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カリスマ

カルト宗教に翻弄された人々を描く

カリスマ 新堂冬樹 八潮路つとむ 西崎泰正
六文銭
六文銭

カルト宗教である「神の郷」に家族がハマってしまい、その惨劇と洗脳からの復活、そして宗教の崩壊までを描いた作品。 「神の郷」の教祖・神郷宝仙とその餌食になった城山家族を中心に物語がすすむ感じ。 そして、1巻目では、その物語の軸となる教祖・神郷宝仙の過去の話なのですが・・・これがもう衝撃的すぎて、正直、この後の展開でも彼を完全な悪者としてみることができなかったです。 彼自身もまた母親がカルト宗教によって狂わされた人間の1人なわけで、母親に対する愛情の深さや家族を失った悲しみは憐れでもあり、心から憎めなかったんですよね。 この1巻の影響が強すぎて、2巻目以降「神郷宝仙」が、信者に対して行う数々の悪行に対しても、どこかしょうがないとか思ってしまう自分がいました。 自分がツライ思いをしたから、他人を不幸にしてもいいわけではないですけど、それほど1巻が私には衝撃でした。 母親の前で泣き叫ぶシーンは子を持つ親としては胸に刺さり、悪に染まってしまう気持ちもやむ無しとか思ってしまったんですね。 とまぁ、自分はそんな感想でしたが、全体通して飽きさせない展開が多く、最後の最後まで予測がつかない展開は圧巻でした。 4巻とサクッと読めるのも魅力で、アングラ作品が好きな人にはおすすめしたい作品です。

創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊

なぜ人は物語を綴るんだろう?

創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊
toyoneko
toyoneko

「今年読んでよかったマンガリスト」を作ったときに、今年読んだ読み切りで何が良かったかな…と思いだす中で、真っ先に思い出したのが本作だったんですよね というか、「ゼロ災でいこうっ」のシーンが思い浮かんだ(添付) 衝撃的なシーンでした 大人になっていく中で、飛行機事故を契機に、自分の「核」が創作ではなくなっていたということ(又は、自分の「核」は最初からそんなところにはなかったということ)、そして、現実を前に情熱は失われてしまっていたこと、そのことを自覚する物語 それが、本作に対する私の印象でした …が、読み返してみると、実はそうではなかった だって、主人公は、そのことを自覚しながら、それでも、創作をやめられないから 「他の選択肢がない」という理由で、やはり創作を辞めることができない 別の人生を歩めるなら歩みたいと泣くのに、それでも辞めることができない それどころか、キャロット通信は解散し、仲間もいなくなり、 誰も読んでくれない、読者すらいないのに、辞めることができない 「にもかかわらず…私は…懲りもせず」 「また繰り返す…どうして?」 「なぜ??」 たぶん、このセリフこそが、この作品の核心なのでしょう 主人公にとって、創作は、苦痛なのでしょう でも、主人公の救いは、もはや創作しかない だから、主人公は、創作に向き合い続ける 「赤羽」に登場するペイティさんが、 「やはり創らないと気が狂いそうだから創るってコトですね…」 と言ってました(増補改訂版4巻、ボーナストラック9話)、 「創作」というのは、もともと、そういうものなのかもしれないです あ、ところで、そんなふうに「創作」をやめることのできない綿本おふとん先生ですが、トーチwebで新連載とのこと!みんなで応援しようね! https://x.com/offton_w/status/1873197901478019149

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