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ダンピアのおいしい冒険

未知を既知にするのは何時だって機知に富んだ無知な奴ら

ダンピアのおいしい冒険 トマトスープ
ピサ朗
ピサ朗

17世紀の海賊の航海日誌を膨らませた「事実を基にしたフィクション」の伝記漫画なのだが、とても素晴らしい。 昔の学習漫画のようなシンプル絵柄だが、当時の海賊という事情からも病気や戦闘などのともすればグロテスクな部分も読みやすく、またダンピアも実年齢より若々しく感情移入がしやすいし、異常なまでの参考資料から読み取ったであろう先住民や欧州、東南アジアなど各々の文化を、しっかり漫画に落とし込み、題材となった人物をしっかり主人公として魅力的に描くのは相当な筆力を感じる。 英国生まれの青年ダンピアは、貧困と教育を軽んじる当時の価値観から大学に通えず、紆余曲折の果て、はみ出し者だらけの海賊船に流れ着いた、当初は悲観していたが、誰も知らない事の発見者になれる喜びを噛みしめ、未だ未知なる事に溢れた太平洋の冒険に胸を躍らせる。 当時航海も盛んになっていたとはいえ、人々にとっては日々を生きるのが精一杯というのは珍しくもないだろうし、ダンピアのような青年はきっと多かっただろうけど、どんな状況にあろうと好奇心と探求心に満ち溢れ、恐れず行動し、海賊というヤクザ稼業をすらチャンスとして学ぶダンピアが実に魅力的。 「おいしい冒険」の名の通り、食事に関する描写が豊富だが、当時誰も食べたことの無い未知の食材を調理するその風景は、その航路からも正に「先駆者であることの歓喜と偉大さ」を訴えかけてくる。 しかし食事だけでなく、授業料の無いフィールドワーク、税金にせよ犯罪にせよ許され、実力勝負故に人種差別の薄い海賊という職業、それらもひっくるめてのダンピアの「おいしい冒険」であるのも面白い。 危険に溢れた海賊稼業が「おいしい」と言えるかは人によるだろうけど、職業選択の自由もない時代で、海賊以上に劣悪な環境の海軍の事情なども併せて語っているのでダンピア達にとっては正においしい冒険だったのだというのが伝わってくる。 教科書には載らなくとも歴史を彩る偉人の生涯を実に魅力的に描いていて、とても良い読後感を得られる名作。

ダンピアのおいしい冒険

ゲテモノ喰いで、新世界攻略! #1巻応援

ダンピアのおいしい冒険 トマトスープ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ウィリアム・ダンピアは博物学者であり、作家であり冒険家、そして海賊である。 彼は十七世紀に、40歳まで海賊として世界を冒険し、詳細な旅程や風物の記録を残す。彼の本は後の地誌学や『ロビンソン・クルーソー』『ガリバー旅行記』などの文学にも影響を与える。 本作で描かれる彼の面白さは、海賊として荒事にも参加し、海賊を仲間として信頼しながらも、知識層に属する航海士への尊敬と好意も持ち合わせる、ニュートラルさ。その冷静さと熱い知識欲の眼差しで、彼は航海中のあらゆる物事を詳細に記述していく。 彼の物事を知るためのアプローチの一つとして「食」への挑戦がある。 ちょっとグロくても、食えそうと思ったら、何でも捌いてみて食べる!動物も植物も、現代の私達には想像もつかない物が多く、「それ喰うんすか?」である。 食材のバリエーションを広げることが生死に直結する航海。美味くても食いづらくても栄養価が重視される事情と、ダンピアの知識欲が噛み合って、かなり興味深い未知の食材が見られる。 当時の世界情勢と海賊事情、冒険のリアルと食事情、地理学や民俗学の原点……見所満載の航海記。世界一周を最後まで追いたい!

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

だんぴあのおいしいぼうけん
ダンピアのおいしい冒険 1巻
ダンピアのおいしい冒険 2巻
ダンピアのおいしい冒険 3巻
ダンピアのおいしい冒険 4巻
ダンピアのおいしい冒険 5巻
ダンピアのおいしい冒険 6巻
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