羨ましい。作中で描かれる絵がいいのと、絵画バトルが能力バトルみたいになっていくのが面白い。ちょっとメディアアートっぽいかも知れない。 時代もあるとは思うが美術に対する考え方、絵の競い方や評価、物語の構成などは『北の土竜』『蒼き炎』とも近く、改めて『ブルーピリオド』は美術マンガをアップデートしたなという感じがある。 しかしちょっと前にネットで話題になった芸大建築科を懲戒退学になった人とかバンクシーとかに世間がコロッと騙されちゃうのを見てると、この辺あんまり理解されていない気がする。 芸術は大衆に開かれていて欲しいと思っているが、この作品の新サロン派みたいに芸術を大衆から取り上げなければならない…と思ってしまうね(自分も排除される側かも知れないけど、それでも貴族的アカデミズムの方がまし)。

トニカクカワイイ

これは確かにとにかく可愛い

トニカクカワイイ
名無し
1年以上前

読んだ気で読んでなかったので読んでみましたよ! もう「とにかく可愛い女の子と結婚したい」そのゴリ押し感! 作者のいつもの(期待通り)のキャラと絵でラブコメやってくれます。 ドンキとかいくと日常感あってよつばとみたいに思えてくるんですが、雪の降る日に可愛い子が立ちすくむ絵はファンタジー感ある。 出会って即結婚モノも最近多い気しますがいいですな!

怪獣8号

面白すぎでしょ!

怪獣8号
名無し
1年以上前

多分2021年のこの漫画がすごいとかにランクインするんじゃないかと直感しましたね! 面白い…! 今一巻無料で読めるらしいんでどうか読んでみてください! (知らずに買った) 怪獣8号って主人公で怪獣狩り! あんまり語りたくないけど多分大化けする漫画だと思うんですよ。 コミカルだけどしっかり背景も描かれてて親しみやすい絵柄 立川の施設、確かにあんな建物あったな、なんてw 少年漫画で怪獣討伐なんてアラサー的にはもう共感できないんじゃないか? そう思う人いそうですがめっちゃ共感できます! 主人公32歳のおっさん!再度最前線に返り咲く! そうそうチャンスも何かをやるのも年齢決まってないんですよ。 落ちこぼれもトップも一瞬でひっくり返る。 そこが人生の面白いところ。 読んでて元気になる漫画なんでぜひ

ホラー漫画家は激しく嗚咽する

年初にして今年最高の読切に出会ったかもしれない #読切応援

ホラー漫画家は激しく嗚咽する
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前

苛烈でヒリつく素晴らしい読切…!! 駆け出しの漫画家は、友人の家族6人が家と共に全焼し、友人一人残されてしまった状況の先に何を見るのか。 ホラー漫画家としてそこから何を描き出すのか。 表現者としての葛藤と業、そして愛を描く短編。 https://comic-days.com/episode/10834108156738607471 作者さんの年齢が40歳なので、積み重ねた人生経験から来る厚みを遺憾なく発揮されているように思えます。 そして投稿作というのがまたすごいですね。 https://twitter.com/ym_shiraki/status/1219173090875211776?s=20 家族を火事で失ってもどこか当事者でないような友人は、必死にその事実に向き合わないようにして正気を保っている。 それはとてもリアルで、やるせない。 誰のために漫画を描くのか。 友人のため、自分のデビューのため、編集に言われたから。 なんとでも言える。言えるが、主人公はすべてを背負う。 その覚悟なしには描けないからだ。 過去の読切『四十九日、飯』(第1回ヤングスペリオール新人賞佳作) http://big-3.tameshiyo.me/49NICHI01SPE こちらもやはり家族を亡くし乗り越える話だ。 この作者には、はっきりと描きたいものがあるようで、そこが大好きだ。 この実力ならきっとすぐ連載するようになるだろうから、楽しみで仕方ない。 作者名が、「玄黃武」と「玄黄武」の両方出てくるのが気になる。旧字体の方とどっちが正式な表記なんだろう。

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