あらすじ

どれだけ絶望すれば、人は救われるのか? 「天動説」の大家・ピャスト伯から研究を託されたバデーニは、「地動説」証明へとさらに没頭する。一方、オクジーは一連の体験を物語として執筆し続けた。それぞれが希望を胸に行動する中、圧倒的絶望が音も立てずに彼らの元へと忍び寄る――― 眼を塞げ、耳を塞げ、凡庸であれ。それこそが知性に対抗する唯一の手段だ。
チ。―地球の運動について― 1巻

動かせ 歴史を 心を 運命を ――星を。舞台は15世紀のヨーロッパ。異端思想がガンガン火あぶりに処せられていた時代。主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定の大学において、当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていた。合理性を最も重んじるラファウにとってもそれは当然の選択であり、合理性に従っている限り世界は“チョロい”はずだった。しかし、ある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった―― 命を捨てても曲げられない信念があるか? 世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか? アツい人間を描かせたら敵ナシの『ひゃくえむ。』魚豊が描く、歴史上最もアツい人々の物語!! ページを捲るたび血が沸き立つのを感じるはず。面白い漫画を読む喜びに打ち震えろ!!

チ。―地球の運動について― 2巻

私達はこの世界に絶望すべきなのか――? 地動説を生き延びさせるために、神童ラファウが「決断」を行ってから10年が経った。代闘士として殺人を繰り返す超ネガティブ思考の青年・オクジーは、同僚の超ポジティブ思考の男・グラスに「絶対の信頼がおける『希望』を見つけた」と告げられる。そしてグラスが取り出したのは、「火星」の観測記録だった―― あらかじめ絶望しておけばそれ以下の悲しみも苦しみもない。ならばこの世界に絶望しておくのが正解なんだろうか? いや、そんなことはない。まったく違う。その理由はこの漫画に描いてある。

チ。―地球の運動について― 3巻

絶望の淵で、意志を穿つ、覚悟はあるか? 「地動説」に魅せられたグラスの想いを受け継いだオクジーは、一縷の希望を胸に、孤高の天才修道士・バデーニの元を訪れ、石箱を引き継ぐ。そして、オクジーとバデーニが「地動説」証明のための新たな協力者を募ったところ、「女性に学問など」という時代に押し潰され、世界に絶望する少女が一人。一度見えた希望を失い絶望の淵へと突き落とされた人間は、再び希望を求め、意志を貫き通すことはできるのか? 持てる選択肢は二つ。それでも意志を貫くか、否か。

チ。―地球の運動について― 4巻

どれだけ絶望すれば、人は救われるのか? 「天動説」の大家・ピャスト伯から研究を託されたバデーニは、「地動説」証明へとさらに没頭する。一方、オクジーは一連の体験を物語として執筆し続けた。それぞれが希望を胸に行動する中、圧倒的絶望が音も立てずに彼らの元へと忍び寄る――― 眼を塞げ、耳を塞げ、凡庸であれ。それこそが知性に対抗する唯一の手段だ。

チ。―地球の運動について― 5巻

いつでも決断の刻は突然訪れる。そして。バデーニの計画実行のため、何より「感動」を守るため、オクジーは異端審問官・ノヴァクとの死闘へと赴く。グラス、オクジー、バデーニ、ヨレンタ、ピャスト、彼らが命を賭してまで追い求めた真理が示すのは、希望か、絶望か。私が終わる時、世界も終わる。みんなそう思ってたら、きっとこの世界はない。なんか凄いね笑

チ。―地球の運動について― 6巻

備えよ。運命を変える瞬間のために。オクジーとバデーニが命を賭して真理を生き残らせてから25年の時が経った。C教の権威が揺らぐ激動の中、神が決めた「運命」に父を奪われ、神を信じられなくなった少女が自らの強い信念のために動き出す。その先に待ち受けるのは――― 神様はいると思う?/いない/違うよ/え?/神様はいるかいらないかって聞いてるんだよ

チ。―地球の運動について― 7巻

これが運命でも意志でもいい。やるぞ。ヨレンタは生き延び、異端解放戦線の組織長として闘っていた。25年前、希望と絶望を味わった彼女は自らの運命を変えるという強い信念を持つ少女・ドゥラカに何を想い、何を伝えるのか。そして、時を経て復活した「地動説」の行く末は――!? 私達が出会ってしまったからにはさ、もう運命とかは置いといて、すべてを変えてみようよ。

チ。―地球の運動について― 8巻

真理に命を懸けた者達の物語、堂々完結。「地動説」出版を目前に、審問官達に追い詰められつつも仲間の犠牲により包囲網を抜け出せたドゥラカとシュミット。しかしノヴァクが迫りくる!! 一縷の望みを懸け、ドゥラカ達が向かう先とは。「真理」に命を懸けた者達の、そして「地動説」の結末は!? 動かせ。歴史を、心を、運命を、――星を。