ザシス 森田まさのり
今回のザシス│考察・あらすじ・感想などなんでも掲示板(ネタバレOK)
学校でいじめられている高校生・安良城貴は、片思いをしている学校の先生・黒田への気持ちを心の支えにして日々の学校生活を耐え忍んでいました
しかしある日 その黒田先生が職員室での雑談中に"同性愛への偏見"の言葉を口にしているのを偶然聞いてしまいます。
その言葉に深く傷ついた安良城は「ゲイじゃない何かになりたい」と強く願ううちに、気が付くと顔面が怪獣になってしまう、という導入の物語です。
同性愛がテーマになっている作品ではあるのですが、物語の本質は人間が誰しも持ち合わせている様々な"感情"にあると私は思っています。
安良城の顔が怪獣になってしまった要因や怪獣になった跡の安良城の感情の変化、そして彼に接する黒田先生の様子…後を引く物語の幕引きも含めて、全てが取り繕いのない"生の感情"に溢れていて、
"ゲイ"とタイトルに入ってはいますが セクシャルマイノリティとは関係なく
全ての人の心に刺さる内容だと思います。
それでいて、作品の持つ強いメッセージがストーリーにちゃんと溶け込んでいて、
ファンタジー性も合わさってとても読みやすい作品になっています。