ハルタがやってる新人賞「八咫烏杯」受賞作。 最新号に載っている3作の中で、ダントツに短い作品だったんですけど個人的にはいちばん好きでした。どこにでもある日常風景の中に、とんでもない非日常が唐突に現れるんですけど、その描き方が上手いな〜と素人ながらに感心してしまいました。絵もとても上手いと思います。
※ネタバレを含むクチコミです。
シリアスな時代劇ものに見せかけたハレンチギャグ読切! 道場の男たちが誰も敵わない、剣で生きる女性の話かと思ったら、そうだ、この作者って『いとやんごとなき』描いてた人だったと分からせられるショート読切。 ショート8ページでこんなに凝縮できて、絵が上手いのでまんまと騙されてしまいました! このボケ方今まで見たことないです! 最高です! https://www.sunday-webry.com/viewer.php?chapter_id=106879
全世界おじさん化ウィルスパンデミック! 見た目がおじさんになってしまう奇病が全世界的に流行し、ただ一人の女子高生を除いて全員がおじさん化してしまった世界。 その体質から特効薬を作りたい周囲と、どうしても協力したくないと言う彼女だが、それには理由があって…。 https://kuragebunch.com/episode/3269754496432566268 なぜあらゆるところからの協力を彼女が拒むのか、その理由がとてもよかった。 いや、エゴとかフェチまるだしなんだけど、人が意地を張るにはある意味で充分な理由かもしれない。 人は持ってるのに自分だけ持ってないものの口惜しさったらないわけで。 しかもそれが自分が最も欲しくて欲しくてたまらないものだったら…? 良い読切でした。
強面ミーツ美少女! 強面な中間管理職サラリーマンが、会長にゴルフを誘われたが全くの未経験で、一人で打ちっぱなしに練習に行ってみると美少女が現れて…。 https://tonarinoyj.jp/episode/3269754496431463949# 強面おじさんの自分の顔の怖さに対する絶妙な諦め具合とサラリーマン的な流され方がちょうどよく、女子高生ゴルファーのまたちょうどいいおじさんぽさ、ゆるさ、がとてもギャップがあってミステリアスでよかったです。 また読みたいので、シリーズ読切とかやってくれないかなーと思ってしまいました。
あのオチがなかったら、ふ〜んいい話、で終わってた気がします。 家庭の経済格差によって子供同士の間に距離ができてしまうのは悲しいことなので、それがほんわかしたストーリーで修復されていくのがよい。
砂漠が広がるサドンデスと呼ばれる世界。そこに暮らす人々は居神兵という巨大ロボットの中に住んでいるのですが、械獣という巨大生物を狩って油を手に入ることで居神兵の機能を維持して暮らしています。 そこで主人公のドドは大量の油を集めてロケットに乗って豊かな地球を目指さないかと誘われます。 とにかくドドが強くて爽やかでいいやつなのが好きです!声をかけられたドドが今の暮らしに満足してると語るのは最初はちょっとかっこ悪いな…と思ってしまうのですが、彼の生き方、「夢」についての考え方など明らかになるにつれ、芯の通ったカッコいい男だということがわかります。 バトルも迫力あってよかったので連載になったら居神兵をもう少しフィーチャーしてほしいかも。
非常に面白い読切でした! 大学でサークルに入りそびれた主人公が勉強するしかなくて、唯一話せる女性が宗教学のアシスタントをする院生で、彼女に誘われてサウナサークルに入るところから始まる。 https://comic-days.com/episode/3269754496380389017 読切でもサウナ漫画あるんだ、流行ってるなーという序盤での感想を軽く覆して思ってもみなかった展開へ行くかと思ったら、あれれ?な漫画で、こういうの好きな人は好きでしょう! 力技な展開にも思えるんですが、着地点を見ると全く強引でもなく、結局はサウナを楽しめたんだなと分かるあたりかなり面白いですね。 あと作者さん、いい意味でチェンソーマン好きそう。 【2021年前期・第79回ちばてつや賞一般部門】佳作受賞作品
可愛らしいキャラたちの優しさにあふれる言動やふふっと笑ってしまう状況にほっこり愛おしい気持ちになった読切です。 オチもよかったです! 朝、学校に行ってない少女のもとへ同級生の男子がやってきて、今日の給食が「エッグベネディクト」であることを告げ、登校していきます。 そこから「エッグベネディクト」を知らない少女は、それは一体どういうものだろうと考え、お母さんに聞いたり、辞書で調べたりして、空想を膨らませ…。 『なかよし×コミチショート漫画大賞』大賞作品に輝いた都会先生の『エッグベネディクト』はこちらから読めます。 https://comici.jp/articles/o/50328/ こんな賞があったことを知らなかったです。 https://comici.jp/articles/amp/56336/ これを読んだとき、実は自分自身も「エッグベネディクト」の名称は知ってるけど、食べたことないのでいまいちどういうものなのか分からない状態で読んでいたので、主人公の気持ちに非常に近いところから読んで一緒に楽しむことができました。 なんか、卵を使ったおしゃれな料理でしょ?っていう。 一緒に考えてたんですが、それでもやっぱり小学生の自由さには適わないなって気持ちになりましたし、笑っちゃいました! お母さんもいいし、友達もいいし、大好きな漫画になりました。 この漫画の読者層のターゲットって「なかよし」の賞なので小中学生の女子だと思うんですが、見事に目線をそこに合わせてて言葉選びとかのちょうどよさもすごいなって思いました。 「不登校」とか「引きこもり」っていう言葉を使っていないのが本当にありがたいなって思いました。 都会先生本人の様々な経験があってこそなんでしょうね。 いろいろあって学校に行ってないことってそこそこ重要なことだと思うんですけど、冒頭でさらっと触れてからは特に重く描いてないのがいいんですよね。 登場人物の誰もがそれを特別なこと、いけないこととして扱ってない。 同級生の少年もただ学校に来てほしいなってやさしさだけ。 ほんとやさしいなー。癒されました。 そしてそのやさしさの中に異様な姿で浮かぶ「エッグベネディクト」の図ですよね。最高でした。 こういうやさしさの中に少しの毒や異物感みたいなものがあると際立って面白いので大好きです。 全体的にいつなのか年代の分からなさもいいなーって思いました。 これで連載してほしい。
原稿に向かう藤野の背中のコマが印象的。このコマを描いたのは藤野の背中を見ていた京本なのか、それとも京本の視線を背負っていた藤野なのか考えてしまった。どちらのつもりで描いたのか藤本先生に聞いてみたい。 あの時こうしていればという瞬間があったとしても、避けられた悲劇があったとしても、自分が選んだ道に間違いはないんだと。見ていた背中に間違いはないんだと、過ごしてきた時間に間違いはないんだと教えてくれるような作品だった。 藤野の描いた4コマがちゃんとめちゃくちゃ面白いのが凄い。これを見て笑ってる京本の顔を想像してちょっとだけ泣いた。
最初の扉絵に143ページとあってあまりの長さにビビリつつ読んだらすごかった。なんで藤本タツキの書く少女ってこんなに純粋で愛しいんだろう……胸が苦しい。 超画力の京本とセンスとスピードの藤野。 藤野がクラスメイトに言った「5分で描いた」はフカシではなく本当で、よそんちの廊下でサラッと一瞬で4コマを書き上げる。が、うっかりそれが京本の部屋に滑り込んでしまう。 尊敬する先生の見たことない描き下ろしが突然部屋に現れたときの京本の気持ちを考えるとたまらなくなる。 そしてあの事件のあと、今度は藤野の元に京本が描いた藤野の作風をリスペクトした4コマ「背中を見て」が届く……。 京本の背中には小学生のときに描いた藤野のサインがあり、藤野の背中は、ずっと京本が見ている。 ……。 ……。 話の大筋は「田舎の小学生2人がお互いの才能を見出し漫画家を目指す」というまんが道スタイルでありながら、キャラの造形・演出・話の展開は完全に藤本タツキ味に仕上がっているものすごい作品。 2021年一番心に残った読切でした。 【追記】 京本が家にいるときに鍵を掛けてなくて、藤野が鍵開いてるな〜中に人いるんじゃんって玄関まで入っちゃうとこ田舎あるあるで笑った。自分が子供の頃(20年くらい前)はこんな感じだったけど今もそうなんだろうか。 あのコンビニはあるにはあるけど雪深いところとか、窓から山が見えるところとか……自分の地元と重なる部分が多くて、だからこそ2人が出会えたことの得難さを噛み締めてしまう。 たとえどれだけ辛い別れになったとしても、2人が唯一無二の関係としてともに時間を過ごすことが出来て本当に良かったなと思う。
以前、ヤンマガに掲載された読切『吐露』が素晴らしかった三ト和貴先生の新作読切。 楽しみにしておりました! まさか講談社系でもなくハルタの増刊の『テラン』で発表で驚きました。 少女は母の化粧を見て、くちべにを塗りたそうにするが母から止められてしまいます。 一人で留守番する少女が、手の届かないところに置かれた化粧道具を取ろうとしていると…。 『吐露』に比べるとすごくほのぼのした話で、きゅっと短く可愛らしいオチもついていて意外な作風の変化でしたが、絵の雰囲気の良さ、画面構成の気持ち良さがあり、また次回作も読みたくなりました。
夜勤明けの疲れた体で、ふといい匂いにつられて立ち寄った路地裏の食堂。 そこで食べた具だくさん土鍋ラーメン。賑やかな客と交わした会話。 が、それは全ては夢、または幻だったのか…? でも満たされた気持ちとお腹は嘘じゃない。 こういう世界観の漫画ほんとに好きです!!!沁みます!!!
後藤逸平先生の6年ぶりくらい、『ハイファイクラスタ』以来のジャンプ掲載なんじゃないでしょうか。 ショート読切でしたが、その中にギュギュっと面白さが詰まっていて超好きでしたし、続きを読みたくなりました! ただ、続けようとしたらすぐインフレしちゃってめちゃくちゃ大変なことになるはずですが! 一本の読切の中でそこまでぶっ飛ばせるのはすごいなと思いました。 あと、スマホの単ページ表示にも気を使ってそうなページがあって、見やすくて迫力ありました。 また何かの作品で読みたいです。
ハルタがやってる新人賞「八咫烏杯」受賞作。 最新号に載っている3作の中で、ダントツに短い作品だったんですけど個人的にはいちばん好きでした。どこにでもある日常風景の中に、とんでもない非日常が唐突に現れるんですけど、その描き方が上手いな〜と素人ながらに感心してしまいました。絵もとても上手いと思います。