当時学校で桂正和を読んでいるとエロいみたいな風潮があって、小学生でウブだった私は、ジャンプを買ってもこれだけは読まないように頑張っていました。
ページをめくってて本作がでてくると慌てて数ページ飛ばして違う作品に移動する。
テレビのエロシーンがでるとチャンネルを変えるようなものをイメージしてもらえれば、大体あってます。

・・・今思うと意味不明な努力なのですが、最終的には、魅力に抗えずなんだか悪いことしているような背徳感を感じながら、影でこそこそ読んでいた思い出深い作品です。

「少年」ジャンプなのに結構際どい描写をしており、
さすが俺たちの桂正和!と神格化し、同時に、そこにしびれて憧れておりました。

さて本作の内容なのですが、タイムトラベル×SF×バトル×ラブコメといった属性で、自分としては初めてタイムトラベルものの味わい深さを実感した作品。
エロばかり強調してましたが、内容もしっかり面白いんです。

未来は、人口増加が問題で2人以上の子供をつくったら死刑になるほど深刻な状況。
そんな中、何人もの女性を虜にして1人で100人以上も子孫を残したプレイボーイのDNAをもった男がいたことが判明。
ただ、判明したときには彼はすでに死亡していた。
問題は100人以上いるという彼の子孫。
同じようにプレイボーイ気質であることは予想できたため、大元である男のもとにDNA操作をしに未来からやってきたという流れ。
その男が子供をつくるまえにDNAをいじって、プレイボーイじゃなくさせてしまおうって魂胆である。

そのプレイボーイのDNAをもった大元の男が主人公の桃生純太で、DNA操作をしに未来からやってきたのが、ヒロインの葵かりんである。

ちょっと運命入ったボーイミーツガールである。

ところが、現代の純太はプレイボーイどころか、もてない・さえない男で、かりんも不思議に思うが個人情報が対象と一致したことからDNA操作を実行する。
が、その際に使用した弾丸が実は誤ったもので、これが原因で逆に彼のプレイボーイのDNAを目覚めさせてしまったという展開。

つまり、プレイボーイをなおすために未来からやってきてDNA操作をしたから、プレイボーイができてしまったというタイムパラドックスが起きる。

基本路線はこんな感じで、プレイボーイの能力を使って女の子を虜にしたり、それが他の男の嫉妬を買ってすったもんだあったり、なぜかパワーアップ(超サイヤ人みたいになる)して、サイキック能力なんかも出てバトル展開がはじまったりと色々飽きさせない展開が続きます。

とまぁ、ここまでだったら普通の漫画なのですが、やはり桂正和は一味違います。
特に最終巻の怒涛の展開は、個人的に我が漫画史上で忘れられないほどの名シーンの連続です。

黒幕、つまりDNA操作で間違って撃ったと思ったのが、実はとある陰謀で罠にはめられただけという真実。
その陰謀とDNA操作の狙い、かりんと純太の本当の関係、そして最後、タイムトラベルにつきものの別れ・・・すべてがつながった時、えもいわれぬ感動が押し寄せます。

ネタバレになるので詳細は割愛しますが、全5巻と1日で読めると思いますので、ぜひ読んでいただきたい。

5巻だと打ち切りだったのかもしれませんが、自分はそんな風には感じず、むしろキレイに終わった作品だと思います。
逆に、人気がなかったのだとしたら隠れた名作だと言える作品です。

読みたい
だれでも抱けるキミが好き

ただのエロかと思ったら

だれでも抱けるキミが好き
六文銭
六文銭

童貞地味男のゴトウとビッチなギャル・アガワさん。 冒頭からアガワさんのビッチさ全開の姿を見せつけられ、ゴトウくんはカルチャーショックをうける。 と、いうのも普段は委員会が一緒で、ギャル特有のフランクさに童貞のゴトウくんは秒でやられて、アガワさんが気になる存在になっていただけに、生々しいビッチさにショックをうけてしまった、、という流れ。 そこで童貞特有の女性に対する幻想に、第3者的に苦しむだけかと思ったら、そんな葛藤も一瞬で、ゴトウくんもアガワさんとやることをやってしまう。 そこが、ひと味違い個人的に面白いと感じました。 ゴトウくんもアガワさんのセフレの1人に成り下がってしまったことで、どこか自分だけは他の男子と違うとか思っていただけに、その落胆さと、身の程をわきまえ始める感じが、哀愁漂います。 ピュアな気持ちなど、最初からなかったのか?と。 アガワさんも掴みどころなく、ポンポン相手を代えるから、またすごい。 そんな姿にゴトウくんが嫉妬で狂いそうになって、今後どう動くのだろうか。 そして、それにアガワさんはどう反応するのかな? アガワさんがヒキ気味だと現実味があって面白いと思ってます。

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ

嘘か真実か陰謀論

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ
六文銭
六文銭

自分が何かと恵まれていないのは、何か大きな陰謀によるものではないか?という、ネットではびこる「陰謀論」がテーマの本作。 主人公は、いわゆる社会的に弱者の部類で、それでも自分にも特別な何か(人生大逆転できるようなものが)あるんじゃないかと日夜怪しいセミナーに通いながら過ごす。 そんな中、偶然出会った大学生の女性に恋してしまう。 関係を深めていくなかで、彼女につきまとうFACTという謎の組織の存在を知り、彼女を守るために接触。 そこは、陰謀論に染まった集団で、自分の境遇の悪さも、彼女と出会ったのも全てが大きな陰謀だったと諭され、気づくと彼もまたその思想に染まりはじめてしまう・・。という展開。 社会的な問題を扱う重そうな感じもあれば、コミカルなヌケ感もある。 現実を描いた漫画だから明らかに嘘っぽくも感じつつも、これ実はファンタジー漫画なのでは?と思うと真実のように感じてしまう。 ついつい、陰謀も本当のように感じてしまう。(ちょっと調べればわかるんですけどね) そんな感じで嘘か真実かわからないながら、自分なんかは読んでいたのでめちゃくちゃ楽しめた。 特に2巻。 主人公が上述した恋心を抱いている女性に、付け焼き刃的な稚拙な持論を展開し、一瞬で論破される様は読んでいてホント痛々しく、ゾクゾクした。 共感性羞恥をこれほど感じたシーンはないと思う。 4巻で最終巻らしいけど、どうオチをつけるか気になる。

珍遊記2~夢の印税生活編~

奇跡の続編

珍遊記2~夢の印税生活編~
六文銭
六文銭

小さい頃、色んな意味でトラウマを植え付けられた珍遊記。 当時、絵を見るのも怖くて、だけどドラゴンボールは読みたいから、珍遊記のページにはいかないよう恐る恐るめくっていたのも、今となっては良い思い出です。 本作というか、著者を語る上でもはや絵柄に触れないのは無理なのですが、とにかく子供がみたら泣き出すような絵の濃さ。 特に婆さんキャラのシワがえぐい。 下品な下ネタも満載で絵柄と相まって、初見の方は気分悪くなると思うんですが、、、 著者が、現在、子供向けの絵本作家としても活躍しているというから驚きしかない。 謎に時代を感じる。 さて、本作の内容だか、前作珍遊記の続編という立ち位置だが、前作をなぞりながら、その裏で起きていたことを描きながら始まる。 もう一つの怪作、漫遊記とも繋がっているので両方知っているとより面白いのだが、正直、何も知らなくても大丈夫だと思う。 著者の作品を知ってる人ならわかると思うが、ストーリーはあってないようなもので、とにかく勢いが魅力。 そこは本作も健在で十二分にある。 映画化もした作品だが、玄人受けとか言うつもりもないが、毒にも薬にもならない作品と異なり、モノづくりに携わる人間に、何らかのインパクトを残す作品なんだろうってことは理解できる一作です。

でぃーえぬえーつーどこかでなくしたあいつのあいつ
D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~(1)
D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~(2)
D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~(3)
D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~(4)
D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~(5)
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
ドラマ「ウイングマン」コンプリートガイド

ドラマ「ウイングマン」コンプリートガイド

1980年代「少年ジャンプ」誌面を席巻したヒーローアクション、遂に実写化! 待望の「特撮」化を、全話誌上再現、設定特集、キャスト&スタッフ徹底取材で深掘るガイドブックです! キャスト&スタッフ取材:藤岡真威人(広野健太役)×加藤小夏(アオイ役)×桂正和(原作・総合監修)/宮野真守(北倉先生/キータクラー役)/坂本浩一監督・アクション監督/レインボー造型企画/JAP工房/スーツアクター座談会/プロデューサー鼎談/伊藤和宏(DMM TV エグゼクティブプロデューサー)×酒井健作(企画・脚本監修)

試し読み
ウイングマン 実写特装版

ウイングマン 実写特装版

異次元からやってきた少女との出会いが、一人の少年を憧れだった正義のヒーローへと変えた! 「悪裂!」の掛け声とともに、ウイングマンが全世界の支配をもくろむ悪に戦いを挑む!! ※このコミックスは集英社文庫(コミック版)「ウイングマン」1~7巻をデジタル配信用に再編集したものです。重複購入にご注意ください。

新装版 TIGER & BUNNY

新装版 TIGER & BUNNY

“NEXT”と呼ばれる特殊能力者と様々な人種と民族が共存する都市『シュテルンビルト』を舞台に、ワイルドタイガー(鏑木・T・虎徹)と新人ヒーロー・バーナビーがコンビを組み、様々な事件を解決していく…!?2022年4月配信開始の「TIGER & BUNNY2」を記念して、装いを新たに全4巻で再登場!旧版1巻と2巻を1冊にまとめた、350P超の大ボリュームでお届け!

DOUBLE DECKER! ダグ&キリル

DOUBLE DECKER! ダグ&キリル

【デジタル版限定!巻末に描き下ろし特典イラスト付き!】SEVEN-O(特殊犯捜査係)――違法薬物「アンセム」を取り締まるこの捜査機関では二人一組のバディで行動する捜査体制「ダブルデッカーシステム」を敷き、その対応に当たっていた。飄々とした掴みどころのないベテラン刑事ダグ・ビリンガムと、やる気だけが空回りする新米刑事キリル・ヴルーベリ。型破りな二人の刑事の物語が今、はじまる――! 大人気アニメ公式コミカライズ!!

ZETMAN

ZETMAN

手の甲に円状のコブを持つ不思議な少年ジン。続発する怪事件を背景に、謎の老人がジンのことを探し始めた…。ある日、ジンの前に突然、異形の殺人鬼が出現。それまでの平穏な日常は激変する。人知を超えた殺人鬼の力を前にジンは!?壮大な物語が、今始まる…!!

I”s<アイズ>

I”s<アイズ>

瀬戸一貴は私立湾田高校2年生。密かに恋心を抱くクラスメイトの葦月伊織と、新入生歓迎パーティの実行委員に選ばれ、打ちとけるきっかけをつかんだ。自分の部屋に初めて伊織を招いた一貴だが、そこに突然、彼を想う幼馴染み秋葉いつきが現れる…。桂正和の描く美少女の魅力があふれる純愛物語の傑作。

懐かしの人生初「桂正和」作品にコメントする
※ご自身のコメントに返信しようとしていますが、よろしいですか?最近、自作自演行為に関する報告が増えておりますため、訂正や補足コメントを除き、そのような行為はお控えいただくようお願いしております。
※コミュニティ運営およびシステム負荷の制限のため、1日の投稿数を制限しております。ご理解とご協力をお願いいたします。また、複数の環境からの制限以上の投稿も禁止しており、確認次第ブロック対応を行いますので、ご了承ください。