やや男目線の離婚物語 #1巻応援にコメントする
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ぼくたちの離婚

事実はマンガよりも奇なり。

ぼくたちの離婚 稲田豊史 雨群
兎来栄寿
兎来栄寿

「病んだ魂と、欠けた魂が、修羅場を作り出す」というキャッチコピーが秀逸。 こちらは、離婚を経験した人へ経緯や顛末を取材してリアルな体験談を連ねたWEBメディアの企画『ぼくたちの離婚』の書籍版をコミカライズした作品です。 言うなれば『その時の彼女が今の妻です』の逆バージョン、「その時の妻が今の他人です」。出逢いや馴れ初めからスタートしながら、そこから別れに至るまでのそれぞれのリアルな実体験と感情が克明に描かれています。 とてもよく理解できて同情してしまう人もいれば、まったく理解が及ばず宇宙人のように思える人まで様々に登場しますが、率直に言って面白いです。下手な創作より余程個性的で立った「キャラクター」とその感情の変遷に圧倒されます。 自身も離婚を経験している原作者曰く、 「苦痛に満ちた結婚生活。身も凍る修羅場。苦渋の決断。激しい後悔と開き直り。妻に対する未練や呪詛の言葉。そこに、当時の心境と現在の心情が入り交じる。引き込まれること、この上ない。「これは読み物になる」と確信した」 とのことで、それは間違いないでしょう。 Case#03の、『キル・ビル 』の暗殺集団のボスであるビルが元恋人のザ・ブライドを殺した本当の気持ちがよく解るという件に非常に感情移入しました。サブカルに精通したカッコいい美人というのも最高でした。今の自分も結婚を経てビルに殺される側になりつつあるなと感じます。 本筋ではないですが、Case#05の犬のエピソードもグッときますね。 絵が綺麗だなぁと思ったら、『麻衣の虫ぐらし』などの雨がっぱ少女群さんの別名義でした。綺麗な上で、人間の暗部が露呈するシーンのえげつない表情の迫力が凄いです。 「人間」を見たい方、修羅場を見たい方、離婚の危機に備えて反面教師にしたい方、ご一読してみては。

COBRA THE SPACE PIRATE

夢と呼ぶにはあまりに厳しく余りに哀しい影に向かってのオデッセイ

COBRA THE SPACE PIRATE
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)

著者のライフワークなので一言で括れない幅がある作品で、私は 1.手塚治虫的なタッチが残り奇想展開なアイディアの楽しい「少年ジャンプ初期」(「コブラ復活」~「ラグボール」) 2.線がややソリッドになりシニカルな描写の増えた「少年ジャンプ中期」(「二人の軍曹」~「黄金の扉」) 3.ヒロイックな描写の光る「少年ジャンプ後期」(「神の瞳」~「リターンコブラ」) 4.「聖なる騎士伝説」 5.CGフルカラー期 で分けている。どの期間も見るべき所のある漫画であるが、4.の「聖なる騎士伝説」について書きたい。  「聖なる騎士伝説」は青年誌に掲載された長編で他の話より暗く、いつもよりシリアスでアダルトな展開や描写が多い異色のエピソード(何てったって、レディーさえ出てこない) だ。ここでは新世界の興奮は悪鬼に蹂躙され、コブラのいつもの剽軽な態度やヒロイックな勇気は鳴りを潜め、笑みは嘗て見られなかった暗い影を忍ばせている。絵の線もどの辺よりも細く、陰影もまた濃く、混沌とした悪意蔓延る世界をこれでもかと描き出す。筋も宝や冒険ではなく悪鬼の暗殺と言う剣呑な代物で、終盤に明かされる種も周到に張られた伏線もあり陰惨な世界観を補強する。  今までのスペースオペラと比べると余りにもノワールであり、退廃的でもあるが、それだけに強烈であり、私はこのエピソードが一番好きだ。けだし、このノワールが単なる露悪に終わらず、コブラが常に世を儚むようなニヒルな皮肉を呟きながら銃をぶっ放しながらもどこか善や正義を諦めきれていないからではないかと思う。有名なコマでもある様にコブラは終盤、実際には何の利益を齎さなかった教会を批判し「神か……最初に罪を考え出したつまらん男さ」と呟いてみせたが、これはやはり神や正義についてどこか夢を持っている証拠に他ならないと思う。さもなくばこんなセリフは決して言わないだろう。  コブラの海賊としてのアウトローな性格や享楽主義は上記の理想主義的な思想やストイックさに支えられている。寺沢武一は彼の初期作品を「思弁的」と批評していた記憶があるが、そういった性格が彼の作品から消えた事は一度も無かったことは確かだろう、そしてそれこそがこの漫画をいつまでも輝かせているのだろう。海賊と言う自由とギルドに対抗する高潔な戦士の顔を持つあの男のとこしえの旅に祝福を。

ぼくたちの離婚

ぼくたちのりこん
ジャンル:社会
最新刊:
2022/01/19
ぼくたちの離婚(1)
ぼくたちの離婚 2巻
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