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中学教師・山内海はある日、殺人事件のニュースを目にする。殺されたのは鈴木侑己、中学時代の同級生だった。数日後、山内の恋人で文芸書の新人編集・八木沢珠緒は、公募小説の落選作に事件と酷似した内容が描かれた作品を見つける。『ザシス』――作者名は佐伯遥人。やがて小説と同じように、旧友に同窓会の案内状が届いて…。森田まさのりが挑む初のサスペンスホラー第1巻!! ※この電子版は紙版『ザシス』1巻と同内容になります。重複購入にご注意ください。
第13話、小説の中での遥人の山内に対する絶対の信頼を珠緒から聞いて、「違うんだ、遥人…。俺は…お前を…」って山内が泣いてるけど、これもかなり違和感がある。遥人が死んでいるんだったらこういう反応になるだろうけど、ついさっきまで遥人は山内の目の前にいて、しかも突然に姿を消したのだから(つまり、生きているとしか思えない状況なのだから)、こういう反応には絶対にならないと思う。
ホント、森田まさのりとは思えない雑なところがあまりに多すぎて、「不人気で突然打ち切りさせられたんか」って思ってしまう。
せめて遥人が椅子から姿を消したりせず、たとえば山内が脈をはかってその死をしっかり確認して、その上で「結局、母親の単独犯だったのだね」でいけば、山内の涙も含めて第13話はそんなにおかしくはならなかったのだけど(そして、ラストの靴にもゾワっとできたと思うのだけど)、遥人が椅子から姿を消したのを山内が確認してしまって、しかもドアから出ていったことに気付いた様子まで描いてしまったから、山内の涙も不自然だし、ラストの靴も読者からしたら「そりゃあ、遥人は生きてるんでしょうね」になっちゃって、ちっとも怖くない。
第13話、わりとめちゃくちゃよね。
ゾンビ的な存在としての肉体のある遥人(動ける存在)をついさっきまで目の前にしていた山内が、かつて姉に書かせたいじめのメモの出現を「きっと遥人が俺に…」と心霊的な解釈をするのも、不自然。
椅子に座ってる遥人が要らなかったんだよなぁ。あくまで母親の単独犯にしておいて、ラストのコマであのウィングチップの靴ではなく、仮面の男の尖った靴を描けば、「え? やっぱり真犯人が他に?」になるし、仮にそれで終わってもそこまで不満はなかった。なまじ遥人を登場させたことで、あちこちおかしくなった。
個人的には打ち切りというよりも強引に別エンドにしたような感覚。ページ数も足りてなくて尻切れトンボだし。ちゃぶ台返しというか、支離滅裂というか。もし誰かがこの最終話を完璧に予想して文章化したとしたら、矛盾の多さに他の読者からの厳しい突っ込みは避けられなかっただろう…