路傍のフジイ 鍋倉夫
偉大なる凡人フジイ
特にマウント合戦や承認欲求などSNS疲れしてそうな現代人に響きそうな題材。
自分はSNSをやらない派なのですが、それでもニュースとかで入ってくるインフルエンサーや一般人の方々が、ちょっとした言動で炎上する様をみると現代社会の息苦しさを感じてはおります。
本作のフジイは、ホントになんの取り柄もない一般人。
夢、野心といったギラギラしたものはないし、40過ぎて正社員でもなく職場の同僚からも小馬鹿にされている。
でも、毎日楽しそうで、休みの日は散歩して目に映るものに、心ひかれるまま過ごす。
友人もいないから、一人で過ごす。
誕生日の日も1人でケーキを食べるような人間だ。
ただ、そこに侘しいとか寂しいとか、そういった気持ちはない。
また、ギターや絵画、陶芸など色々手広くやっているが、どれも決して上手いわけでもない。
ただ、本当に自分が満足するためだけにやっている感じ。
努力した以上結果や成果ばかり求めてしまう自分とはエライ違いだ。
フジイの中で、他人にどうみられるとか、誰かに評価して欲しいとか、そんなものはない。
背伸びもなく、卑屈な考えもない。
あるがままを生きている姿、人間関係や上述のようなSNSに疲れた人に刺さるのではないかなと思いました。
人生楽しむってこういうことだよなー
頑固というか、マイペースで自分の考えがしっかりしているフジイだけに、少しづつ周囲との人間関係で、彼も影響受けていく様はみてみたいなと思う。