やれよ、本気なら。冷静と情熱の狭間で動く主人公に共感!にコメントする
あくたの死に際

結局は、情熱が全てを動かす

あくたの死に際 竹屋まり子
六文銭
六文銭
「天才と凡人の比較」 的な題材は、若い頃から結構好きで、とくに圧倒的な才能によって凡人を駆逐していく様は爽快感があり、同時に英雄的な憧れを抱いたもんでした。 自分には、そういう才能がないと気づいたのも大きな理由だと思います。 だけど、年食ってつくづく感じることがある。 月並みですが、天才と呼ばれる人たちはすべからく努力していること。 それこそ、寝食を忘れるほど、その対象に没頭しているんです。 才能にあぐらなんてかいていない。 人並み以上に光る才能がありながら、それを磨く手を一切やめない。 イチローはどんなに体調が悪い日でも素振りをやめなかったようだし、藤井聡太は寝ても冷めても将棋のことばっかり考えているっぽい。 凡人との差は才能ではなく、ひとえにこの狂気ともとれる情熱の差なんだと感じるようになりました。 しかも、空腹、睡眠欲、そして性欲などといった欲に負ける程度のものじゃない。むしろ凌駕していく、これを才能と呼ぶんだと。 本題。 本作の舞台は文芸界。 主人公は、やり手のサラリーマンだったが、ある日を堺に会社にいけなくなってしまう。 そんな時、大学時代の文芸部の後輩で、時の人となった黄泉野季郎と出会い、自分のなかにくすぶっていた文芸への思いを再熱させるという展開。 天才・黄泉野季郎と凡人主人公の対比だが、上述のとおり今では見る目も違う。 天才が凡人を圧倒する様よりも、凡人が障害に屈せずどう乗り越えていくのか、そこに焦点があたる。 何より滾る情熱を、現実とどう折り合いをつけるのか? 一般的な幸福と、自身の中にある情熱に従うべきかとの選択に揺れる表現が(水に潜ったようなシーンとか)、とにかく秀逸で読んでいてひきつけられます。 ただでさえ凋落の厳しい文芸界に、編集者の言葉の切れ味もスゴイ(添付参照) ホントに一握りの才能しか生きられない逆境の世界なんだと痛感させられれます。 だからこそ、主人公は何を武器に、そして全てを投げ売ってまで向き合おうとする世界でどう戦うのか、今後の展開が予想できなくて楽しみです。 そして、読んでいてつくづく、情熱こそが人を動かすんだと改めて感じた作品でした。
深東京

最初はサラッと読むだけでいいからさ

深東京
さんかく
さんかく
まず初めに最初は自分もあんまりだなと思ってました。 デスゲーム系の雰囲気で1つ目のゲームというか戦いが終わってもピンとはこなかったです。 なんか矛盾やツッコミどころが多くて脱落する人も多かったですし、私もその一人でした。 しかし、期間を空けて別の作品ついでに今どんな感じかなと冷やかし程度に見に行ったらそこは最初とは全く違っていました。 まずキャラが格段に魅力的になっています!敵も味方もです。 おまけは絶対に見てください。 見ないと後悔するレベルでおまけのギャグセンスが高くて、大体3ページくらいなのに満足度が高いです。 結構重要な情報では?と思わせる話も何でもないことかのように出てきます。 次にストーリーです。 最初は矛盾が多いと感じた部分が進むにつれて回収されていきます。 その上で新たな謎が出てくるので複雑になりすぎず楽しめます。 せめて信長が出てくるとこまで読んでほしい… この作品は基本、人側が不利なデスゲームをどうやって勝利するかのバトルです。 力勝負では絶対に勝てない相手には死亡の条件があり、それが達成されればいくら強い敵が相手でも勝つことができます。 味方と力を合わせて勝利への糸筋を見つける、そんな物語です。 ジャンプラで一気見できるのでぜひ見てください!
あくたのしにぎわ
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