「リバーズ・エッジ」読んでみた
※ネタバレを含むクチコミです。
根っこから強い人間なんていない。
何事にも動じない人、飄々としてる人、人生達観してる奴、
どんな人間もみんな腹には何かを抱えている。
読んでると苦しくて、気持ち悪くて、
でも読まないといけない気がして本を閉じられない。
目を背けてはいけないと思う。
戦争のニュースを見ている感じ。
岡崎京子の好きなところは、全部を逃げずに描き切るところ。
人間の汚いとこ、綺麗なとこ、全部まとめてこねていじってそれでもやっぱりキレイでしょ、と彼女は言う。
そこでああこの人は強い人だと思ってしまうけど、
いや強いだけの人にはこんな漫画書けないよな、とも思う。
読み終えたあと、自分の体に釘が刺さって一生抜けないような、そんな漫画をこの人は描く。
弱い私たちに、ありったけ残酷を突きつけた上で、
それでも生きようぜと、
生きた方がハッピーじゃんと声を張って叫ぶ。
これは私に必要な漫画だ。
誰にとってもきっと意味ある漫画だ。
全ての若者に岡崎京子を。
傑作ぞろいと言われる岡崎京子作品のなかでも、誰もが「代表作」と言い切る作品。90年代はじめの「都会」に生きる高校生たちの姿を描く。