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人気のコメント

黒賀村在住
1年以上前
黒賀村編が尺延ばしだったとかテコ入れだったとか言われるたびに悲しくなってしまうのですが自分は大好きです。なぜならあるじゃないですか、シルベストリ戦が!! 修行中の勝の元に送り込まれたオートマータの刺客・シルベストリ。外見は老人そのもの、オートマータらしいギミックを持っているわけでもなく武装は腕の仕込み刀のみという渋い仕上がりの人形です。 にもかかわらず「最古の四人」アルレッキーノやパンタローネを瞬殺するほどの実力の持ち主で、純粋な剣の腕前のみを理由に味方からも一目置かれているという絶対に強いタイプの敵キャラです。(唯一人形っぽい特徴も体の中に沢山スペアの刀が入れられるだけという一点特化型なのがしびれる) シルベストリの任務は人の生活の中に溶け込み「笑い」を研究すること。 彼は勝に「人はどうして群れるのか」を問います。人同士の関わりを最小限にすれば争いも無くなるのになぜ愚かしくも仲間を作るのかという、人間との距離が近かった彼だからこそ生まれるような、ある種の本質をついた問いです。昨今の世相にも突き刺さるような重みが生まれている…と感じずにはいられません。 それに対して勝は「誰かが隣にいることで変わっていけるから」と答えます。それこそが人間の進化であり、何も変わることのない人形との違いであると。 冷静なシルベストリが唯一激昂したのが孤独なオートマータに進化なんて出来るものかと看破されたこの瞬間でした。 勝がシルベストリに言い放った「人間は負け続けるようには出来ていない」という言葉は『からくりサーカス』のなかでも特に大好きなメッセージで、こんな時期だからということもあってか、久しぶりに読み返してゾクゾクしてしまいました。勇気をもらえた気がします。 常に単独で行動して、真の意味で誰とも交わることのなかったシルベストリは最後に「人の輪の中に入りたかった」ことに気付くのですが、ここが本当に切ない…。人形であっても本当は変わることが出来るという優しさのようなものが感じられるのです。 作中屈指の強キャラとの戦闘の緊張感もさることながら、本編を通してのテーマがドッシリと横たわっている読み応えのあるシリーズです。
不揃いの連理

タイトルから見る"伴侶"の形

不揃いの連理
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ここではタイトル『不揃いの連理』の語義と内容をリンクさせながら、(6巻までで)四組の女性ペアの関係を追う本作の魅力を書いてみたいと思います。 「連理木(れんりぼく・れんりぎ)」というのは、隣りあった木々の接触した枝や幹が一つにくっつき、木目まで混ざり合った状態のこと。そこから「連理」という言葉は二人の深い契りを表すのだそうです。 幸せな予感のある「連理」という言葉。では「不揃いの」という言葉はどうでしょう? 登場するペアは、いずれも全然タイプの違う二人。そしてどちらか片方、もしくは両方とも「ダメな人」だったりもします。 まっとうな会社員×元不良は見た目に反して、ダメなのは会社員の方。いかにも悪そうな人と優等生のJKコンビは、優等生が意外と暴力的etc……。でもそんな二人が何故か寄り添う。 ではそこにどんな心があるのか。 ある人に惹かれる理由を、言葉で言い表すのは難しい。でも、なぜある人の側にいるかは、理由を言える場合もある。 この作品でそれが分かりやすいのは、ダメな漫画家に接する生真面目な編集者。彼女は恋愛的惹かれの他に、ダメな漫画家を支える動機としての「ある気持ち」を持っている。そして同じようなものは、他の三組にも見て取れる。「ある気持ち」はおそらく頼りない人に対する普遍的な心情なので、納得する人は多いと思います。 「ある気持ち」で支え合い、接するうち、彼女たちはいつのまにか離れ難くなっていく。そこには理屈ではなく、もはや必然として一つになった連理木が生まれている。 伴侶って、こういうことだよな……大きな安心感とエモーションが同居する感じ。実はかなり暴力描写・しんどい内容も多いのにそれはとても不思議な感覚で、いつまでもこの物語を追う動機となってゆくのです。 ダメな人に対する、共通する「ある気持ち」......どんなものか、ぜひ本作から探してみてください。 さあ、まだ不穏な堅物教師×生徒の物語はどうなるかな? (6巻までの感想) (追記:実はマンバ読書会でリアルタイムで書いたものから、細かく改稿しています。どんなふうに変化しているか、ぜひ配信と比較してみてください! https://www.youtube.com/watch?v=FgBPuVvUHFI) #マンバ読書会 #クチコミを書く回

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