【第2回トーチ漫画賞「審査員特別賞《山田参助選》」作品】

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トーチweb 梓義朗作品集　浮・遊・感・覚

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タイトルや絵柄、雰囲気が90年代感たっぷりで、内容的には現代の大学生男女3人の夏の日常を切り取った漫画ですごくよかったです。

なにか大きな事件が起きるわけでもなく、主人公の女の子が大学の入学式で過呼吸になっちゃった弟と介抱する兄と出会い、その後もキャンパス内で何度か会ううちに少しずつ仲良くなっていく。
その過程で、主人公が自分の使用済みパンツを売っていたり、兄弟の弟の潔癖症だったり、兄の高校時代に起きた記憶喪失で過去を探していることなどが淡々と描かれていく。

それぞれに抱えることも内包してすべてはただそこに日常として存在し、出会い3人の親交が深まるにつれ何かがまるっと変わるわけではないけど、少しずつ影響が与えられてるかなという感じが、とてもいいんですよね。

個人的に好きだったシーンは、夜に駅へ主人公を弟が送っていく場面で揺れるススキの中で放尿するシーンでススキ越しに背中向けて話すところです。