あっけらかんと、現実を突きつけられる。
現実、将来、老後。 どの言葉がよりふさわしいんだろう。 あっけらかんと、つきつけられる。 持たざるものからしたら、主人公が珍獣のように見える理由はとてもよくわかる。 しかし、主人公は少しずつ、知らなかった生活環境を送る人たちの存在に気づいていき、変わっていく。 すべてのきっかけが孤独死というあたり、なんだか都会っぽい。 孤独死しないために婚活して結婚? 結婚したからといって、大丈夫と思うなよと言わんばかりに突きつけられる、親の介護、何もしない夫、子がなにかしてくれると思うなよの嵐。 気にしたら見えなかったものがどんどん見えてくる。 ただ、耳をふさぎたくなるような話題も、主人公の百面相のようにコロコロ変わる表情や、油断したら出てくる猫もしくは猫オマージュ、あと不思議な人・ナスダくんで大変読みやすい。 我々の将来は、一体どんなかんじになっているんだろう。 今日が明日も続いて、親が過ごしていたような老後を我々も?と思っていたけど、昨今の情勢を考えると、それはなさそうだなという気がしてきた。
鳴海の職場には、ネットで調べなくても、専門書を読まなくても、色々知っている人がいるので、勉強になるなぁ。
那須田君は、鳴海に好意を持っているものの口走る言葉がとってもサド的。
鳴海の親戚のお墓に一緒に行ったり、実家に行って父親に物申す感じも面白い。それによって、鳴海は、那須田君に全てをさらけ出す感じになっている。誰よりも、もしかしたら本人よりも鳴海を知っている那須田君。ちょとキモイ。
そして、鳴海の同僚の、松岡さんはの発言は、かなりのリアル感をあり。
この本には、今まで誰にも聞けなかった内容が詰め込まれているので、是非、一読してほしい。