泥濘の食卓

なかなかの泥沼劇

泥濘の食卓
六文銭
六文銭
1年以上前

両親の教えにより自己肯定感皆無な主人公。 彼女がバイト先のスーパーの店長と不倫をし、その店長の息子から好意をもたれ、その息子にも好意というか狂気じみた愛情(ストーカーっぽい感じ)で接してくる幼馴染みがいる。 そして、店長の奥さんは鬱病で家庭にも問題がある状況。 もうこの時点でお腹いっぱいなほど、こってりした人間関係なんですが、どれも目が離せなくてグイグイ読ませてくれます。 とりわけ主人公が、上述のように自己肯定感皆無だから、色々トリッキーな動きをします。 スーパーのバイトを辞めて、カウンセリングまがいなことをはじめて、店長の奥さんに接近します。 接近して何するかといえば、奥さんを治そうとする。 店長に幸せになって欲しい一心で、家族を助けようとする。 普通、不倫関係の相手の家庭がボロボロだったら、そこに付けこんで奪いにいくもんですが、治す方向にいく。 この斜め上をいく行動に、どこか狂気すら感じます。 店長の息子・ハルキに好意を持たれ、彼に好意を寄せる幼馴染み・みふゆとの複雑な関係も、物語を面白くしてくれます。 特に二人共、店長との不貞を知っており、それをネタにかき回していく感じがゾクゾクします。 ただの泥沼不倫劇以上の奥行きをみせてくれて、まだ3巻ですが、どの方向にいくのか今後も予想がつかず楽しみな作品です。

誰も知らんがな

これが令和のホームコメディや! #1巻応援

誰も知らんがな
かしこ
かしこ
1年以上前

東京でそれなりの成功(タワマンの6階に住むなど)を収めたものの、なんとなく日々の生活に面白みを感じなくなったタイミングで実家の旅館を潰す話になり、それなら私が継いじゃるー!と長女が奮起したのをきっかけに次女と末っ子長男も加わって、バラバラだった家族が一丸となって寂れた海辺の町の旅館を再建させようとする…と説明すると大袈裟ですが(笑)、要はドタバタホームコメディです!! 電子書籍化してるサライネス作品を全て読んでおさらいして待ってたので1巻の発売が本当に嬉しい。なんとなく長〜く続くお話になりそうな予感がします。初めてサライネス作品を読む人でも第1話のおいでやす小田が出てくる辺りで「この漫画なに?!」って引っかかるはずだし、そこから読み続けて隠し子とか不倫とかスキャンダラスなワードがバンバン出てきてもどこかのほほ〜んとしてる登場人物達のことが絶対に好きになるはず! 私はタワマン生活してたアリィお姉ちゃんの「アレクサ電気消せ!」の一言でもう心を掴まれましたね!あと再推しはキヌエおばちゃんです。ハムカツ食べたい!!あとタイトルでエセ関西弁使ってすみません…!

佐賀のがばいばあちゃん-がばい-

このマンガが、がばい

佐賀のがばいばあちゃん-がばい-
ひさぴよ
ひさぴよ
1年以上前

おばあちゃんの生きる知恵、人生の教訓などが詰まっていて、時々読み返したくなるマンガ。すでに「佐賀のがばいばあちゃん」が一躍ブームとなった頃から十数年経つけど、今は露出も減って、時代とともに少しずつ忘れ去られているように思えて寂しい。島田洋七さん自身は、現在も講演を続けられているそうだが最近はコロナ禍で色々大変らしい…。 原作や映画、テレビなどで、島田洋七さんの語りを聞いたことがある人は、ある程度内容を知っているだろうけど、マンガ版はまた違った素晴らしさがあるので是非読んでみてほしい。石川サブロウ先生の作風と相性が良いのもあるが、原作の良さを完璧に活かした上で、一つのマンガ作品としての完成度が非常に高い。だいたい1話完結の話なので途中からはどの巻から読んでも良いと思う。Kindle Unlimitedやスキマでも読める。

火の鳥

「復活編」の感想です!

火の鳥
酒チャビン
酒チャビン
1年以上前

火の鳥の中でトップクラスに好きな話です!!!火の鳥って、好きな編がそれこそ十人十色で、かなり票が割れる傾向にあると思うのですが、それだけ全てのエピソードが粒ぞろいということではないかと思います。 復活編はいくつかの時代を行き来しながらエピソードが進行します。 火の鳥はシリーズ全体からしてそういう構成をとっているのですが、復活編は一つの編の中でそれをしています。 2482年→2483年→3030年→2484年→3009年→2484年→2917年→3344年 主人公がある事故をきっかけに体の6割ほどを人工物に入れ替えられてしまうのですが、それにより、人間が無機物に、ロボットが人間に見えるようになってしまいます。 ・身体の60パーセント人工物に変えられた人間である主人公 ・主人公には人間に見えるロボット(主人公にやさしい) ・主人公には無機物に見える人間(主人公を殺そうとする) ・人間らしさとは人間と形が似ていることだと言い、人間に似せて作られたアンドロイドと愛し合う人間 ・人間とはかけ離れた容姿だが自分はかつて人間であったと信じるこけし型ロボット などが登場し、これまでの編でも何回か出てきた「何が人間を人間たらしめるのか」というテーマを考えさせられます。 他の編との繋がりですが、望郷編でちょろっと登場したチヒロがメインキャラの一人として登場します。あとラストで猿田博士が登場し、ロビタも未来編で登場します!

火の鳥

「望郷編」の感想です!

火の鳥
酒チャビン
酒チャビン
1年以上前

スケールが壮大すぎる物語です。時代設定は明言されていませんが、増え過ぎた人類が宇宙の他の星に移住する時代となっています。 「望郷」というのは、宇宙移民した主要登場人物「ロミ」(女性)が地球に帰りたくなるストーリーからきています。 ロミは恋人と一緒にエデン17という無人惑星に移住してきますが、その直後に恋人が死んでしまいます。当時すでに二人の子供を孕っており、その子供がしばらくして生まれますが、このままではすぐに絶滅してしまうので、その子供との間に子孫を儲けようとします。 あまり詳しくかくとネタバレになってしまうのですが、すったもんだあった結果、星は一定程度の繁栄をみます。そこまでの話も十分充実感ある面白さなのですが、その後ロミが地球へ帰るべく旅をする話が続くのですが、こちらはサン=テグジュペリの星の王子さまオマージュな感じで進行します。これだけ盛りだくさんで単行本2冊程度なので、密度が濃過ぎます!! 自らの子供と子孫を残すとかもそうですが、星の王子さまパートでの各種不条理エピソードや、異星人の性質(不定形生物や雌雄単体)など、常識からはかなり外れた出来事が普通に起きます。そしてそれらは必ずしもネガティブな書き方はされてない一方で、今や我々の常識となっている酒・ギャンブル・麻薬・兵器などが生まれたことによってエデン17が滅亡に向かい始めると、結構考えさせられる内容でした。 他の編との繋がりですが、牧村飛行士(宇宙編に登場)とチヒロ(復活編に登場)が出てきます。刊行順だと宇宙編→復活編→望郷編なので、サービス出演的な感じでしょうか。

腐女子のつづ井さん

全腐女子わかるやつ

腐女子のつづ井さん
Nano
Nano
1年以上前

初っ端の電車の話から「わかる~~~!!」となってしまう腐女子歴2桁の私がいます…いやでも電車内でカバーつけずに商業BL読むのつよ…。 恋愛ソングを推しカプに当てはめるのもめっちゃやる。なんならイメソンマイリストがある。つづ井さんはリア友にそれを報告できるのが凄い。羨ましい。学生時代はやってたけど大人になったらそうそうできん…Twitterで呻くぐらいしか…でもフォロワーに反応してもらえるのもそれはそれでHAPPY…。 とある設定とある話が公式か妄想か分からないとかないやろwと昔は思っていたけど年取るとあるわこれ…二次だっけあれ…ってなる…。 という感じでめちゃくちゃわかる漫画です。なんか読んでたら懐かしい気持ちになっちゃったな…なんか生み出したくなってくるな…そんな作品です。

MW

サスペンス!毒ガス!同性愛!ケモノ!

MW
酒チャビン
酒チャビン
1年以上前

最高に面白かったです。単行本で2〜3巻分の中編ですが、かなり中身が濃く、あっという間に読んでしまいました。 ラスト付近の「ニヤリ」も物語に深みを与えています!! 火の鳥ではまって以来、手塚先生の作品はほぼ全部読んでいるヅカラーですが、その中でもトップクラスのお気に入りです! 最近映画化されたようなのですが、諸々の表現はソフトになっているようですね。1976年からビックコミックで連載された作品なのですが、青年誌ということもあり、マンガの方はかなり内容も大人向けです。 手塚治虫先生は一貫して子供をすごく大切にしておられたようですが、世の中に青年誌というものが登場して大人もマンガを読むということが一般化しつつある流れの中で、1968年に創刊されたビッグコミックで連載された手塚先生の作品は、MWをはじめ、きりひと讃歌、奇子、ばるぼら、シュマリ、陽だまりの樹など粒ぞろいの傑作揃いで、子供向け作品だけでなく、大人向けでもなんでも、どんな作品でもすごく面白いものを生み出せる豊かな想像力は、まさしく創造神と言って良いと思います。

ひとりで生きるはままならぬ

このままでいいのか悩む年代、アラサー。

ひとりで生きるはままならぬ
Pom
Pom
1年以上前

シェアハウスに住む4人のアラサー女子達。 何やかんや色々と抱えながらもキャピキャピと楽しそうな彼女達だけど、アラサーにさしかかると本当に分岐点で、このままで良いのかなと悩むこともあったなぁと自分と重ねつつ、懐かしさも感じながら読みました。 思った以上に人生あっという間に過ぎていくんだよな。笑 年頃な女性同士で住むと難しいことが出てきて大変そうな気もするし。。笑  でもまだまだ若い〜悩みも新鮮さが感じられる。 4人共々幸せな道を歩んで欲しいな。

武狂争覇

見る人が見れば「おかえり、藤異先生」と言いたくなる漫画

武狂争覇
名無し
1年以上前

明らかに万人受けしない漫画ですし、藤異版『真・女神転生 デビルチルドレン』および『UMA大戦 ククルとナギ』の読者であったファン限定の感情なんでしょうけど、「あの頃の勢いが戻ってきた」と嬉しく思いました。個人的に見ても、もっと評価されるべき漫画です。

新装版 UMA大戦 ククルとナギ

見も蓋もなく言って申し訳ありませんが、訊きたいこと

新装版 UMA大戦 ククルとナギ
名無し
1年以上前

『UMA大戦 ククルとナギ』について質問があります。 ①正直にいって、この漫画は実質的にも打ち切り終了してますか? ②結末としては綺麗に終わっているのでしょうか? ③新装版には「描き下ろし」がありますか? ただ「打ち切りの事実」と「描き下ろしの有無」の確認だけしたいので、なるべく本作の物語の内容に触れないように返答(返信)してほしいです。 我儘が入った内容ですいませんが、回答をお願いします。

ハブ捕り

ハブ捕りの感想 #推しを3行で推す

ハブ捕り
マンガトリツカレ男
マンガトリツカレ男
1年以上前

・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 相変わらず新里堅進は異様な迫力と説得力があるからいい。もう少し方言の説明があってもいいんじゃない? ・特に好きなところは? 今帰仁仁王のハブに噛まれた時の対処法と一応枠外に方言の説明があるが全然足りていないところ ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 新里堅進の作品の入門としては一番いいと思う。日本漫画家協会賞・優秀賞受賞作であるだけあって面白い。同じ回に高野文子が絶対安全剃刀で受賞していたな

姉の友人

姉の友人(顔面良すぎギャル)は最高だぜ

姉の友人
天沢聖司
天沢聖司
1年以上前

ひーちゃん。自分の中で『スーパーベイビー』の玉緒、『着せ恋』喜多川海夢に並ぶ3大ギャルになりました……あまりにも良すぎる😭 そんでひーちゃんと同じくらいあっくんが人として出来ててかっこいい! 作中ではほとんど登場しませんが、ほんの僅かな登場だけでもあっくんの姉ちゃんのドSっぽいクール・ビューティーなところが癖に刺さったのでぜひ連載してほしいです(切実)

徳川おてんば姫 ~最後の将軍のお姫さまとのゆかいな日常~

「姫×女中」史実がベースの昭和ロマン溢れるガールズ主従バディ学園ドラマ!

徳川おてんば姫 ~最後の将軍のお姫さまとのゆかいな日常~
たか
たか
1年以上前

これはすごいものを読んでしまった…!「うおお〜〜こういうのが読みたかったんだよ!」と心の中で叫んでしまう最高の物語でした。 ・歴史ドラマ(昭和10年=1935年) ・実在の人物の登場 ・女学園 ・上流階級の世界 ・派閥争い ・意地の悪いお嬢様ライバル ・主従関係 ・ハンサムで気高いお姫様 ・戦闘に強い従者 お子様ランチか?という勢いで、みんなが好きな要素がブチ込まれていて面白いとしかいえない。 もう1巻の表紙からして最高。 最後の将軍・徳川慶喜公の孫娘・久美子様がセーラー服に身を包み凛々しい表情でコートを肩にかけ刀をついている。う〜ん痺れる……! ▼西山優里子/井手久美子『徳川おてんば姫 ~最後の将軍のお姫さまとのゆかいな日常~』第1巻 https://i.imgur.com/PeEia3T.jpg 主人公の2人はともに13歳の女の子で、 慶喜公の孫であることに矜持を持ちつつも葛藤し、下々の者に心を配ることを忘れず、広大な邸宅(第六天)の外の世界に憧れ男装にパーマで脱走しようとするおてんばハンサム久美子様。 “会津”の出身で、妹弟のためになんとしても女中として働きたい父母から様々な格闘術を仕込まれた健脚で元気な“お次”のはな。 「もう来年プリキュアの枠で放送してくれ〜〜!!」って感じのたまらないキャラ設定。 はなをひと目みた瞬間、髪型がすごくいいなぁと思ったのですが、あとがきにキャラの初期デザインが載ってて「元ネタはあしながおじさんの主人公」と書かれてて膝をうちました。確かにジュディだ……!通りでキュンとすると思った。 コミカライズにあたり、西山先生の好みで久美子様は男前に描かれることになった(最高)とのことですが、西山先生ご自身が『スケバン刑事』の大ファンだということで納得。 意地悪なお嬢様ライバル(山縣有朋の孫娘)との投扇興バトル。気品溢れる女性だが明らかに只者ではない英語教師。久美子様より上手な妃殿下との薙刀バトル。世が世なら将軍様で線の細いエリート文学青年の慶光侯爵。何やら久美子様と因縁のありそうなシュッとした帝大生2人組。 も〜〜う全部面白い!全部……!! ガッツリ取材して描かれているので、歴史ドラマとしても読み応えがすごい。 原作は“久美子様ご本人”によって描かれた同名の自叙伝とのことで、こちらも読んでみたくなりました。 「ヒストリカルな上流階級の世界」という女子の好きな設定で少女マンガ的な絵で描かれてはいるけれど、アクションシーン満載で構図やコマ割りも迫力があり強さを秘めた女の子たちがパワフルに活躍するという、少年マンガと少女マンガのハイブリッドのような作風が私にぶっ刺さりました。最&高。 NHKで夕方のアニメになるまで応援します! ▼第1話より こんなかっこいいお姫様を嫌いな人類がいるか(反語)

誰も寝てはならぬ Nessun dorma

嫌いなキャラが1人もいない #推しを3行で推す

誰も寝てはならぬ Nessun dorma
かしこ
かしこ
1年以上前

めちゃめちゃ面白かった。読み始めると面白いから熱中しちゃって気づいたら3時間も経ってて窓の外が暗くなってることがザラにあって「時間泥棒…!」と思ったこともあったけれども、10巻くらいから読み終わってしまうことが悲しいけど面白くてやめられないという嬉しい葛藤を抱えながら読んでました。 東京赤坂に会社があってデザイン業をしていてたまに大きい賞をもらったりして実はカッコいい人達なハズなのに、漫画の中では真面目に働いてる時の方が珍しいのがヘンテコで面白いんですよね。しかも主要人物が大阪出身者ばかりなので会話もノリも関西風なのです。 嫌いなキャラクターが1人もいないんだけど、好きなキャラクターを強いて言うなら①オカちゃん②ヤーマダくん③シモヤナギさんかな。この3人が出てくる話は個人的に「当たり」でした。夏は恒例で日本画の大家であるハルキくんのおじいちゃんの仕事の手伝いでお寺の天井画を描きに行ってるのも毎回の楽しみだった。

もっとみる