場面展開激しい
漫画好きお笑い芸人が勧めていて、読んでみた。 面白かったのだが、場面展開が激しかったイメージ。 新刊が出た時とか、思い出したように戻ってきて読んでも…アレ?的な、私は着いていけず、そのまま興味も失ってしまった。
動かせ 歴史を 心を 運命を ――星を。舞台は15世紀のヨーロッパ。異端思想がガンガン火あぶりに処せられていた時代。主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定の大学において、当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていた。合理性を最も重んじるラファウにとってもそれは当然の選択であり、合理性に従っている限り世界は“チョロい”はずだった。しかし、ある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった―― 命を捨てても曲げられない信念があるか? 世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか? アツい人間を描かせたら敵ナシの『ひゃくえむ。』魚豊が描く、歴史上最もアツい人々の物語!! ページを捲るたび血が沸き立つのを感じるはず。面白い漫画を読む喜びに打ち震えろ!!
こんな漫画は初めて見た。
ネタバレになるが、主人公がことごとく死ぬ。主要人物が死ぬという演出は劇的なので、最近の漫画では多用され、安易な死がインフレしていた。うんざりしていた。
物語の中での必然性のない死は、読者へ死という概念を間違った形で伝えるのではないか。罪深いとも言える。
ただ、この漫画の中での死は、世界を変えようとするとき、人は命をかけ、しかしその小さな命は世界に対しては無力で、そのメッセージを伝達していき次の可能性へと繋いでいくことで、不可能を可能にしていく、という現実、つまり死の意味が描かれていると思う。
現在の社会でも、たくさんの研究者や哲学者、芸術家が、小さな命で抗い、伝え、世界をより良くするために変えようとしている。
それらの、人類の涙ぐましい努力と名もなき亡骸たちへの鎮魂歌とも読みとれる。
素晴らしい作品である。