べらん名医 ~スポーツドクター東奔西走記~ (石井さだよし短編集)の感想 #推しを3行で推すにコメントする
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べらん名医 ~スポーツドクター東奔西走記~ (石井さだよし短編集)

スポーツドクター漫画にハズレなし

べらん名医 ~スポーツドクター東奔西走記~ (石井さだよし短編集) 石井さだよし 二枚矢コウ
ひさぴよ
ひさぴよ

表紙とタイトルで、飲んだくれの医者のように勘違いしていたが全然そんなことはなく、ちょっとガサツだけど患者の気持ちに寄り添う心温まるスポーツドクターの物語だ。作画は『解体屋ゲン』でおなじみ石井さだよし先生で、大昔の初期作品を収録した短編集となる。初出は書かれてなかったけど、まんがSeekで調べたらビッグコミックオリジナルで1974、1989、1990年と不定期に載っていた作品とのこと。 https://mangaseek.net/work/18278.html 人情ドラマであると同時に、スポーツと医学の関係についてもしっかりと描かれていて、最後の方にはブラインドサッカーらしき選手が登場するなど、現代から見るとかなり時代を先取っていた作品だったのではないか。作画についても1コマ1コマがきっちりと描かれていて、この時代のアナログで描かれた漫画の手仕事って本当に素晴らしいなあと思う。同時収録の「ウドの達人」はやや時代を感じてしまう内容で、好みは別れるところかも。 スポーツドクター漫画で言うと、『ドクターメシア』『ドクターゼロス』『ママはスポーツドクター』など読んできたが、作品数は多くないけど、いずれもハズレなしの面白い作品の多いジャンルだと思った。

この世界の片隅に

漫画と映画を久しぶりに見返した!

この世界の片隅に
かしこ
かしこ

2025年のお正月にNHK広島放送で映画「この世界の片隅に」が放送されたのは、今年で原爆投下から80年が経つからだそうです。この機会に私も久しぶりに漫画と映画をどちらも見返してみました。 やはり漫画と映画の一番の違いはリンさんの描き方ですよね。漫画では夫である周作さんとリンさんの関係について触れられていますが、映画ではありません。とくに時限爆弾によって晴美さんと右手を失ったすずさんが初めて周作さんと再会した時に、漫画ではリンさんの安否を気にしますが、映画ではそれがないので、いきなり「広島に帰りたい」という言葉を言い出したような印象になっていました。映画は子供のまま縁もゆかりもない土地にお嫁に来たすずさんが大人になる話に重点を置いているような気がします。それに比べると戦時下無月経症なので子供が出来ないとはっきり描いてある漫画はもっとリアルな女性の話ですよね。だから漫画の方が幼なじみの海兵さんと2人きりにさせた周作さんに対して、あんなに腹を立てたすずさんの気持ちがすんなり理解することが出来ました。個人的には男性達に対してだけではなく、当時の価値観で大事とされていた後継ぎを残せない自分に対しての悔しさもあるのかもしれないと思いました。けれどもこの選択をしたのは原作である漫画を十分に理解してるからこそなのは映画を見れば明らかです。 久しぶりに漫画と映画を見返してどちらも戦争が普通の人の生活も脅かすことを伝えているのはもちろん、すべてを一瞬で無いものにしてしまう核兵器の恐ろしさは動きのある映画だから強く感じた喪失がありました。そして漫画には「間違っていたら教えて下さい 今のうちに」と巻末に記載されていることに初めて気づきました。戦争を知らない私達が80年前の出来事を想像するのは難しいですが、だからこそ「この世界の片隅に」という物語があります。どんなに素晴らしい漫画でもより多くの人に長く読み続けてもらうのは大変なので映像化ほどの後押しはないです。これからも漫画と映画どちらも折に触れて見返したいと思います。

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