時代ですね。自分もフルリモートになってはや1年。 もう、この内容通りの生活で、読んでいて自分のことかと唸りました。 やりとりがオンラインなので相手の顔色がわからないからちょっとした間で不安になるとか、業務以外のどうでもよい雑談がしたいとか…。 わかりすぎるっ! 悪い面もありますが、通勤がないこと(特にラッシュに巻き込まれなくて良い)が全てをチャラにしてくれてます。 マジ、日本の通勤ラッシュは地獄ですから、これがないだけでも大分ラクです。 ただ、リモートだからって仕事が減るわけではなく、むしろ通勤がない分増えている印象があり、生産性も求められ、また家とオフィスの境目がないから24時間仕事している感じが、精神的に病みますね。 みーんな、妖怪のせいでも、香水のせいでもなく、コロナのせいです。 はやく、元の世界に戻って欲しいと願うばかりです。
『町田くんの世界』が控え目にいっても、スゴイ好きだったので、最新作待ってましたとばかりに読みました。 町田くんが無理しない等身大でいる感じがしましたが、 こちらの主人公・悠人は無理して大変なことになっている感じ。 頭の良い兄、イケメンの弟、そのどちらも中途半端なことに悩み、 はやくも人生終わったと絶望している。 中学生くらいだと、この2つが絶対的な価値基準になりがちですから、この悩みは共感できますね。 反面、天才と称されたバレリーナだったお隣のお姉さん・琥珀は、もう頑張る理由がないからと、怪我をしたと嘘をついてまで引退する。 頑張る理由…喜ばせたかった母親が亡くなったから。 何もかも捨てて才能以上のことをやっただけ、と言う姿は、プロの世界の厳しさを感じグッときました。 この対比が良いですね。 ただ、全く違うというわけではなく、ところどころお互い共感できている部分があるので接点がないわけじゃないのも良い。 根っこは同じなのかな?と思う。 自分の能力に限界を感じている悠人。 人生全てをかけていたバレエを辞めた琥珀。 それぞれ、今後何を目指すべきなのか、目指していくのか。 まだわからない。 二人が出会ったことで新しいスタートきった感じでしょうか。 「地図にない場所」というタイトルと相まって、今後(特に二人の関係性)が気になります。
「LINEマンガ恋愛ランキング第1位」と単行本の帯に書いてあったので、ホイホイ買ってしまいました!小中高と顔見知り程度の同級生だった2人が、高3になって付き合い始めますが、初体験に失敗してしまい、大嫌いになってしまったまま疎遠に…。しかし社会人になり今度は同じ会社の同僚として再会します!職場では犬猿の仲として認識されているので、もちろん幼馴染の元恋人同士であることは秘密ですが、お互いに美男美女で仕事もデキるので何かと注目されがちです。上司から一緒に仕事をすることを命じられて急接近しますが、これがきっかけで気持ちのすれ違いが起きてしまったあの出来事を振り返ることになり…?と、ここまでが1巻かな…。2人とも未だにトラウマから脱却してないんだけど、好きっていう感情も残ってるところにキュンとします。ちょっとだけ両思いなんですよね。特に男性側は表向きはツンツンしてるけど、内心はこんなデレデレしてるんだよ〜っていうのを見せてくれるので可愛いです。作者の里村さんってどこかで見たことあるお名前だなぁって思ったけど、ココハナの新連載「岬くんの不器用な溺愛」の人か!キュンキュンするイケメンを描いたら今一番の実力かも!
高校2年のときに病気が発覚し、余命2年と宣告された主人公の一花。 それでも彼女は普通に生活することを望み、家族以外に病気のことを伝えないままいつしか余命と言われた2年が過ぎ、大学にも進学することができました。 ただ、病気が治ったわけではなく、命の終わりを感じながら生きてきた一花。そんな彼女が大学で哲学の講師・萬木(ゆるぎ)と出会い、彼に思いを寄せ始めます。 徐々に萬木と交流を深めていく一花でしたが、ある日突然、彼女の知らないうちに萬木が大学を辞めたていことを聞かされます。 そんな彼女が駅で偶然萬木と再会するところから物語が動き始めます。 萬木との出会いにより生きる希望を見出していた一花は、彼との再会により更にその恋心を燃え上がらせていきます。 一方の萬木のほうも決して一花のことを蔑ろにしていたわけではないのですが、彼女に何も伝えずに大学を辞めたのには「ある理由」がありました。 互いが互いのことを想って接していて、両想いとも言える関係の2人なのに、一花の「余命」そして萬木の「ある理由」のためにその想いがすれ違ってしまう、そんな切ない様子が描かれる、2人それぞれにとっての"束の間の恋"の物語です。 1巻まで読了
そりゃ推しのアイドルと席が隣になれば、ドキドキよね〜入学した高校で、しかし彼女は悩み苦しむ。 「だって迷惑かけたく無い!」 熱烈なファンである一方、良識と善意のある主人公。ファンだと伝わってしまっても、距離感に戸惑ってキョドる感じは好感が持てる。いい奴だー。 しかし彼女のSNSには、何故か有名な「ガチ恋同担拒否勢」から、しつこいDMが。どこかで見られている……かなりの狂気を孕みつつ、しかしこれが意外に、あまりしんどくならない。主人公の優しさで、誰も悲しくならない展開。そして所々挟まれるアイドルの笑顔に、心洗われっぱなし。 その笑顔は、ファンだと告げつつ「同級生として」接する真摯な主人公に向けられる、信頼と友愛の笑顔。何と……何と尊いロマンシス!しかし舞台のアイドルの眩しさにも打たれる主人公……。 主人公の将来の夢とも絡む物語、先が楽しみ!
主人公の波川塔子は"ロービジョン"と呼ばれる、視覚に障害のある女性です。 彼女の場合は遺伝性の近視で、高校の頃はメガネで視力矯正できていたのですが、25歳を過ぎた頃から視野が狭くなり、現在では本人曰く「トイレットペーパーの芯を覗いたみたいな状態」になっていました。 そんな彼女と職場の同僚や付き合って5年の彼氏の尚、そして職場で偶然再会した高校の後輩・鈴本との関係を描く作品です。 いわゆる視覚障害者を描いている作品ではありますが、視覚障害といってももちろんその症状や境遇は人それぞれで、主人公の塔子の場合はサポートが必要なときはあるものの他の人と同じようにオフィスで仕事をしていて、特別な存在ではなく 職場のコミュニティの一員として描かれています。 そのため"ロービジョン"だからこその視点で描かれている内容も読者に共感しやすいものになっています。 また、塔子の彼氏である尚と高校の後輩である鈴本は、それぞれが塔子の視覚障害のことを理解して彼女に接しているのですが、その"理解"のベクトルが異なっている様子が描かれていて、それが塔子との関係性や塔子自身の思いにも影響していく様子を読んでいると色々な感情が芽生えてくる、そんな作品になっています。 2巻まで読了
「総合メディア文化研究会」という部活動がこの作品の舞台。 この部活で取り扱っているのは 様々な作品の"タイトル"。 部長の田口はとにかく作品の"タイトル"そのものが好きで、部員の石神、近西とともに"タイトル"だけで雑談を繰り広げていくという作品です。 部活と称して部員たちがひたすらダベり倒すというコメディ作品なんですが、扱っているのが"タイトル"だけであり、実際の作品の内容にはほとんど触れていきません。 その分、作中では映画やドラマに始まりマンガや小説、アニメにゲームと、幅広い分野の"タイトル"が登場します。 会話劇のどこかには 自分が知っている"タイトル"が出てきて、コメディに加えて自分が知ってる"タイトル"が出てきてないか探す楽しさもある作品です。 1巻まで読了
高校2年生の小乾睦樹さんは同級生の名波くんのことが好きだったのですが、あと一歩が踏み出せないまま もうすぐ3年生になろうとしていました。 そんなある日 名波くんに突然呼び出された小乾さんは彼から「付き合ってください」と告白を受けます。 しかしその直後。暴走したトラックが突っ込んできて、小乾さんの目の前で名波くんはそのトラックに轢かれて死んでしまいます。 ところが次の瞬間、彼女はなぜか2年生の春、新学期初日にタイムリープしていました。 その後、彼女をタイムリープさせた張本人である"死神"が登場し、「高校2年生の間に小乾さんに告白すること」が名波くんの死の運命のトリガーであることが判明します。 この作品は名波くんの死を回避するために彼から告白を受けないよう奮闘する 小乾さんの姿を描く作品です。 名波くんに告白をさせないために彼と距離を取ろうとする小乾さんですが、何も知らない友人たちが2人の仲を取り持とうと画策してきたり、小乾さんをタイムリープさせた死神がいたずら心から妨害してきたりとなかなか思い通りに動くことができません。 そんなやり取りをしているで彼女に「名波くんと距離を取りすぎると今度は逆に彼に嫌われてしまうのではないか」という思いが芽生え始めます。 名波くんを守りたい気持ちと彼に嫌われてしまうかもという不安とが小乾さんの中で大きな葛藤となり、運命をさらに狂わせていきます。 果たして小乾さんは無事に2年生を終えて名波くんを守り抜くことができるのか、今後の展開を見守っていきたい作品です。 1巻まで読了
学校をサボってばかりのヤンキー・愛羅が出会ったのは、ビックリすると獣化してしまう気弱な人狼・るう。 ヤンキーなのに悪くなりきれない愛羅も可愛いのですが、黒神オカッパで獣耳の、内気そうな人狼のるうが……カワイイ! るうは愛羅の優しさと美味しいジャーキーの為に一緒にいたい。愛羅もるうを獣化させてモフモフしたい。そんな二人のおサボり日記は、次第にるうの感情の変化を軸に、新たな関係性を築くか否かに焦点が当てられる。 お互い想い合っている様子は最初から本当に可愛らしいのですが、るうが愛羅の気持ちを確かめらないでいる様子、愛羅のヤンキーとしての矜恃など、もどかしさもある。それらを総合すると…… うん、やっぱりカワイイ! 愛羅の素行を注意する博愛女性教師と、注意される愛羅に嫉妬する不思議女子の関係も注目! (実は1巻が出たのは2020年12月で大分経ってしまったのですが、4月28日の2巻発売を応援したくてこれを書きました)
オカヤイヅミ先生が10周年に出した2冊のうちの一つ。 母が亡くなり、72歳の父との同居を決意した42歳独身男性サラリーマン。 ちょうどいい距離感にいた彼女にも呆れられ別れを告げられてぬるっと新しい生活を始めるが、久しぶりの父との生活でいろいろなことを再認識したり新しく発見したり。 フィクションの中の日々の話かと思いきや、東京オリンピックの話が出てきて、コロナが出てきて…。 「いま」これを描くことに意味がある作品だったように思います。 いまのこの年代の人たちがどう感じてどう生きているのかを地に足つけて描いていて面白かったです。 変化していく毎日をあるがままに受け入れるゆるやかな希望のようなものを感じてじんわりと心に染み込みました。
爽やかな表紙と物騒なタイトルが目にとまり読みましたがこれはかなり生々しい漫画だ…。「神絵師の腕全部折っていこうぜ!!」的なネタに惹かれて気軽に手に取るとやられてしまうかも。 SNSで人気絵師になるために必要なのは「バズり」。バズるために必要なのは「フォロワー数」。フォロワー数を増やすのに必要なのは有力な「人脈」。そう、SNSの世界では良くも悪くも絵そのものよりもコミュニケーションの価値が重視される瞬間が少なからずあるのです。 みなさんもTwitterなんかで素敵なイラストを描かれる方をフォローされてることだと思います。本作を読めば絵師が人気になる仕組みのみならず、彼らが身を置いている空間の感触が高い精度で追体験できる…気がします。 創作意欲と承認欲求に人間関係が合わさることで天国にも地獄にも変わるのがSNSお絵描き世界なのだ…。 バズをキッカケに破綻したフォロワーリス丸さんとの関係、小春先輩の思惑と正体、そして佐竹くんの創作の行く末がどうなっていくのか、今からめちゃくちゃ楽しみで同じくらい怖い!!!どんな答えを出してくるんだ…。 絵描いてる人が読んだ感想がマジで知りたいですね。
一見冴えないキャラが実は超強い。 それが、おじさんとかジジイキャラだとそのギャップに激しく燃える(萌える?)ので、一番好きなジャンルかもです。 本作もその感じで、久しぶりに良い最強おっさんキャラでした。 伝説の殺し屋が、結婚を機に稼業から足を洗い、町の商店で人並みの生活を送る。 ・・・わけもなく、元組織の人間やら何やらに襲われ、伝説の殺し屋然とした立ち居振る舞いで、それらをいなしていく話。 寡黙に淡々と無双する様は、くぅ~としびれます。 だけど、家の中では奥さんに頭が上がらない。 これも、また良いですよね。 また、画力が高いので、とにかくアクションシーンが格好いいです。 懸賞金がかけられ殺し屋から狙われるようになってしまった坂本さん。 家族と商店を守れるのか!? 今後が楽しみです。
うーわ…すごい良かった良すぎた… 表紙には主人公の殊子しかいないのでぱっと見はなんの漫画か分かりずらいと思うんですけど、最高にキュンな恋愛漫画ですからねこれ… 殊子が恋する“おじさん”こと高山さんは、じつは記憶喪失の真っ只中。体はでかいけどとにかく優しくて何事にも動じない、よく分からないけどめちゃ強そうなことだけは確か。 ふたり以外のキャラもいい味出してます。 高山さんがお世話になってる喫茶店の店主の女性。とにかく謎な人だけど殊子の味方。 殊子の会社の上司・礎は殊子が怒らないのをいいことに毎日ちょっかい(というかいじめ?)の標的に。なんだけどどこか憎みきれない。 主人公が人の感情を読み取りすぎてしまうために、いつもぐるぐる考えすぎているのに対し、高山さんの“the・凪”な佇まいの対比が面白い。 最後、高山さんは記憶を取り戻すことができるのか。そしてふたりの関係は…??? 今いちばん多くの人に読んでキュンしてほしい漫画です!!(キュンの使い方合ってるかな…) #1巻応援
2019年4月、離婚を機に一戸建てを手放すことになった著者の井上いちろうさん。 家の買い手がなかなか決まらない中、免許を返納した父親からワゴン車を譲り受け、家を売った後は車内で寝泊まりするようになります。 この作品は車中泊をして各地を転々としながらマンガを描き続けている著者の コミックエッセイです。 著者が実際に家を手放し車中泊を始めたのが2019年の終盤なので、実は昨今の情勢とは直接関係なく車中泊を始めていたりします。 ただ、現在も車中泊生活を続けている著者の生活には、普通に生活しているだけでは得られない驚きや気付きがあります。 車を拠り所にし、何処へでも行ける"自由さ"や、体験しないと分からない"不自由さ"、自分が体験したことのないことを疑似体験して知ることができるという、マンガならではの楽しみに溢れていて、なおかつ、もしかしたら今後の自分たちにも役に立つ何かがあるかもしれない、そんな作品です。
大学に馴染めず中退してから就職もせず、バイトも転々としていて、実家からの6万の仕送りでなんとか食いつないでいる28歳の成田基生(もとき)。 彼の唯一の心の拠り所は、高校生の頃に付き合っていた彼女・百合沢愛理でした。 高校を卒業してから音信不通になってしまった彼女、それでも基生は携帯から毎日 愛理にメールを送っていました。 そんなある日、彼の携帯に愛理から10年振りに返信が届きます。 そのメールを見て逆に10年という年月と今の自分の現実を思い知らされた基生は、携帯を捨てて愛理のことを忘れるために 彼女と最後に行った思い出の海岸へ向かいます。 しかしそこで彼は10年前と同じ姿をした愛理と再会する、という導入の作品です。 この作品の1番の特徴は全編が"フルカラーのドット絵"で描かれていることにあります。 この作画に加えて、高校の頃の彼女が当時の姿のまま現れるというストーリー、そして各所に見られる演出などが組み合わさリ、かつてのノベルゲームのようなミステリアスな雰囲気を醸し出している作品です。 愛理は10年前と同じ姿であるというだけではなく、当時と同じように基生のことを想っている様子が伺えて、その様子が一層この物語の謎めいた雰囲気を引き立てています。 現状はまだ提示されている情報が少ないため、今後どのように展開していくのかが楽しみな作品です。 1巻まで読了
思ったより深そうなお話。 画家志望のあかりが自殺未遂しようとしてた臣と出会うことによって、人生が思いがけない方向に進んでいく。 あかりも最初は臣が自分として絵を描くことに戸惑っていたけど、自分が認められていくとモヤモヤの感情吹っ切って、自分が描いたことにして前に進んでいこうと決めた最中、臣が描いているんじゃないかと気づいた人が出てきて。。 1巻読了後に感じた事は人間っていつまでも欲深い生き物だなと。 今後の展開に期待。 #1巻応援
憧れの街は私の中にありながら、私の想像を遥かに超えて存在している。その場所は私の中では朧げだが、出会ってしまえば豊かな質感を味わえる。 空想の儚さをリアルにするのは、いつだって私の一歩……そんな一歩の先を描いた物語です。 ★★★★★ とある夏に、雨の多い街に越して来た少女。鉛筆っぽいタッチで軽く描かれる街。そこは主人公にとって空想の場所であり、新しく触れる冒険=旅の場所。 下宿に身を寄せた前向きな主人公・友人になった内向少女・そっくりな二人の少年等、背景が少しずつ描かれます。激しいドラマは無く、その代わりに緩やかで優しい感情と、不思議だけれども豊かな質感があります。 細やかな感性に触れたいと思う方、穏やかな時間が欲しい方は是非こちらを。ゆっくりと一話ずつ味わっていただければと思います。
舞台は紀元前、前漢王朝の中国。 皇帝である劉欣は権力の弱まった漢帝国を立て直すため腐心していましたが、 祖母の恭皇太后を筆頭に反発が強く、なかなか政治の腐敗を取り除くことができずにいました。 そんな彼はある日、宮中で働く董賢という男性と出会い、友人として心を通わせるようになります。 この作品は劉欣と後に彼に仕えることになる董賢、つまり"キン(劉欣)"と"ケン(董賢)"の2人を描く作品です 哀帝と呼ばれた劉欣と彼を支えた董賢という、実在した2人の史実に基づいた作品ですが、特徴的な可愛らしい絵柄と 横文字や現代の言葉遣いを多用した台詞回しにより、堅苦しさのない、非常に読みやすい作品になっています また、劉欣は政治の腐敗をなんとか変えようとしている正義感の強い人物として、董賢はそんな彼に忠誠を誓った仁義に厚い人物として描かれており、2人のバディものとしても読み応えのある作品になっています。 1巻まで読了
大学生の佑は幼馴染の真依香のことが昔から好きでしたが、彼女は大学進学を機に地元を離れていたため昔ほど頻繁に会わなくなっていました。 この作品はそんな2人の関係を描きつつ、2人それぞれの交友関係にもスポットライトを当て、群像劇のような形で進んでいく物語です。 真依香が地元を離れたと言っても彼女が住んでいるのは佑の家から車で行ける距離の場所。 この絶妙な距離感を前に、佑は真依香とより親密になる方法をはないかと思い悩み、一方の真依香のほうも佑のことは意識しつつも自意識が邪魔をして素直になれずにいる、そんなもどかしい様子が描かれています。 また、佑が「過去に行けるなら真依香にツンケンした態度を取っていた自分を窘めたい」と後悔したり、真依香が1人電車に乗っているときに風景を見て何気ない妄想をしたりといった、登場人物の"空想"があたかも現実の世界にも広がっているような形で描かれていて、何気ない日常を描いているのにどこかファンタジーのような雰囲気もある、不思議な空気感の作品です。 1巻まで読了
主人公の中学生・将太の周りでは10日ほど前からいくつかの異変が起こり始めました。 見知らぬ少女が出てくる同じ夢を見ること、他の人には見えない謎の黒い生物が見え始めたこと、そして隣の家にアナというルーマニアからの留学生が引っ越してきたこと。 親しく接してくれる彼女になぜか得体の知れない恐怖感を覚えていた将太でしたが、夢の中に出てきた少女が彼の目の前に現れたことで、アナの正体が"魔女"であることが明らかになる、という導入の作品です。 繰り返し見続ける夢に自分にしか見えない謎の生物、そして隣に越してきた海外からの不思議な留学生に"魔女"というキーワードと、オカルトファンタジーとして胸躍る要素が詰まった作品です。 そして そんな状況下に巻き込まれただけだと思われていた将太にもどうやら秘密の要素が隠されていることが明らかになり、ストーリーの魅力も自然に高まっていきます。 1巻の後半では今後の敵となりそうな存在も仄めかされ、今後の展開にさらに注目していきたい作品です 集英社系列のホーム社という出版社が運営する『 WEB漫画サイト「Z」』というサイトで連載されている作品。 私もこのサイト自体を初めて知ったのですが、オカルトファンタジーが好きな方には是非薦めたい作品です。 1巻まで読了
舞台は小さな島にある町。絵描きとして生計を立てる源太郎は9年前に全聾である妻のなお美を不慮の事故で亡くし、後悔の念に苛まれながら日々を送っていました。 そんなある日、なお美の妹・ゆう子が病気で亡くなったとの知らせが入ります。 全聾のなお美の事故で源太郎のことを責めていたゆう子だったのですが、1人娘の翔子を何故か源太郎に預けるという遺言を残していました。 ゆう子に子供がいたことも聞かされてなかった源太郎でしたが、翔子もなお美と同じ全聾であることを知らされます。 この作品は、妻の事故死という過去に縛られ続けている源太郎と、 母親を亡くした翔子が共に暮らす様子を描いた作品です。 妻の死という過去を未だに乗り越えられずにいる源太郎とまだ幼いうちに母親を亡くしてしまった全聾の少女・翔子。 それぞれ内面に異なるベクトルの障壁を抱える2人が共に暮らすことにより、徐々にその障壁を乗り越えていく様子が描かれていきます。 舞台となる島の風景は美しいですが やや閉鎖的に見える部分も感じられ、それがなお美、そして翔子が全聾であるという要素とも関わってきて、マンガの絵としてもストーリーとしても緻密に組み立てられている作品です。 1巻まで読了
チョーカーをつけたアッシュヘアの若くて可愛いスナックのママがお客さんに家庭的な料理を振る舞う優しいお話。可愛いくて優しいママと庶民的な料理の組み合わせは「ネオ深夜食堂」って感じでソッコーでどハマりしてしまいました。 もうママに……ママに癒されたい……!これがバブみという感情なんだなと本能で理解しました。ママ〜〜!! なつみママはとにかくどこまで自然体に優しくてママキャラにありがちな不自然に性的に誇張された母性みたいなのと無縁かつ天然で「これを求めてたんだよ!!」って感じの女性で最高…! 近所にこんなスナックほしすぎておかしくなりそう……ママ……😭
マンバでフォローしたことすら忘れるくらい前にビッグコミック増刊で読んで気に入った作品。ついに単行本が出たので読んでみましたがやっぱりメチャクチャ面白かったです! 「格言+4コマ漫画」というスタイルで構成されていて、とある会社に勤める人々が主人公。話が進むごとに仕事ぶりや私生活から人柄や交友関係が見えて来るのが面白い! みんなダメでみんないい…! 来世ではちゃんとしますとかこれとか、こういうタイプの「会社群像劇(?)」大好きです。 続編も楽しみにしています! #1巻応援
読んでいるといい香りがしてきそうな漫画です。洋裁の仕事をしている女性のもとに、朝顔の花を持って「服を作って欲しい」と妖精の女の子が訪ねてきて…というお話。ハルタとか読む人に親和性が高そう。 綺麗なものや美しいものに囲まれたキラキラした華やかさと、仕事に生きる職人の生き様というふたつの要素がどちらも惜しみなく描かれているなと感じました。プロフェッショナルってこういうことだ…!と読む手に力が入る場面が多々あります。やっぱり仕事に生きている人って男女関係なくかっこいい。 妖精のヒメちゃんが、自分も他の妖精たちに服を作ってあげたいと思っていることに気づき、この気持ちに名前はあるのか景子さんに聞く場面がすごく好きです。2021年この漫画は大ヒットすべき、いやする!と大声で叫びたい気持ちです。
時代ですね。自分もフルリモートになってはや1年。 もう、この内容通りの生活で、読んでいて自分のことかと唸りました。 やりとりがオンラインなので相手の顔色がわからないからちょっとした間で不安になるとか、業務以外のどうでもよい雑談がしたいとか…。 わかりすぎるっ! 悪い面もありますが、通勤がないこと(特にラッシュに巻き込まれなくて良い)が全てをチャラにしてくれてます。 マジ、日本の通勤ラッシュは地獄ですから、これがないだけでも大分ラクです。 ただ、リモートだからって仕事が減るわけではなく、むしろ通勤がない分増えている印象があり、生産性も求められ、また家とオフィスの境目がないから24時間仕事している感じが、精神的に病みますね。 みーんな、妖怪のせいでも、香水のせいでもなく、コロナのせいです。 はやく、元の世界に戻って欲しいと願うばかりです。