そんな世界があるって現実を教えてくれた。
実話ということで受け入れがたい環境や気持ち、人間、親子関係などが現実にあると教えてくれた漫画です。 非行少年の背景や親子の複雑な環境など、読んでいて自然の涙が出るシーンが沢山あります。 また、「境界知能」というワードを初めて知りました。現に10%の人が「境界知能」に該当するということも書かれており、 他人事とは思えない深いお話でした。 漫画ではなく小説もあるので小説も読みたいと思います。
少年院に収監される非行少年たちの中で、少なくない確率で境界知能の少年がいる…!『「子供を殺してください」という親たち』の鈴木マサカズ最新作!! 累計60万部突破の新書漫画化! 少年院と境界知能の闇に迫る!!
新書で出ていた原作も読みましたが、漫画として絵になるとグッとリアリティがでますね。
漫画家さんも「「子供を殺してください」という親たち」といった、
ノンフィクション系を描くのが巧みな方なので、より強く印象に残りますね。
原作でもそうでしたが、非行少年というと、どうしてもヤンキー系のオラオラした少年をイメージしがちだったのですが、
本作では、
「そもそも悪い行為だと理解できない」
「悪いとわかっていても他に方法が思いつかない」
といった軽度な知的障害に分類される少年たちが、犯罪にそめる様を描いおり、これが衝撃的でした。
それを端的に「ケーキのきれない」(円を3等分にできない)と表現するのは、キャッチーでありながら、深くに心に訴えかけます。
初等教育からつまずき、徐々についていけなくなって、
最後はこぼれ落ちていく少年たちの焦燥感や孤独感を丁寧に描いており、
だからこそ読んでいて苦しくなることも多いです。
が、これが現実なのだと思うと、教育について色々考えさせられます。
非交少年の問題を知る上で、とてもタメになる作品だと思います。