『水色の部屋』特設サイト:ゴトウユキコ×ふみふみこ 酔いどれロング対談!
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~2014年11月某日、都内某所、居酒屋にて~ ふみふみこ 吉四六のお湯割りください。あと梅干し入れてください。 ガンガン食べてください。ゴトウさん、インタビュー取材は初めてですか? ゴトウユキコ 1回だけ1対1でやりました。『フィール・ヤング』で、本のやつ(「私の本棚」。作家に1冊の本についてインタビューする連載)。 山本直樹さんの 『テレビを消しなさい』(エッセイ)を挙げてましたね。ゴトウさん個人や作品についての話となると今回が初というわけですね。一方ふみさんは wikipedia もあるし情報がいっぱい出てくるんですよね。「チャラ男が好き」とか。 ふみふみこ それは出してないです。 ゴトウさんは年齢非公開なんですか? ゴトウユキコ バレないほうがいいかなって。 ふみふみこ ゴトウさんの漫画って、若くも感じるし、私と同い年ぐらいにも感じられるんですよね。年齢不詳感が強いかも。 ゴトウさんの希望でふみさんを対談相手にご指名されたそうですが、どうしてなんですか? ゴトウユキコ すごい好きだからです。 ふみふみこ やったー! 私も好きです! ゴトウユキコ 東京に来て、初めて仲良くしてくれた人だから。でもちゃんと漫画の話をしたことがなかったので。 ふみふみこ そうですね。難しいですもんね。 普段はどんな話をされてるんですか? ふみふみこ 「漫画以外に普段何してます?」みたいな話とか。ゴトウさんホントに漫画描くこと以外してなくって。 ゴトウユキコ サボってるだけです。 『ミヤネ屋』観てるんでしたっけ? 矢口真里さんの会見とか観たんですか? ゴトウユキコ 観ました。 ふみふみこ 対談の前にその話してました(笑)。 ゴトウユキコ 『ミヤネ屋』と『ガキ使』が好きです。 ふみふみこ ふたりのどっちかが酔っぱらったときは、片方がちょっとマシぐらいの酔い方をしていて、片方は喋ったことを憶えてないんですよね。そんなことないですか? ゴトウさん憶えてますか? ゴトウユキコ あまり憶えてないです。 ふみふみこ もしかして本当は憶えてますか? ゴトウユキコ そんなに憶えてないです。 ふみふみこ 後々確認したときに「あ、そういえば!」みたいな感じで、何喋ってるかはあまり憶えてないです。 互いのどういうところが好きなんですか? ふみふみこ ゴトウさんはすごい可愛いんですよ。で、アンバランスな感じがすごくあって。こういう言い方をするのもなんですけど、めちゃくちゃ作家さんっぽいっていうか。漫画はすごいおもしろいし、仕事もすごいできるんだけど、できないところは全くできないところとか。たとえば初めてふたりで会ったとき、吉祥寺かどこかで待ち合わせしていたんですけど、「緊張しすぎて飲んできました」とかいってて。まあ、コミュ障......。 (一同笑) ふみふみこ そういうところが魅力的というか、可愛いなって思うんですけどね。でも漫画読んだら一発でわかるじゃないですか、「この人は違う」みたいな。それに「コミュ障」っていっても、心を開いてくれたら喋るんですよ! 気付けに一杯やるのは基本なんですか? ゴトウユキコ 人に会う前って、吐き気がしちゃうんですよ。最近は少し良くなってますけど。アシスタントさんも、5時間ぐらいいると、だんだん疲れてきます。人がいるのがきつい。 ゴトウさんはふみさんのどういうところが好きなんですか? ゴトウユキコ 最初に会ったときに、一目惚れっていうか......、初めて会ったタイプの女性だったんですよ。本当に可愛い女性は、ふみさんみたいな人だなって思いました。2011年の、『ジオラマ』(自主制作漫画雑誌。4号まで刊行)のクリスマス。 ふみふみこ ああ~、そうですね。あんときは荒れてたんじゃないかな......。 その頃のふみさんと今のふみさんって変わりましたか? ゴトウユキコ ......あんまり......。 ふみふみこ ごまかしてくれてありがとうございます。 ふみさんのどういうところに惹かれたんですか? ゴトウユキコ ここまで大っぴらに下品な......なんだろう......。 ふみふみこ 私ゴトウさんのことコミュ障っていったからなんていってもいいですよ。 ゴトウユキコ むき出しっていうか......。サバサバとは違うけど、むき出し感があって、いいなって思いました。 ふみふみこ あの頃に比べたら今は大分落ち着いたと思います。 ちょっと『水色の部屋』について伺っていきたいと思います。過去作 『R-中学生』や 『ウシハル』 から、本作は大きく変化したと感じるところがあるのですが、何か姿勢として変わったことなどはあるんですか? 水色の部屋〈上巻〉 著者:ゴトウユキコ 発売:2014年12月4日 定価:800円+税 ISBN:9784778322427 太田出版 Amazonで購入 ...
率直にそう思いました。 エモいとか、正直、何か言っているようで何も言ってない感じがあるのですが、伝わりやすい表現なのであえて使わせていただきます。 短編集って音楽アルバムみたいなもんで全体で完成させているから、 この曲は個人的にイマイチだなー って思うようなものがあるんですが、本作はどれも外れなし。 ベストアルバムみたいな感じ。 それくらい、本当にどの話も素晴らしかった。 思春期の苦悩や葛藤とか、子供だからどうにもできない環境、それに対する稚拙なアプローチ。これらの表現が、とにかく秀逸。 しかも、そんな閉塞感だけで決して終わらせなくて、読後感はどれも最高に良い。 だから、読んでいて感傷的になったり、ノスタルジックな気分にさせてくれます。 最後の「迷子犬とわたしたち」が、自分の好きな要素(幼少期の冒険、初恋、打算のない友情など)が盛りだくさんであり、個人的にすごい好きでしたが、作者のあとがきで 「あの3人は中学に上がったらほとんど会うことはありません」 と、リアリティを突きつけられて、取り残された気分です。 まぁ、特に、小学校の出会いってそんなもんですよね・・・ その時にしかだせないからこそ、眩しく映るのでしょうから。