せかいいち粋なひげもじゃ
この表紙からしてまさか、ひげもじゃくんが大工さんだとは全く想像もつかなかったのですが “粋”という言葉がぴったりの漫画でした。 なんでもないコマの端々から、人々の、本人にしかわからない複雑な感情がにじみ出ていて なぜか泣いている自分がいました(^^;; こんな漫画体験は初めてでした。 漫画読みのみなさんに声を大にしてオススメしたい一冊です。
火事で実家の工務店「大留」が焼け、両親をなくした若棟梁・茂次は、「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だぜ」という父・留造の言葉を胸に大留再建を誓う。そこに、身寄りのないお手伝いのりつ、行き場を失った福祉施設の子供達が転がり込んできて……ひげもじゃ若棟梁の崖っぷち人生劇場幕開き――山本周五郎の名作時代小説「ちいさこべ」を望月ワールド全開で新解釈する挑戦意欲作!
読み切ったあと、涙が出ました。自分はまだ未熟者だという歯がゆさを抱えながら、それでも意地張って生きていこうとする姿に、励まされた思いです。読後感が素晴らしいです。
職人の粋な風情が漂う中、茂次もりつも若者らしい洒落感があり、ところどころ挟まるユーモアもあり、おもしろいです。
自分がしんどいとき、読めば前を向こうって思える作品です。周りの人の優しさにも気づけるように思います。おすすめです。