密かに超楽しみにしていたマンガの単行本が遂に出ました。
そう、異世界サメです。

世界を救う召喚士として訓練中の落ちこぼれ生徒シロミ・ラブカトラフ(なんて名前だ)がひょんなことから召喚してしまったのはなんとサメ!!そのサメがひょんなことから同級生の召喚士を全員食い殺してしまったために追われる身に…。

出てくるキャラクターがシロミちゃん以外基本クズしか居ないのもサメに優しい世界って感じでいいですね。どれだけ人が死んでも心が傷まない親切仕様で、むしろシロミちゃんには懐いているサメが一番かわいく見えてきます。ちなみにイチャついているカップルを優先的に食っていく生態のようです。

劇中では風魔法を活用したシャークネードの再現もあるのですが異世界ならではのエンチャント的な概念をサメ映画ネタと合わせてくるとは…と普通に舌を巻いてしまいました。本家を超える説得力を出してこられるとビビりますね。
サメちゃんのヴァリエーションに富んだ暴れ方を次巻でも期待します!

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2巻も最高だった…。おすすめ映画紹介もあってよかったです。
このマンガ自体は基本的にサメ映画見なくても楽しめると思いますが、今から読む人は『ロスト・バケーション』だけは見てから読んだほうがいいかもしれません。かなり重要な位置を占めているので(『ロスト・バケーション』が重大な位置を占めるマンガ、何?)

異世界スキー

異世界系というかなろう系って主人公が最強=絶対勝つっていう展開が魅力とはいえやっぱり数読んでるとパターンになるし飽きる。

ただこのマンガの場合は最強の理由がサメだから「主人公が展開をコントロール出来ない」っていうポイントが予測不能性を生み出していて、他の作品とは結構読み味が違う。サメが暴れることで俺TUEE現象に乱数を持ち込むことに成功している。

しょうもないマンガに一見思えるが「俺TUEEモノにサメを放り込む」というアプローチ、なにげにジャンルにおける発明と言っていい…のかもしれない。

エロイーズ 本当のワタシを探して

物語の始まりのシーンが好き

エロイーズ 本当のワタシを探して
ANAGUMA
ANAGUMA

本作、ベンチに座っていたエロイーズがふと記憶喪失になっていたことに気付くシーンから始まるのですが、その自然さがなんだか巧みで、ピンク色のカラートーンとともに強く印象に残っています。 メインとなるストーリーラインはサブタイトルにもある「本当のワタシ」探し。 少ない手がかりを元に記憶を失う前の自分がどんな人間だったのかを調べていく…と書くと壮大なミステリーやサスペンスのようでもありますが、そうそう大変なことが起こるわけでもないのが人生というものかもしれません。 どこにでも居る女性だった(と思われる)エロイーズ・パンソンの身の回りも、世の人のご多分に漏れずありふれた出来事ばかりだったようで、一生懸命過去の自分の身辺調査を行うほどに些細でちっぽけなことばかりが判明していきます。そのようすは親近感やおかしみと同時に、どこか空虚さというか、切なさも感じさせたり…。 「記憶を失う前の自分ってどんな人間だった?」というのを入り口に「そもそも根本的に自分ってどんな人間なんだろう?」という二重の意味で「本当のワタシ」を探すことになるのが妙味です。 そんな深いテーマもありつつ、バンドデシネとしてはかなり読みやすい部類に入ると思います。エロイーズのちょっとした仕草がどれもかわいかったり、普段縁遠いフランスでの「フツーの」暮らしが垣間見えるだけでも面白いので、読む機会があれば気軽に手に取ってみてほしい一作です。

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