職人の凄み
登場する職人それぞれもちろんそうなんですが、作品全体を貫く静かな熱量というか、凄みを感じました。淡々とひたむきに自分の仕事を突き詰めんとする姿勢に心が動きます。このマンガそのものが職人の仕事って雰囲気です。 個々の登場人物で言えば、自分の打った刀が不本意な使われ方をしたときの刀鍛冶職人の静かな抗議や、100年後を想像した仕事をする佐官職人。目の前のタスクをこなすことに躍起になりがちな普段の自分の姿が恥ずかしくなるほどです。 みなさん言うように絵も本当にすごい。熱した刀身を水につけた時の泡の感じが特に印象に残っています。 個人的には、静かな環境で紙で読みたいマンガです。おすすめです。
職人たちが働いている空気感まで伝わってくる説得力ある画力。
背景も細部にまでこだわって描かれている。
着物のしわひとつとっても丁寧な仕事ぶりが分かる。
そして、陰影のつけ方。
大胆なコマ割り。
江戸時代に乗り込んで、のぞき見しているような感覚になる。
坂上暁仁自身がかなりの職人である。