一巻だけでは透桜子の深層心理は見えてこない。それでも、彼女の恐ろしさは伝わってくる。
最大限馬鹿になって先入観をなくして善意だけで見てみれば、父親に甘えてみたい優等生の女の子に見えなくもないかもしれない。2人きりのときだけ距離が近いのも、母親や学校での振る舞いと違うのも、不器用なだけと捉えられるかもしれない。
でも、それだけでは片付けられない後ろ暗さがある。

「再婚相手の娘がめちゃくちゃ甘えてきて困ってます」なんて気持ち悪いハーレム系コメディにありそうな設定なのに、その気持ち悪さをゾクゾクする恐怖にして表現しているのが面白い。
透桜子が何を考えているのかまだわからないけれど、深い闇が奥行きがあることだけは見えている。それが真っ暗だからこそ、見たくなるし見るのが怖くて引き込まれる。
透桜子の母親にも何か秘密があるのか?という点も気になってくる。今のところ可愛らしい母親でしかないけれど……。

透桜子の秘密を知りたいけれど、明かされないでほしい気もしている。
でも、はやく続きが読みたい作品。

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「おかえり、パパ」【電子単行本】

単行本描き下ろしが…… #1巻応援

「おかえり、パパ」 蝉丸
兎来栄寿
兎来栄寿

『絶対に風呂に入りたくない彼女VS絶対に風呂に入れたい彼氏』の蝉丸さんが描く、前作とは打って変わって不穏な物語です。 近年では、主人公が無条件で努力もせずに無双する作品を好む方が多いといいます。仮にイケメンでなかったとしても女性にやたらと好かれる、そんな主人公はたくさん見ると思います。 しかし、本作はそんな無条件で好かれる主人公という存在に対してある種メタ的な立ち位置にある気がする作品です。気がする、というのはまだこの作品の核、ヒロインの高校2年生の完璧黒髪ロング美少女・透桜子(とおこ)の真意の深淵が見えないからです。おじさんが女子高生に好かれる物語といえば『娘の友達』のような作品もありますが、ああいった類の物語ともまた性質を異にしています。 主人公は、結婚相手の娘である透桜子に最初からやたらと好かれます。それどころか、父娘というラインを踏み越えるようなスキンシップをしてきます。その行為には、果たしてどんな動機があるのか? 公式からも「仄暗いホームサスペンス」として提示されていますが、これはサイコホラーなのか? ホワイダニットのミステリーなのか? とも思わされる内容です。そして、その混乱に更に拍車をかけたのが今回発売された単行本における描き下ろしの最後の描写です。この物語を読み解くためには、絶対に必要であろう重大なピースが描かれていました。 単行本の続きとなる連載最新話付近もなかなかすごい展開になっていますが、この描き下ろしと併せて考え点と点を繋ぎ合わせたときに浮かび上がる像が果たして現実のものとなるのか……。 透桜子のピュアモードと闇モードのギャップを美味しくいただきながら、続きを楽しみに待ちます。

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情緒をめちゃくちゃにしてくる女

情緒をめちゃくちゃにしてくる女

典型的な陰キャ男子・ゆー太。退屈な日々を過ごしていたが、ひょんなことから、SNSの趣味アカウントで知り合った人に誘われてオフ会をすることに。どんな人が来るのだろうと思っていると、お相手は想像を遥かに超える美人でステキなお姉さんだった!!ドキドキと緊張でいちいちキョドってしまうゆー太。そんな彼を見て、彼女がある言葉を放ち……?ヤバい女に引きずり込まれる!SNSで話題のイジられ系ラブコメがコミックスで登場!

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