エモい漫画読みたいならこれ
率直にそう思いました。 エモいとか、正直、何か言っているようで何も言ってない感じがあるのですが、伝わりやすい表現なのであえて使わせていただきます。 短編集って音楽アルバムみたいなもんで全体で完成させているから、 この曲は個人的にイマイチだなー って思うようなものがあるんですが、本作はどれも外れなし。 ベストアルバムみたいな感じ。 それくらい、本当にどの話も素晴らしかった。 思春期の苦悩や葛藤とか、子供だからどうにもできない環境、それに対する稚拙なアプローチ。これらの表現が、とにかく秀逸。 しかも、そんな閉塞感だけで決して終わらせなくて、読後感はどれも最高に良い。 だから、読んでいて感傷的になったり、ノスタルジックな気分にさせてくれます。 最後の「迷子犬とわたしたち」が、自分の好きな要素(幼少期の冒険、初恋、打算のない友情など)が盛りだくさんであり、個人的にすごい好きでしたが、作者のあとがきで 「あの3人は中学に上がったらほとんど会うことはありません」 と、リアリティを突きつけられて、取り残された気分です。 まぁ、特に、小学校の出会いってそんなもんですよね・・・ その時にしかだせないからこそ、眩しく映るのでしょうから。