映画になりそうな作品。
詩織と山田は、会うべくしてあった二人。 今の日本の縮図を丁寧に描いている作品。 読んでいて、何度も目頭が熱くなった。 片親で育った詩織は、母親の虐待で家出を繰り返しながら、JKビジネスで体を売り、泊るところは都度SNSで発信して連絡をしてきたところに泊まる。 そんな、すさんだ生活をしていた。 刑事の山田は、風俗店のガさ入れで、詩織と出会う。 そして、自分の亡くなった娘に似ている詩織が気にかかる。 この物語は、今、現在、日本で起こっている現実が、重なり合って起こった実際にあり得る話。 このような、現実に目を背けてはいけない話である。 誰が、良くて、誰が悪いのか? 法律は、杓子定規で良いのか? 人として、どのように対応すればいいのか? 色々なことを考えさせられる作品です。 是非、多くの方に読んでもらいたい!!
お互いに傷を抱えた少女と中年刑事の共依存。ハラハラの逃避行シーンが好き。
登場するキャラ全員が善悪で割り切れないのは良かった…が、最後にルポライターを出してひとつのルポルタージュ風に仕立て上げ、「事件は善と悪で分けられるものなのだろうか?」と言葉にしてしまった瞬間に小さくまとまってしまった感。
今まで読んだことのなかった作風の真造作品ということで価値がある。