ネタバレ

3巻まで読みながらも、何度か読むのを止めようと思った。
でも第0話で描かれた関係性が少し不思議で、続きを読んでみたくなった。
もしかしたら、廃校寸前の中学校を舞台にした女の子ふたりの青春物語が生まれる世界線もあったのかもしれない。

どこにも逃げ場がないかんじがする中学時代。
なにかしらトラブルを持つ、生徒と先生。
何にもない田舎だから生まれた流れと言わせしめるような、全ての悪を「田舎」のせいにする子どもたち。

そして、周りは囃し立て、その流れからもう誰も逃れられず、普通の人たちが、もっとひどいことをしてしまう、させてしまう。
現実の殺人事件でもこの状況があったような。
我が子がいじめられっ子でなく、いじめっ子でよかったと思う保護者もなんだかリアル

そして、ドロドロの空気感と展開をホラーな方向へ変えていく、壊れた人たち。
爽やかな青春と卒業式とは、正反対。血まみれの日々。
血で血を洗うような憎しみは、行くところまで行かないと終わらない。
雪はその血をも消していく。

読みながら、こいつは同情してやるかとまで思った先生。彼女の夢は潰えたというのが悲しく、気がついたら同情していた。

読みたい
ヤンキー君と白杖ガール

目からの情報過多な世の中

ヤンキー君と白杖ガール
ゆゆゆ
ゆゆゆ

登場するヤンキーは顔の傷がなくて、服の趣味が良ければ、ものすごく人が良くて純愛している好青年。 弱視の女の子に「ポエマー」と言われるほど、大好きなユキコさんの前では好青年。 一線を越えると黒豹に戻るようだけど、ユキコさん第一なので基本は好青年。 コミュニケーションお化けのようなユキコさんも、見えないからそう変わらざるを得なかったとあって、相当な苦労の上であの人となりができていて、結果が一話冒頭の白杖ケツアタックなんだなぁと思った。 コメディになる部分は、NHKの番組バリバラでみた、障害者コントを思い出させた。 障害は触れるのを避けるべきことでもなく、彼女たちには当たり前なことで、その中でのからかいや日常の楽しみ、苦労が興味深く描かれている。 もちろんコメディ要素だけでなく、しれっとヤングケアラーとなっているきょうだい児の話や、人は年を取ればいずれ見えなくなることが描かれていて、でも重たい話のはずがドロドロしておらず、あっという間に読み終えてしまった。 視力がオレサマはなるほどなと思ってしまった。 かき氷シロップはオレサマを感じさせてくれる食べ物。食品に絞ると、嗅覚が2番手のオレサマ。 ちなみに登場キャラクターのなかでは、高校生男子らしくムラムラ大好きな青野くんがとても好きだ。

ワタシってサバサバしてるから

広告で見たことがあるやつだ

ワタシってサバサバしてるから
ゆゆゆ
ゆゆゆ

主人公が「私ってサバサバしてるから〜」っていうタイプの人間でした。 「みんな私のこと「かわいい」って言ってくれるけど本命にはしてくれないね?」で知ったのですが、主人公を「うわー何こいつ」って言いたくなるキャラクター(悪役)にして、当人が落ちていくさまを眺めるジャンルっていうのがあるんですね。 身近にいたら、さりげなくフェードアウトしたくなるタイプの性格ですが、「女の敵は女」というあたりはリアルです。 そして、男の中で生きようとしているわけでなく、同性と仲良くするわけでなく、人がいっぱいいるところに飛び込んでいるのに、孤高です。 読んでいて、どうしてそういう考えに?と思ってしまい、主人公なのについていけません。 本編を悪役サイドで見ている気持ちです。 とはいえ、ライバル視されている本田さんが主人公だと、「私ってメンタル強めだから〜」と、メンタルの強さを過剰に見せつけてくるキャラクターに改変されてしまいそうで、そんな本田さんは見たくないなと思ってしまいます。 よくよく考えれば、周囲がこれほどひいた反応を取っていてもへこたれず、ゴーイングマイウェイでいられる主人公の網浜奈美は非常にメンタルが強いです。 ビジュアルが本田さんと主人公が入れ替わっていたら、どんな感想になっていたんでしょう。

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか

殴るためのお肉

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか
ゆゆゆ
ゆゆゆ

このタイトルで、この絵柄で、いわば北斗の拳。 いや、くにおくんかもしれません。 陰湿なイジメが繰り広げられる恋愛モノかと思えば、メリケンサックが出てくるタイプの恋愛モノでした。 メリケンサックと恋愛モノって、同時に存在しうるんですね。 「パワー・アントワネット」と違い、ムキムキでもなく、筋肉でもなく。 公爵令嬢として腐った世の中を正すため、いや殴りたいから主人公は暴力をふるいます。 ストッパーが無くなった彼女は強いです。 ターゲットの名前がいつの間にか「肉」呼ばわりになっていて、こうやって人でないから殴ってよしと正当化するのかなとチラと思えば、その肉がことごとく、言い訳できないレベルの悪役たちで、世直しのためには、殴っとこうかという気持ちを読者に湧き立てさせます。 そして、時の女神の力を借りて、倍速やらなんやらブーストさせて、「ボンボコボンボコ」殴って蹴って。 暴力シーン(連続)もこのきれいな絵柄のママ繰り広げられ、「創竜伝」の龍堂兄弟のようなめちゃくちゃな振る舞いも、このきれいな絵柄のママ繰り広げられます。 とりあえず公爵令嬢なので、一線は越えていないそうです。不殺です。 すべて峰打ちなので大丈夫らしいです。さすがです。 暴力で解決はよくないけれど、早いんだということはよくわかります。

みすみそうかんぜんばん
ミスミソウ 完全版 : 1
ミスミソウ 完全版 : 2
ミスミソウ 完全版 : 3
ミスミソウ 完全版 : 4
ミスミソウ 完全版 : 5
ミスミソウ 完全版 : 6
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俺より弱いやつに会いに行く

俺より弱いやつに会いに行く

2023年6月2日、全世界待望の「ストリートファイター6」発売! これをやらないわけがない、押切蓮介こと神崎良太(本名)──! 原稿の締め切り? 編集者からの電話?んなもんガン無視、楽しんだもん勝ち! 「ハイスコアガール」のハルオと大野も登場する癇癪全開奮闘記をご覧あれ…!! ※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

アカイロフラグ

アカイロフラグ

押切蓮介が描く、純愛・コメディ・ミステリーなど春夏秋冬の恋物語4編。【収録作品】『アカイロフラグ -Summer-』心霊スポットで食事することが日課の、孤独な少年のもとに現れたのは……?『アカイロフラグ -Autumn-』戦時中に広島から疎開してきた少年は、異国の血をひく少女と出会ってーー。『アカイロフラグ -Winter-』兄を慕う、流行のモダン服に身を包んだ少女には、何か秘密がありそうで……。『アカイロフラグ -Spring-』エッチな本を求めて少年少女が工場地帯を冒険……のはずが!?その他、雑誌掲載時のカラーイラストや作中のキャラが登場する描き下ろし漫画を収録した、ファン必読の一冊です。

サユリ 完全版

サユリ 完全版

【映画化決定! 2024年夏全国公開。監督 白石晃士】 ようやく念願の一戸建てに引っ越した神木家。だが、引っ越し直後に父親が心臓発作で死んでしまう。それを皮切りに次々と怪異に襲われ、姿を消してゆく家族。残された長男・則雄と祖母は、家族を次々と殺した「霊」に復讐を誓うが…。※本作品は「サユリ」全2巻に描き下ろしエピソードを加え再編集したものです。作品内容が重複する箇所がございますので、ご注意下さい。

ピコピコ少年SUPER

ピコピコ少年SUPER

いつだって、ゲームがあった。大定番ノスタルジック青春グラフィティ、渾身の最新シリーズ完成。 ●MMORPGの恋人とリアルで会う恐怖の瞬間「MMO少年」●今日は俺たちがゲームの主人公になる…!! 「川下りだ少年」●コミケ後はみんなでドリキャス、のはずが…「アウェイ少年」●ゲームに負けたら好きな人の名前を女子の前で告白「純愛少年」……そうです、みんな実話です!!

試し読み
ピコピコ少年TURBO

ピコピコ少年TURBO

あの頃、ゲームが宝石に見えた。大好評ノスタルジック青春グラフィティ、待望の新シリーズ登場!/風邪で学校休んだら家でゲームやり放題「病欠少年」/ゲームしすぎて帰り道の交通費がなくなる「出張プレイ少年」/遊園地に男女10人で行ったのに1人ゲームコーナー状態「今日は華のある日だ少年」/因縁のクラス女子とぷよぷよ対決「愛しさと切なさと憎たらしさと少年」/18歳はゲーセン仲間の輪が一人ずつ減っていくお年頃「失楽園少年」......やっぱりみんな実話です!!

代原ちゃん

代原ちゃん

ほぼノンフィクション! 『ジーニアース』の鬼才・押切先生の緊急読み切り12P‼『吸血鬼すぐ死ぬ』の休載告知に忍び寄る影は一体…?(週刊少年チャンピオン2022年51号)

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押切蓮介劇場 マサシ!!うしろだ!!

押切蓮介劇場 マサシ!!うしろだ!!

世界の清水崇監督 大推薦図書!! 一家に1冊!「オモシロコワイ」本、置いとくれ。 1998年の衝撃的なデビュー作『マサシ!!うしろだ!!』から、今や世界的な映画監督となった清水崇氏によって映像化された『トイレまで4メートル』、伝説のホラーストーリーギャグ2大傑作連載『カースダイアリー』『悪霊ドリル』まで、『でろでろ』に至る押切ホラーギャグの軌跡を1冊に収録!! 蓮介ホラーギャグの集大成!!

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ジーニアース

ジーニアース

近年、人類の中で千人に一人に突然遺伝子が発生し、これまでの人類とはかけ離れた能力を持つ人種が生まれた。選ばれた者たちは自らを「ジーニアス」と呼び始めた。ある時、ジーニアスである不破勝は一般市民を劣った種として駆逐するため国家転覆を始めたのを皮切りに他のジーニアスが力を開放し始めた! 自称一般人だがなにやら不思議な雰囲気を持つ鈴木ハジメのもとに集まるジーニアスたちと国家の壮大な戦いが始まる…!! 徹頭徹尾バイオレンスアクションが炸裂!!

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