神と崇められし男に跪く無数の迷い人。神とは希望の光を与えし聖人。そして時に、絶望の闇を与えし俗人。カルト宗教の闇に迫る戦慄の黙示録-少年の心より光失われし時、闇の物語が動き出す。
迫り来る闇の存在に、男はまだ気付かない。メシアという名の神に両親を奪われた少年の復讐。それは自らが神となること。カルト宗教「神の郷」の教祖・神郷宝仙。その深く暗い闇は、平凡なサラリーマン・城山信康の平穏な生活を黒く塗りつぶそうとしていた。
教祖の欲望によって、男の妻は洗脳される。城山信康の唯一の生き甲斐。それは妻の麗子。しかし、「神の郷」の教祖・神郷宝仙は、城山麗子に自分の母親を投影し我が物にせんとする。「悟りの会」で修行中の麗子に迫る、神郷の洗脳術。城山家の平穏が破られようとしている。
愛する妻のために、男は教団に立ち向かう。妻・麗子の瞳に映るのは、「神の郷」の神郷宝仙のみ。絶望の淵にたたずむ城山信康は、脱会のカウンセラーとともに洗脳を解かんとする。一方の神郷は、我を忘れて麗子に迫りくる…。カルト宗教の闇に迫る戦慄の黙示録。ここに完結。
※ネタバレを含むクチコミです。
2話目がヤバい。ヤバすぎて笑っちゃうくらいヤバい。そこまでやるかってくらいバイオレンスなので読まなきゃよかったと後悔する人もいそう。2話目に比べるとそれ以降の話はストーリーとして上手くまとめてると思う。でも同じく信仰宗教をテーマにした漫画なら「祝福王」の方がより圧倒されたかな。とはいえ全4巻でわりと満足度を得られるので刺激がある漫画をお探しの人にはオススメです。
カルト宗教である「神の郷」に家族がハマってしまい、その惨劇と洗脳からの復活、そして宗教の崩壊までを描いた作品。 「神の郷」の教祖・神郷宝仙とその餌食になった城山家族を中心に物語がすすむ感じ。 そして、1巻目では、その物語の軸となる教祖・神郷宝仙の過去の話なのですが・・・これがもう衝撃的すぎて、正直、この後の展開でも彼を完全な悪者としてみることができなかったです。 彼自身もまた母親がカルト宗教によって狂わされた人間の1人なわけで、母親に対する愛情の深さや家族を失った悲しみは憐れでもあり、心から憎めなかったんですよね。 この1巻の影響が強すぎて、2巻目以降「神郷宝仙」が、信者に対して行う数々の悪行に対しても、どこかしょうがないとか思ってしまう自分がいました。 自分がツライ思いをしたから、他人を不幸にしてもいいわけではないですけど、それほど1巻が私には衝撃でした。 母親の前で泣き叫ぶシーンは子を持つ親としては胸に刺さり、悪に染まってしまう気持ちもやむ無しとか思ってしまったんですね。 とまぁ、自分はそんな感想でしたが、全体通して飽きさせない展開が多く、最後の最後まで予測がつかない展開は圧巻でした。 4巻とサクッと読めるのも魅力で、アングラ作品が好きな人にはおすすめしたい作品です。
※ネタバレを含むクチコミです。