ネタバレ

「お前ら」「僕ら」という主語のデカさに抉られる。
勝手に希望を抱いて勝手に理想を押し付けて勝手に裏切られて、自分勝手に傷ついているだけなのに主語は「僕ら」になっている。
なんて歪なんだろう。でもわかってしまう。

映画好きでひとりぼっちの小林君。ある日映画館で1個上のリカ先輩と出会う。
同じ映画を観て泣いていたリカ先輩。僕の映画論を聞いて「わかる」と微笑んでくれたリカ先輩。
僕と同じ映画好きで、心の美しい女性だと思っていたのに……というお話。

小林君のぐちゃぐちゃな心情に焦点を当てて描いているけど、リカ先輩視点の物語も見てみたい。
好きなバンドマンの感性を少しでも理解したくて、ひとりぼっちの後輩に近づいて、理由もわからないままに人間性まるごと拒絶されて。
小林君もリカ先輩もこの日々のことを忘れられずに生きていくんだろうな。
こういう歪みをわかんないように重ね合わせたものが人生かもしれない。かもしれないけど辛いね。

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それでも天使のままで 【単行本版】

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小骨トモ、2冊目の単行本は、初恋を描いた4つの物語。「リカ先輩の夢をみる」、「それでも天使のままで」、「あの嫌いなバンドはネットのおもちゃ」、そして単行本先行収録の新作「先生のクモのイト」の4作を収録。「小骨さんの作品を読むと蚊にさされたとこを血が滲むまで掻きむしった時に襲われる背徳的爽快感に似た読後感に襲われる。つまり好き。すきすきだいすき超超超超超超超すき」コナリミサト(漫画家『凪のお暇』『珈琲いかがでしょう』)「小骨さんの描く箱庭にずっと居たい。じっとりとした湿度は、心の涙のよう。焦燥感はヒリヒリとして身を焦がすのに、このまま焼かれてしまいたいと思った。人間の醜さをこんなに美しく暴けるひとがいるのか。目の離せない危うさに虜になるしかない。触れたら壊れてしまいそう。でも抱きしめたくなる、そんな漫画と出会えて良かった」Daoko(アーティスト 8th Album『Slash-&-Burn』)

神様お願い

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