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「おかえり、パパ」【電子単行本】

単行本描き下ろしが…… #1巻応援

「おかえり、パパ」 蝉丸
兎来栄寿
兎来栄寿
『絶対に風呂に入りたくない彼女VS絶対に風呂に入れたい彼氏』の蝉丸さんが描く、前作とは打って変わって不穏な物語です。 近年では、主人公が無条件で努力もせずに無双する作品を好む方が多いといいます。仮にイケメンでなかったとしても女性にやたらと好かれる、そんな主人公はたくさん見ると思います。 しかし、本作はそんな無条件で好かれる主人公という存在に対してある種メタ的な立ち位置にある気がする作品です。気がする、というのはまだこの作品の核、ヒロインの高校2年生の完璧黒髪ロング美少女・透桜子(とおこ)の真意の深淵が見えないからです。おじさんが女子高生に好かれる物語といえば『娘の友達』のような作品もありますが、ああいった類の物語ともまた性質を異にしています。 主人公は、結婚相手の娘である透桜子に最初からやたらと好かれます。それどころか、父娘というラインを踏み越えるようなスキンシップをしてきます。その行為には、果たしてどんな動機があるのか? 公式からも「仄暗いホームサスペンス」として提示されていますが、これはサイコホラーなのか? ホワイダニットのミステリーなのか? とも思わされる内容です。そして、その混乱に更に拍車をかけたのが今回発売された単行本における描き下ろしの最後の描写です。この物語を読み解くためには、絶対に必要であろう重大なピースが描かれていました。 単行本の続きとなる連載最新話付近もなかなかすごい展開になっていますが、この描き下ろしと併せて考え点と点を繋ぎ合わせたときに浮かび上がる像が果たして現実のものとなるのか……。 透桜子のピュアモードと闇モードのギャップを美味しくいただきながら、続きを楽しみに待ちます。
N

「N」へのカウントダウン #1巻応援

N
兎来栄寿
兎来栄寿
最初は中学生男子たちの肝試し。 その次は少女の授業参観。 暇を持て余したニートや、就活が終わった大学生など1話1話は独立していてありふれた日常から始まる、オムニバス形式で描かれた作品です。しかし、その日常はある瞬間から一変していきます。 すべてのお話に共通するのは、謎の存在「N」。バラバラの物語が、「N」に収斂していきます。 第1話「A」 第2話「B」 第3話「C」 と、アルファベット順に進行しながら、 第5話「E」 の次が 第7話「G」(7とGは鏡文字、目次でもこの部分だけ反転) で、その次が 第6話「F」 という構成で、その最後には 【第14話「N」まであと7話】 という死へのカウントダウンのような予告。 更には、単行本の最後に入っているおまけの部分も背筋が凍るようなものです。こうした演出も含めて、非常に良いミステリーホラーとなっています。 罪を犯したり禁忌に触れたりする瞬間の、胸の鼓動が早まり冷や汗をかくような心地が的確に描かれており、にことがめさんの作画も話に非常にマッチしていると感じます。 果たして、Nとは何なのか。 14話で一体何が起こるのか。 急激に夏感が出てきた最近ですが、こちらで涼を取ってみてはいかがでしょうか。
19番目のカルテ 徳重晃の問診

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19番目のカルテ 徳重晃の問診
野愛
野愛
体調が悪くなると医療漫画が読みたくなることないですか? とは言え重たいともっと具合悪くなるので、できれば前向きだといい。さらに言うと1話完結で読みたい分だけ読めるといい。 というわけで19番目のカルテがぴったりなんです。 どこかが痛い辛いときってもちろん治したいのは当たり前だけど、まずは安心したい気持ちが強い気がします。 原因がよくわからず「ストレスですね」とか「体質ですかね」とか言われると、どうしていいか途方に暮れてしまいます。病気じゃないのに仕事や学校休めないし……。 その一方でなんとなく「ストレスかなあ」「疲れかなあ」と不調をやり過ごしてしまうこともあります。病院行くの怖いし……。 という気持ちが自分にはあるので、この作品に出てくる患者さんたちも相当悩んで苦しんで怯えて病院にたどり着いたんだろうなあ、そういう人たちに寄り添う徳重先生、滝野先生は本当に素晴らしいなあとしみじみ思います。 そしてもうひとつ、自分のことを正しく大事にしないとなあとも思います。これくらい大丈夫と思わずに、休むときは休んで健康診断も受けて病院ちゃんと行こうと誓いました。
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