単行本でも柱にごちゃごちゃ書いてある四コマ漫画は大抵ヤベェ奴、っていう法則は今考えましたがそんな感じの作品です。 新入生がピクニック同好会を立ち上げるのですが、日々活動に勤しむ(あまり、授業にほとんど出てない)とか、部にする為に実績を積む(筈がとんでもない事やってる)とか活動資金ゲットの為に奮闘(して生徒会を翻弄)する等、内容は多彩(だが総じて酷い)。 登場人物も可愛い顔をしてかなり下衆な奴ら。振り回される生徒会の可哀想さは漫画史上一番かも。 そして、その下衆さが最高に面白い。 カワイイばっかりじゃやってられない。細かな時事・流行ネタも挟みつつ、フワフワの仮面を被った残酷な奴らの余りの放逸ぶりを笑う、そんな作品です。 (ふわっとしたタイトルの意味の無さ…)
超ハイレベルな獣耳百合の新星キター! お城で執事として働く狼の民のアキと、彼女に惚れた羊の民の姫・モモのお話。 まずは何といっても、細密な線で描かれたモモの愛らしさ!つぶらな瞳でアキに猛アタック!しかしアキはカッコいいのに、ドギマギして対応はポンコツ……少女漫画的トキメキ度MAX! 身分違いのハラハラ感もあり、更には今まで人に心を開かなかったモモの過去、その反動の様なアキへの、余りにあけすけで、信頼し切った愛情表現が……もう強い。 アキの同僚三人娘の力関係など、見どころは多いし、絵はどこを切り取っても美麗。そして姫様カワイイ。カワイイよ……優勝!
古代の和風異世界……『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』の様な世界観、好きです。 仕事に疲れた女性が出会うのは、そんな不思議でいてどこか懐かしい様な、異世界の姫。異世界に足を踏み入れた彼女は、明るい姫と優しい世界に癒されていく。 異世界で癒されたからといって、現実世界が楽になるわけでは無い。でも異世界で「新しい世界に踏み込む」事を覚えた女性が、これからどう変わって行くのか。 出会いと、大きな変化。 現実世界と微妙に似ていて、でも全然違う異世界の風物を面白がりつつ、腐っていた人の胸躍る成長を期待したい、そんな作品です。
百合鑑賞者としては、あらゆる女子の関係性に尊みを見出して悶えるのが常ではありますが……鑑賞者が女子の場合、百合解釈の拡張は、自らの交友に「百合」を見出す事に繋がるのですね…… 百合好きの女子高生が、推しの小説作家と不意に出会ってしまう物語。止められない百合妄想を、実は同級生の作家に受け止められる事で仲を深めていくものの、それは自らが「百合当事者」になる事。 それにしてもクールな作家、次々と百合フラグを立てすぎ! その関係、ファン?友達?それとも……縮まる様でなかなか縮まらない、話し合っているのに一歩先に踏み込めない二人。そこに二人の女性を加えた奇妙な三角……四角?関係の、続きも気になる!
学校でいじめられている高校生・安良城貴は、片思いをしている学校の先生・黒田への気持ちを心の支えにして日々の学校生活を耐え忍んでいました しかしある日 その黒田先生が職員室での雑談中に"同性愛への偏見"の言葉を口にしているのを偶然聞いてしまいます。 その言葉に深く傷ついた安良城は「ゲイじゃない何かになりたい」と強く願ううちに、気が付くと顔面が怪獣になってしまう、という導入の物語です。 同性愛がテーマになっている作品ではあるのですが、物語の本質は人間が誰しも持ち合わせている様々な"感情"にあると私は思っています。 安良城の顔が怪獣になってしまった要因や怪獣になった跡の安良城の感情の変化、そして彼に接する黒田先生の様子…後を引く物語の幕引きも含めて、全てが取り繕いのない"生の感情"に溢れていて、 "ゲイ"とタイトルに入ってはいますが セクシャルマイノリティとは関係なく 全ての人の心に刺さる内容だと思います。 それでいて、作品の持つ強いメッセージがストーリーにちゃんと溶け込んでいて、 ファンタジー性も合わさってとても読みやすい作品になっています。
普段から厄介仕事ばかり押し付けられている警視庁のお荷物部署・刑事部特別第六課を舞台に、怪力が特徴で正義感の強い刑事の白原スミレと彼女がある事件で出会った14歳のマジシャン・四椿ルイのコンビが数々の殺人事件を解決していく様子を描く作品。 熱血な刑事のルミレと生意気なルイという2人のバディもので、ルミレを含めた第六課の面々のキャラクターもあって事件が起こるまでの展開はポップなコメディ調で物語が進んでいきます。 しかし実はルイには「死者の五感を追体験できる」という特殊能力があり、事件の被害者の五感を追体験する様子やその後の捜査の過程など、作品の雰囲気が一気に張り詰める瞬間が現れます。 コメディシーンはテンポよく、シリアスなシーンになると一気に重厚な雰囲気を醸し出す、『ケイゾク』や『トリック』などの往年の堤幸彦ドラマのような空気感のミステリー作品です 1巻応援
初等部から高等部まで一貫の男子校である私立天賦令(てんぷれ)学園。 そこに転校してきた平本マモルは転校初日にかつての同級生・山牡丹雪白と再会します。 久しぶりの再開を喜ぶマモルでしたが、そんな彼に雪白は忠告をします。 「このままじゃキミ エロ同人案件まっしぐらだよ」と 実はこの天賦令学園は同性と恋するのが当たり前の学校で、ド平凡なマモルは雪白曰く「正統派主人公受け」としてピッタリだとのこと。 この作品はそんな環境でマモルが雪白に助けられながら、「エロ同人案件」をなんとか回避していくという作品です。 BLがテーマとなっている作品ではあるのですが、どちらかというと主人公のマモルにBLでよくある"テンプレ展開"が何度も訪れてそれをなんとかくぐり抜けていくというコメディ要素の強い作品です。 設定的には『絶対BLになる世界 VS 絶対BLになりたくない男』にも近いのですが、この作品はあくまでBLマンガの中の世界ではなく現実の世界であり、しかも初手から「エロ同人案件」なんて言葉がでてくるくらいなので巻き起こる"テンプレ展開"はけっこうハード。そのため、コメディベースながらもハラハラする場面がたくさんあります。 さらに、冒頭からマモルを助けてくれていた雪白なんですが、どうやらマモルに秘密にしていることがある様子で、それを含めて今後の展開が楽しみな作品です。 1巻まで読了
OLとして働く千晴と母親の再婚相手の子どもである7歳のルイが2人で暮らす様子を描く作品。 自分の考えをしっかり持った"カッコいい"振る舞いを見せるルイと、ルイのことを溺愛している千晴との2人暮らしには細やかですが多幸感に満ちた時間が流れています。 そして、それは2人の時間だけではなく、ルイが通う小学校にも伝播していきます。 周りの子どもたちよりもちょっとだけ大人びていて、彼女の"カッコいい"振る舞いが気付けばみんなを惹きつけている、そんなルイのキャラクターがとても魅力的な作品です。 1巻まで読了
本作の主人公は極度の潔癖症で5年に渡り引きこもりを続けている黒田公正。 部屋から外に出られないために自分の存在を肯定することができず、そのせいで余計に外に出づらくなっているという悪循環に陥っているような状態で、彼の本棚には「強迫性障害」についての本が並んでいます。 ある日、そんな彼の家にカウンセラーがやってくるのですが、そのカウンセラー・足立は車椅子の少女だったことに黒田は驚きます。 この作品はそんな足立とのカウンセリングの中でゲームを薦められたことをきっかけに黒田が"eスポーツの世界"へと足を踏み入れていく物語です 最近にわかに増え始めている"eスポーツ"をテーマにした作品なのですが、第三者から見える世界と極度の潔癖症である黒田に見えている世界、そして"ゲームの中の世界"が全く異なる描かれ方をしていて、マンガの表現として異質な雰囲気を帯びている作品です。 さらに 、強迫性障害の描写や足立の"普通とは違う"ゲームのプレイの様子など インパクトのある描写が多く見られるのですが、それ以上に、自身の現状をなんとか変えようとする黒田がeスポーツにのめり込んでいく、その過程に強烈な熱量を秘めています。 障害というものを扱っている作品ではあるのですが、それを感じさせないほど 物語にのめり込ませてしまうエネルギーを持っている作品です。 1巻まで読了
東裏友希さんって週刊漫画ゴラクで「しいちゃん、あのね」を連載してた方ですよね。あれは現代版クレヨンしんちゃんって感じですごく好きでした。もっと続いて欲しかったので完結した時はすごくショックでしたが、次はどんな作品を描かれるのかとても楽しみにしていたのです。それがまさかのファンタジーだとは!全く違うジャンルじゃないですか…。実を言うと自分はファンタジーものに疎いのです。なので楽しめるか分からないけど応援の意味を込めて1巻を購入してみました。 冒険者としての実力がほぼゼロな主人公・アリアリス。仲間から置いてけぼりにあったので地上に戻るまで魔物の子守をして生計を立てることになります。魔物のベビーシッター、それが「魔もりびと」です!ヘタすりゃ殺されるくらい元気すぎる魔物の子供達に始めは振り回されっぱなしのアリアリスでしたが、徐々に仕事に対するやりがいを見つけ出していきます。自分も最初はモンスターあるあるネタが分からず困惑していたのですが、読み進めるほどに魔物とアリアリスの成長が楽しくなってきました!これは2巻も読んじゃいますね。 #1巻応援
容姿端麗で成績優秀、スポーツも万能で学級委員長として信頼も厚い、そんな誰もが羨む完璧な少女・奈見さん。 でも実は彼女には周りには内緒で付き合っている同級生の彼氏がいて、そしてその彼氏・久瀬くんの前でだけはポンコツなドジっ子になってしまうという性質がありました。 この作品はそんな2人の様子を描くラブコメ作品です。 クラスメイトの前ではポンコツな様子は全然見せないのに、久瀬くんの前…というより 久瀬くんのことを考えるだけでいつも通りにできなくなり、一気にドジっ子になってしまう奈見さん。 そんな感じで久瀬くんのことをメチャクチャ意識している奈見さんに対し、久瀬くんのほうは普段からクールで感情が表情にあまり出ないのですが、2人でいるときも節々に奈見さんのことを想っている様子が伺えます。 そんな2人それぞれのギャップも楽しい、甘々なラブコメ作品です。 1巻まで読了
密かに超楽しみにしていたマンガの単行本が遂に出ました。 そう、異世界サメです。 世界を救う召喚士として訓練中の落ちこぼれ生徒シロミ・ラブカトラフ(なんて名前だ)がひょんなことから召喚してしまったのはなんとサメ!!そのサメがひょんなことから同級生の召喚士を全員食い殺してしまったために追われる身に…。 出てくるキャラクターがシロミちゃん以外基本クズしか居ないのもサメに優しい世界って感じでいいですね。どれだけ人が死んでも心が傷まない親切仕様で、むしろシロミちゃんには懐いているサメが一番かわいく見えてきます。ちなみにイチャついているカップルを優先的に食っていく生態のようです。 劇中では風魔法を活用したシャークネードの再現もあるのですが異世界ならではのエンチャント的な概念をサメ映画ネタと合わせてくるとは…と普通に舌を巻いてしまいました。本家を超える説得力を出してこられるとビビりますね。 サメちゃんのヴァリエーションに富んだ暴れ方を次巻でも期待します!
おもちゃ会社の事務員として働く市川詠子はある日、仕事上の凡ミスを上司に叱責され 給湯室で落ち込んでいました。 そこに声を掛けてきたのが先輩の坂東。彼は市川を食事に連れ出し彼女のことを励ましてくれたのですが、そのときの彼の褒め言葉がどうにもピンとこないものばかりで、それを受ける市川も嬉しいけれどどこか腑に落ちない感じがしています。 この作品はそんな2人のやり取りを描くコメディ作品です "先輩の褒め方のクセがすごい"というシンプルな設定の作品なんですが、"褒める"という行為が起点になってコメディが展開するので、笑いの中に悪意や毒気が少なく、読むと純粋に癒やされる作品です。 また、2人以外にも何人か職場の同僚が登場するのですが、基本的にみんないい人だけどコメディとしてちゃんとキャラが立っていて、優しい世界観が続いていくのにコメディとしてしっかり面白い、誰にでも薦められる作品です。 1巻まで読了
双子百合が強いのは、二人の絆だけで全てが完結する瞬間。男は勿論、友達すら入る余地ないでしょ?究極の閉じた関係性が成立する時の強い斥力と、目を惹く眩しさ。 本作の双子JKは、お互いに恋してしまっている。けれども相手はそんな気ないだろうし……と二人して片想いに悶々とする、恋の行き違い状態。 そっくりな双子。少しだけ積極的な妹が仕掛け、姉がドギマギし、それを見て妹がドキドキする……という最小単位を1巻通して繰り返す。他の登場人物も友人が一人、軽く出てくるだけ。とにかくソリッドに二人の遣り取りだけ描いて、一話の破壊力が余りにも大きい。 ソリッドさが音の魅力を際立たせる、ミニマルミュージックの様な一冊。難しく考えないで、まずは一話。触れたらずっと、ドキドキを繰り返したくなる。
一瞬、あれ私は何を見ているんだっけ?……と混乱する。 中学3年生の女子が、母親にしがみ付いている。母親に恋を告げ、関係を迫り、結婚願望をぶつける彼女。しかし最後に甘えしがみ付く姿に、脳がバグる……完全に母を信頼し切った幼児の甘え方。それは恋人からは遠い。可愛いけどあれ……? 彼女は娘としての距離感を上手く利用して、スキンシップし、母親に意識させていく。近親相姦という高い壁を「近親者」の立場を利用して乗り越えようとする矛盾と軽やかさに眩暈がする。 マザコンであり恋する乙女でもある中学生(ちょっとアホ)の様々な表現が見ていて飽きないし、それに振り回されて何なら陥落しそうになる母親の慌てぶりも愛らしい。更に母方の祖母の存在も関係性に説得力を増し、もうこれは運命だな!と納得。 禁忌をかる〜く乗り越えた先にある甘い衝撃に、クラクラするのを楽しみたい!
"どんな人でも"受け入れる、多種多様な性自認や性的指向・嗜好の人々が集まるハプニングバー「BAR California」を舞台にしたオムニバス作品。 個々の登場人物それぞれが自分の人生に大切なことを見つけていく過程がドラマチックに描かれ、なおかつそれぞれの話が密接に関わる連作短編のような構造になっていて、全てが一連の物語のように読める作品です。 それでいて、"セクシャルマイノリティ"についての描写がとても丁寧な印象を受けました。セクシャルマイノリティはいわゆる"LGBT"だけではないし、「トランスジェンダーでレズビアン」のように複数の要素を併せ持った人もいるし、性自認・性的指向・性的嗜好などはそれぞれ異なる概念で…というベースとなる知識を押さえつつ、"セクシャルマイノリティ"という枠組みとしてではなく、"セクシャルマイノリティの特徴を持った一個人"として描いていて、まさに"多様性"、そして多様性が存在する中での"生き方"を描いた、教科書のような作品だと思います。 1巻まで読了
※ネタバレを含むクチコミです。
読みながらそう思っていたらあらすじにもそんなようなことが書いてありました。 作者の実体験をもとに描かれている短編集ですが、コミックエッセイとはまた違う読み心地です。まさに思い出を振り返って懐かしむことができるアルバムのようです。ある意味、自分の写真じゃなくてもこういう体験ができるんだという発見でもありました。 作者自身もしくは作者の親が、過去作を読み返すことで当時を思い出して懐かしむように、作者の子どもたちもいつかは同じような体験ができるのかなと思うと、宝物のような存在の1冊になっているのではないでしょうか。 その話が描かれた時期によって絵柄や画法も変えているところがまた時間の流れを感じます。 去年コミックビームに掲載された「夏休み」という読切でファンになり、「急がなくてもよいことを」をツイッターで見かけてこれはすごいなと感心した記憶があります。それ以外でいうと一番最初に載ってる「映画の思い出」という作品はかなり胸がギュッとなりました。パンを食べるところの表情がなんとも言えない… これからもこういうスタイルで作品を描き続けるのか、もしくは変えてくるのかわかりませんが、今後もどんな作品を生み出してくれるのかいちばん楽しみにしている作家さんです。
読んだ感想は なん、このアレはぁぁああ!(言語障害) と、えもいわれぬ感想になった。 思わず見直した、タイトル こういうのがいい こういうのがいいに決まっているだろ!と全俺がツッコミをしました。 内容は、セフレでも恋人でもない奇妙な関係を描いた作品。 趣味も価値観もあうが、それでいて相手におしつけあわないし、物理的、精神的束縛もしない。 基本的には、相手を尊重しつつ、時々、一緒になる。 好きなことを好きな時に、好きなだけできる関係。 なんとも現代社会に必要なストレスフリーな関係。 結局人間関係が、一番ストレスをうむと考えている自分にとっては、羨ましくて発狂寸前でした。 こんな関係、実在するのでしょうか? 少女漫画の恋愛くらいフィクションなようですが、妙にリアルな感じが不安にさせます。 なんの不安かはわかりませんが、うらやまけしからんです。 まだ1巻なので、上記の関係が緩やか~にはじまった感じですが、 なんとなく、どっちかが恋愛感情もちはじめるような流れなので、少しこの関係がこじれてくるのかな? ヒロイン側がメンヘラ化したら、メシウマ…いや、そうならないことを祈ります。(ニヤニヤ)
就職活動に苦戦していた大学4年生の塩山あかりは卒業まであと2ヶ月というところで初めて内定をもらえたのは「葬儀社」でした。 この作品は、これまで一度もお葬式に参列したことのなかったあかりが応募したことすら忘れていた葬儀社で働来始める様子をフルカラーで描く作品です タイトルや表紙からはコメディチックな印象を受けるのですが、実際にはお葬式の様子や登場する家族を真摯に描いていて、ストーリーとしてはシリアスな側面も強くなっています。 それをフルカラーの作画、そして主人公・あかりの持ち前の負けん気の強さにより、作品全体が暗くなりすぎず、読みやすく仕上げている作品です もちろんこの作品で描かれているのはフィクションではあるのですが、家族や友人の死というのは誰にでもやってくる出来事であり、もしかしたら全ての人に身近になり得る作品と言えるのではないでしょうか。 そういう意味では、今までお葬式に参列したことのない、主人公のあかりのような人にこそ読んでみてほしい作品です。
高校生でデビューし大人気作家となった早乙女は、自身初の恋愛小説の執筆に取り掛かるものの、恋愛シーンを書くことができないためにスランプに陥り、1年間もの間新作を出すことが出来ませんでした。 そんな折、担当編集が変わるということで現担当に呼び出されたのですが、そこで新しい担当編集として紹介されたのが高校の同級生・笹反(ささそり)だった、という導入から始まる物語です。 2人は高校の頃から知り合いだっただけでなく、2人だけしか知らないある"因縁"を抱えていました。 その因縁の鍵となっているのが、早乙女が高校時代に書いた小説。 その小説は「誰かの娯楽のために書かない」というのを信条としている早乙女が唯一「笹反のために」書いた小説でした。 笹反はその小説の中ではちゃんと恋愛が書けていたと言い、スランプを脱するためにこの小説を通して過去と向き合うよう諭します。 その"過去"というのがどういうものなのか、そしてそれが現在の2人の関係にどういう影響を与えているのか、"過去"と"現在"の2人の思いがリンクして描かれていく作品です。 1巻まで読了
旅行で香港の九龍城を訪れた日本人の鳥居筒見は、食事中にカバンを盗まれてしまい途方に暮れている所に謎の人物・紗樂(シャラク)に声を掛けられます。 この出会いをきっかけに、鳥居が紗樂とともに九龍城で起こる"異形の存在"にまつわる事件に巻き込まれていくという物語です 紗樂は異形と対峙するときに怪しげな術を使う上に"クスリ"を使っていないと精神状態を保てないという、かなりアブナイ人物として描かれています。 当然鳥居はそんな紗樂を訝しんでいたのですが、鳥居が九龍城を訪れたのには"ある理由"があり、それを紗樂に見透かされたことをきっかけに彼に興味を持ち行動を共にするようになります。 このように凸凹だけど絶妙な距離感の2人が不思議な事件を解決していくバディものとしての面白さがあり、さらに個性の強い登場人物や九龍城の混沌とした世界観が入り乱れ、アクの強い作品になっています 1巻まで読了
育児系のマンガって、ツライとかシンドイとか、旦那が非協力的とか暗いものが多く(リアルといえばリアルなのですが)読んでて共感もありますが、 滅入るんですよね。 そんな育児マンガジャンルに超新星があらわれました。 じいさんが孫を育児。じじいが育児でじじいくじです。 「じ」がいっぱい! 最強の刑事だった主人公が、娘の子供(つまり孫)の育児、出産後の娘のケアなど全面サポートする話。 基本的にギャグがメインで、新生児に翻弄される様、また家族思いの姿に、なんとも癒やされます。 皆が皆思い合って、優しい世界が広がってます。 おじいちゃんが面倒みている、この家族構成に最初は、 「旦那さん、亡くなっちゃったのかな?」 と不安になりましたが、安心してください。単身赴任なだけでした。 また、ただのギャグに終始せず、純粋に子育てマンガとしても参考になる点があります。(おむつかぶれとか) 著者さんの経験談でしょうかね。 最後に、育児をする全ての人に 「完璧を目指さない。そんなものはないから。」 と、とある人のセリフがグサリと刺さりました。 まったくもって、おっしゃるとおりです。 育児に疲れた方、これからする方、笑って学べる本作がおすすめです。
「誰でも歓迎するハプバー」にやってくる人達を描くオムニバス作品。 セクシャルマイノリティーなキャラがやってきては、「自分」という存在に迷っているように見えます。 LGBTQに対して興味のある方は勿論ですが、肩書きが溢れる世の中や世間の目で自分を見失う人もいる。 そんな人に、「あなたらしくいてね」という様なメッセージを感じるお話でした。 ハプバーが舞台なのでちょっと刺激がありますが、エロい目線では見れない綺麗な絵柄なので見やすい。 主人公であろうハプバーの店員も、何かになろうとしてるのか。本体表紙が正直こわいと思いましたが…。 不思議な読み味で今後期待です。
単行本でも柱にごちゃごちゃ書いてある四コマ漫画は大抵ヤベェ奴、っていう法則は今考えましたがそんな感じの作品です。 新入生がピクニック同好会を立ち上げるのですが、日々活動に勤しむ(あまり、授業にほとんど出てない)とか、部にする為に実績を積む(筈がとんでもない事やってる)とか活動資金ゲットの為に奮闘(して生徒会を翻弄)する等、内容は多彩(だが総じて酷い)。 登場人物も可愛い顔をしてかなり下衆な奴ら。振り回される生徒会の可哀想さは漫画史上一番かも。 そして、その下衆さが最高に面白い。 カワイイばっかりじゃやってられない。細かな時事・流行ネタも挟みつつ、フワフワの仮面を被った残酷な奴らの余りの放逸ぶりを笑う、そんな作品です。 (ふわっとしたタイトルの意味の無さ…)