新書で出ていた原作も読みましたが、漫画として絵になるとグッとリアリティがでますね。
漫画家さんも「「子供を殺してください」という親たち」といった、
ノンフィクション系を描くのが巧みな方なので、より強く印象に残りますね。
原作でもそうでしたが、非行少年というと、どうしてもヤンキー系のオラオラした少年をイメージしがちだったのですが、
本作では、
「そもそも悪い行為だと理解できない」
「悪いとわかっていても他に方法が思いつかない」
といった軽度な知的障害に分類される少年たちが、犯罪にそめる様を描いおり、これが衝撃的でした。
それを端的に「ケーキのきれない」(円を3等分にできない)と表現するのは、キャッチーでありながら、深くに心に訴えかけます。
初等教育からつまずき、徐々についていけなくなって、
最後はこぼれ落ちていく少年たちの焦燥感や孤独感を丁寧に描いており、
だからこそ読んでいて苦しくなることも多いです。
が、これが現実なのだと思うと、教育について色々考えさせられます。
非交少年の問題を知る上で、とてもタメになる作品だと思います。