※ネタバレを含むクチコミです。
不老不死のキャラクターの存在感を出すのってマンガの中でもすごく難しいジャンルの一つだと思う。 本作では雛星が不死者のミザールに美術品的な価値を見出そうとするのが面白くて個性的な読み味になっている気がする。 ミザールが居なくなるところとふらっと現れるところとかも、彼の時間軸の中では特別な出来事でもないのが何となく伝わるんだけど、それでもひょっとしたら特別だったのかも、と思わせてくれるところが好き。
ペットの遺骸をコンポスト(堆肥)にする葬儀社で仕事をしているナナ。ある日地下室にふらっと入ってしまってそこで目にしたものは…当然、アレ…!!やばいぜ!! 感想としては、最高だった。 デス鮭ハンターのパワフルさに演出の巧みさが上乗せされてる感じ。ページ数もコンパクトでギュッと詰まってた。ぶっ飛んだ展開ばかりが続いたところからフッと息が抜けるようなオチもいい。ホントスカッとしました!
全並行世界が滅ぶという空前絶後過ぎる危機を食い止めるために選ばれたのは平凡な男・齋藤トオル。 とにかくトオルはすべてが「普通」なので、世界を救う方法も普通です。植物の種を植えたり、そういう普通のアクションでバタフライエフェクトを起こして世界を救えることになる。FGOとかとぜんぜん違う…! いくらでもハードな展開に出来そうなところをひたすら軽やかに「普通さ」で乗り切っていくポップなSFでした。オチもいい。
ヒロインの名前は玉藻ということで察しのとおりその正体は化け狐。作中で玉藻と直澄出会いの描写や、なぜ庇護しようと思ったのか描かれてるわけではないのですが、守る守る言ってただベタ惚れしてるだけやないかーい!というのにニヤニヤしてしまいました。 絵が本当に綺麗で素敵ですし、(少女マンガは現代語やタメ口使いがちですが)昔の言葉遣いも結構しっかりしてて好み。過去作も読んでみたくなりました。
女と女が最悪なムラで前向いて生きていくというストーリーラインはシンプルなものだけど、絵の力と演出のバリエーションと、何よりモノローグやセリフ回しのセンスがド迫力だった。読んだ人には伝わると思うけど花とか包丁のくだりとか、すごい文才だよ…。 決して明るくない話だけど、パワーで殴られる快感みたいなのが味わえてよかったです。
ゾンビパンデミックが発生した世界でよこちゃんは備蓄食糧が減ってきても「他の人が生きていることがわかってよかった」など常に前向き。 派手なことは起きないですが、よこちゃんの言葉に励まされて惹かれていく主人公の気持ちがよく伝わってきました。 ハッピーエンドで良かったです。
スポーツマンガとしてきちんと競技シーンが描かれると同時に、1話の中できちんと内面的な成長が描かれているすごく完成度の高い読切でした!というか、絵柄もコマ割りも少女マンガなのですが、ここぞというシーンでは少年マンガ的な硬質な印象を与える直線的なコマ割りになったり、アオリ・魚眼・集中線・スパッタリングといった迫力のある効果が使われたりと、少女マンガと少年マンガのハイブリッドな作風が私の性癖にドンピシャ…! ▼風に髪がなびく少女マンガっぽいモノローグ(葉月めぐみ『アリアのつづき』) https://i.imgur.com/qr0WTn2.png ▼効果やコマ割りが少年マンガっぽい見開き(葉月めぐみ『アリアのつづき』) https://i.imgur.com/G1mXDJv.png 元々ジュニアでシングルだった選手が10代後半でトライアウトを受けてペアに転向することは多いため、読みながらすごくリアリティを感じました。 最後の制服のまま演技するシーンが青春っぽくてエモくて素敵でした。 ただ気になったのは波瀬がLINE IDを紙に書いて渡したところ。 登場人物にマンガあるあるの「ベタ」な演技をさせただけだとは思いますが……。この作品は非常に説得力のあるリアリティ・レベルの高いマンガだと個人的に思っていたので、急にここだけ作り物めいた嘘っぽい行動をしてて違和感を覚えてしまいました。 この作者マンガが上手すぎるけど何者…?と思ったら、『お嬢様はお嫁様。』の葉月めぐみ先生でした。そりゃ上手い……!(生意気なこと書いて恐縮です) 最近はオクショウ/田中ててて『サギ』など、すでに他社で活躍されている中堅・ベテランの方がジャンプラで読切を発表されていてすごい時代になったなぁと感慨深くなりますね。 久々にジャンプラで連載で読みたいな〜と思った作品。連載化してくれ〜〜!
絵もストーリーもあまりにも良かったです。桐島由紀先生の柔らかいタッチが、思春期の傷つきやすい心と表情を描くのにドンピシャで胸がギュウ〜ッとなりました。 丸ちゃんは天使。
ヤングアニマルで連載しているアメコミ男道の100回記念の回。アメコミ映画ファンの方ならパンフレットなどでアメコミライターの杉山すぴ豊さんの名前も目にしたことがあるのではないか。自分の知る限りではマンガの原作をやられるのはこれが初めてだと思う、すごい。 劇中にはスタン・リーがモデルのコミック作家ボブ・リーが登場するのだが、主人公のゼンが彼の遺志を継ぐシーンでは本物のスタン・リーのことを思って少しウルっときてしまった。 さまざまなアメコミ作品へのオマージュが捧げられた杉山さんならではの読み切りだった。
サムネイルで頭が玉ねぎの男が目に入ったとして気になって開くか開かないかにすべてを賭けていると言っていいマンガ。 要所で展開を締めるために玉ねぎ豆知識が出てくるのだが(展開を締めるために玉ねぎ豆知識を出してくるのがまず意味がわからない)、これがエビデンスのある情報をしっかりと伝えてくるのでツボに入ってしまった。こんなに玉ねぎの話でカッコつけてくることってあるんだ。 とにかく実験的なはずなのにめちゃくちゃ王道なのがすごいです。出オチで終わらず、本当にちゃんとしている。
読み終わってからぼいるふろー!の人だって気付いて納得しました。宇宙人が宇宙船ごと左胸の内部に転移してきたせいで巨乳になってしまうというワンアイデアで勝負してるのがすごい。冷静に考えたら結構怖くねーか? ただ、認知できないレベルでの知的生命体との接近遭遇、思い返してみると結構ちゃんとSFだったのかもしれない。
これはすごい…!!2022下半期読んだ読切の中で一番好きです。 序盤の「すべて僕がてずから開いて書き写したものだ」という、シンプルなのに立体感を感じるコマでもう痺れてしまいました。 とにかくをどのコマも構図が魅力的。コマ割り自体があっさりシンプルな一方で、キャラデザや影の付け方には個性が強い。 本当に自分の好みドンピシャの作品すぎる…。 クライマックスの万内による解剖シーンの見開きは2022年ベスト見開き賞じゃないでしょうか。未読の方には絶対に読んでほしい読切です。 https://tonarinoyj.jp/episode/316112896906054279
この作品を紹介する百合好きさんのツイートが流れてきた時に、ちょうど私は『おばあちゃんのガールフレンド』という台湾中高年レズビアンのインタビュー集のクラファンを応援していました。 その時に日本の高齢セクシャルマイノリティの方が「私はずっとクローゼットに、息を潜めて隠れてきた」というツイートをされていたのが、とても心に残っていました。 誰にも言えない苦しみ、切なさ、理不尽をじっと耐えて本当の自分を隠す場所としての「クローゼット」。 読切『クローゼットガール』の主人公は小学生の女子。彼女はクローゼットの中で、兄の秘密を見てしまう……その秘密の一端である、兄の同級生女子との遣り取りはちょっとハラハラしますが、その先には二人の連帯が待っている。 主人公もまた「クローゼットの住人」であったことが明かされるスリリングなやりとりと、二人がお互いを助けようとして生まれるシスターフッドに、震えが止まりませんでした。 「クローゼットの住人」と連帯するために、まずはこの作品を読みましょう……そして目の前の人への想像力と優しさを。
キャラがかわいい…!絵が上手い…! 女の子から90年代〜2000年代アニメの香りがして好きです。 すごく見覚えのあるデフォルメなのに全然思い出せず、思わず自分のPixivのブクマを漁ってしまいました。
※ネタバレを含むクチコミです。